代替テキスト
(写真:アフロ

令和6年能登半島地震による被災地支援のため、この度ドジャースと共同で寄付をいたします》

1月5日大谷翔平(29)がインスタグラムを更新。所属球団と共同で100万ドル(約1億4500万円)の寄付金を被災地に贈ると発表した。

「地震発生からわずか4日で、12月に加入したばかりのチームを巻き込んで寄付に至る行動力に驚きました。さらに、額は明かしていませんが、別に個人としても寄付を行うと報じられています」(スポーツ紙記者)

大谷が被災地支援に突き動かされている背景には彼自身の特別な思いがあるようだ。

岩手県奥州市出身の大谷選手は16歳のときに東日本大震災を経験しており、花巻東高のチームメイトのなかには家族を失った選手もいました。だからこそ大谷選手は被災者支援で必要なこともわかっています。義援金の後には、スポンサー経由で物資の支援も考えているのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)

そんななか、大谷のある贈り物が被災地を勇気づけている。新潟県糸魚川市糸魚川東小学校の岩月高峰校長はこう明かす。

「この地域では震度5強の揺れがあり、当日学校に避難してきた人は100人弱いて、そのなかには本校の児童たちもいました。やっぱり怖かったろうし、その後のニュースを見て、ますます恐怖を煽られた子もいたと思います。そんな状況で暗いスタートになりそうなところに、大谷選手のグローブが届いたんです」

昨年11月、大谷が日本国内にある約2万校の小学校などに各3個、計約6万個を寄贈することを発表したジュニア用グローブだ。岩月校長が子供たちの様子を振り返る。

「9日に始業式と併せて贈呈式を行いましたが、グローブを渡された子供たちは本当に喜んでいました。体育館で実際にキャッチボールをしてもらったら、子供たちに明るい表情が戻ったんです。見たことがないような笑顔もありました。大谷選手の影響力は本当に大きいと感じましたね」

贈られたグローブには大谷のメッセージが添えられていた。

《私はこのグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます》

大谷が次世代のために贈ったグローブが、すでに多くの子供たちの心を救っていたのだ。大谷の復興支援はこれだけにとどまらないという。

「今後状況がある程度落ち着いたころに、被災した能登の子供たちをロサンゼルスに招待するのではないかといわれているのです」(前出・スポーツ紙記者)

過去にも被災した子供を試合に招いた野球選手はいた。

イチローさん(50)は阪神・淡路大震災後の’96年、当時所属していたオリックスの本拠地に『イチロー・シート』を設置し、神戸市で被災した子供たちを招待しています。この席はイチローさんがメジャーに行った後も’04年まで継続されました。

また、シアトル・マリナーズ移籍後にも本拠地にイチロー・シートを設置しています。対象は被災児童や日本人に限りませんが、日産自動車の協力を得て年間数千人の子供たちを招待しました」(前出・スポーツ紙記者)

大谷がロスに子供たちを呼ぶ可能性が出てきたことで、ドジャースとの大型契約に盛り込んだというある条項に注目が集まっている。

「『公式戦とポストシーズンで本拠地ドジャー・スタジアムの最高級スイートルームを用意する』という項目です。スイートルームといっても宿泊施設ではなく、定員最大40人ほどのプライベート空間で、バルコニー席も完備されています。

ドジャー・スタジアム内には全35室あり、試合ごとに価格が変わります。昨シーズンは最高で1試合で1万5600ドル(約220万円)の値段がついたことも。大谷選手が加入する今年はさらなる値上がりが予想されます。ポストシーズンまで含めれば最大で80~90試合あるため、年間契約なら約2億円の価値はあるといえるでしょう」(前出・スポーツ紙記者)

メジャーリーグに詳しいスポーツジャーナリストの小林信也氏は この部屋の用途をこう明かす。

「アメリカの球場のスイートルームは数が多く、選手が家族や知人を呼ぶだけでなく、スポンサーの接待にも使われます。招待された人は野球観戦だけでなく、食べ放題のバイキングや、グッズショップでの買い物、関連ホテルでの滞在など快適な時間を楽しめるそうです」

そんな特別な部屋に能登の子供たちを招待することはあるのだろうか。小林氏はこう続ける。

「アメリカでは子供へのサポートや寄付は成功者がするべき活動となっていて、超一流のメジャー選手にも当然それが求められます。ましてや大谷選手は『すべての子供に平等に夢とチャンスを与えたい』と考えている人です。シーズンが開幕してすぐは難しくても、たとえば夏休みの時期に、被災地のスポーツ少年団の子供たちなどをまとめて招待するというのは、十分ありえる話です」

大谷の思いが被災で傷ついた子供たちの光になるにちがいない。