2023年は、1963年マーベル・コミックスにヒーローチーム「アベンジャーズ」が初登場してから60周年を迎えるメモリアルイヤーだった。昨年12月に開催された「東京コミコン2023」には、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)で活躍するベネディクトカンバーバッチ、トム・ヒドルストン、エヴァンジェリンリリー、ポム・クレメンティエフらが来日し、大勢のファンからの歓声と熱気に応えていた。

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そんな東京コミコンで配布され話題となったのが、総勢180名のキャラクターが掲載されたMCU相関図だ。“ヒーローの日”(1=ヒ、1=ー、6=ロー)でもある本日、相関図をチェックしながら、これまで&これからのアベンジャーズ史や、敵だったものが味方へまたその逆へ…と絶え間なく変化してきたヒーローたちの関係性を、改めて振り返っていこう。

※本記事は、公開、配信中のマーベル・シネマティック・ユニバース作品のストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

■昨日の敵は今日の友!アベンジャーズに加わった元ヴィランたち

国際的な平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)の長官を務めていたニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、1980年代キャプテン・マーベルことキャロル・ダンバース(ブリー・ラーソン)と共に戦った経験から、今後の地球に大きな脅威が起こることを予見し、「アベンジャーズ計画」を立案する。そして、テロリストに拉致されたのをきっかけに自身で戦闘用のアーマーを開発し、平和活動を開始したアイアンマンことトニー・スターク(ロバートダウニー・Jr.)、第二次大戦中にキャプテン・アメリカ(クリスエヴァンス)を生みだした「超人血清」の放射線耐性の実験によって誕生したハルクの出現などをきっかけに、フューリーは計画を実行へ移す。

神の国アスガルドから地上に降り立った雷神ソー(クリス・ヘムズワース)が地球に降り立ち、第二次大戦期に氷の海に沈み、70年の時を超えて現代に目覚めたキャプテン・アメリカも復活。フューリーの命令を受けたエージェントのフィル・コールソン(クラークグレッグ)はヒーローたちとコンタクトを取り、アベンジャーズ計画が本格化していくタイミングで、S.H.I.E.L.D.が保有する四次元キューブを手に入れようと邪神ロキ(トム・ヒドルストン)が地球への侵攻を開始する。強大な力を持つサノス(ジョシュ・ブローリン)の助力を得て、宇宙から異星の軍勢であるチタウリを次々と投入し、ニューヨークが戦場と化してしまう。

地球外からの脅威に対し、当初はバラバラだったヒーローたち。しかし、S.H.I.E.L.D.エージェントだったホークアイ(ジェレミー・レナー)、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(スカーレットヨハンソン)も仲間に加わり、結束して立ち向かうことでアベンジャーズとしてチームは一つになっていく。

以来、数々の地球規模の危機に対処してきたアベンジャーズとヒーローたち。仲間も続々と加わっていき、そのなかにはかつての敵が味方になったケースもあることが相関図を見ればわかっていただけるはず。アベンジャーズに心を動かされたからこそ、正義の心に目覚め、ヒーローとなったメンバーを改めて振り返ってみよう。

ウィンターソルジャーバッキーバーンズ

キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース幼馴染みであり、古くからの親友。第二次大戦時には同じ部隊で世界征服を目論む悪の組織ヒドラと戦うが、作戦中に行方不明になってしまったバッキー(セバスチャン・スタン)。当時の状況から死亡したと思われていたが、密かにヒドラの手に落ちると洗脳され、ウィンターソルジャーという暗殺者となってしまう。現代でキャプテン・アメリカの前に敵として立ちはだかるが、激闘のすえに記憶を取り戻す。その後は潜伏生活をしていたが、アベンジャーズに恨みを持つヘルムート・ジモ(ダニエル・ブリュール)に爆弾テロの犯人に仕立て上げられたことで追われる身に。自分を信じてくれたキャプテン・アメリカに助けられたが、そのことがヒーローたちの内部分裂を引き起こしてしまう。キャプテン・アメリカたちと共に政府から危険人物とみなされ、アフリカの小国ワカンダに身を寄せていたが、宇宙からサノス軍が襲来した際にはアベンジャーズとして戦いに参加した。

ワンダマキシモフ/スカーレットウィッチ

敵から仲間になったアベンジャーズには、ピエトロクイックシルバー(アーロン・テイラー=ジョンソン)とワンダ(エリザベス・オルセン)の兄妹がいる。スターク・インダストリーのミサイルによって両親を失い、孤児となったことからトニーとアベンジャーズに恨みを抱いていた2人。ヒドラによる四次元キューブを使った人体実験を受け、ピエトロ超スピードで移動する能力を、ワンダは念動力や精神攻撃を行うサイコキネシス能力を得る。ヒドラの崩壊後は人工知能のウルトロンに協力してアベンジャーズに敵対するが、ウルトロンの目的が人類の滅亡にあることを知りアベンジャーズと共に戦う。

ウルトロンの攻撃を受けてピエトロは死亡するが、ワンダはそのままアベンジャーズに残ることにする。人造人間の超人、ヴィジョン(ポール・ベタニー)と惹かれ合う関係になるが、サノスの手により彼を失ってしまう。そのショックは大きく、サノスに勝利したのちに暴走し、偽りの世界を構築(くわしくはドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」をチェック)。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(22)では、別のユニバースで自分とヴィジョンの間に授かっていた子どもと共に生き続けたいという想いに取り憑かれ、自らをヴィラン化させてしまった。

●ロキ

血のつながりはないがソーの弟として登場したロキ(トム・ヒドルストン)。アスガルドを統べようとしていたが、兄との戦いに敗れて宇宙に放逐される。そこでサノスと出会い、共謀して地球にチタウリを送り込むことに加担した。アベンジャーズとの戦いに敗れると、アスガルドに戻されて収監。アスガルドがダーク・エルフの侵攻を受け、母親のフリッガ(レネ・ルッソ)の命を奪われたことをきっかけにソーと共闘する。父オーディン(アンソニー・ホプキンス)の死、それによって復活した姉の“死の女神”ヘラ(ケイト・ブランシェット)との戦いなどを経て改心していく。四次元キューブを狙うサノスアスガルドの避難船が攻撃を受けた際には、サノスに忠誠を誓うふりをして暗殺を試みるが失敗し、絞め殺されてしまう。しかし、自身の命をかけて人々を守ろうとする姿は、アベンジャーズの一員と言っていいほどの行動だったと言えるだろう。

これにより、これまでのロキは死亡。しかし、サノスによって全宇宙の半分が塵と化して消滅し、生き残ったアイアンマンキャプテン・アメリカたちが世界を元に戻すため過去に戻ってインフィニティ・ストーンを集め回った際に、ニューヨーク決戦時のロキが四次元キューブを使って時空の彼方へ逃亡している。このロキはワープした先で時間変異取締局(TVA)に捕まり、神聖時間軸を乱す者を取り締まるエージェントとして活動することに(くわしくはドラマシリーズ「ロキ」をチェック)。マルチバースとして枝分かれしていく時間軸の変異に立ち会い、制御不能に陥り、崩壊していく世界を救おうと奮闘した。

ネビュラ

サノスの養女として、ガモーラと共に育てられたネビュラ(カレン・ギラン)。当初はサノスの命を受け、クリー人の過激派ロナン(リー・ペイス)の手先として行動し、“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の一員となった義姉のガモーラ(ソーイ・サルダナ)を抹殺しようとするが失敗。その後、賞金首として追われるなかでガモーラたちと再会し、スター・ロードことピーター・クイル(クリス・プラット)の父親であるエゴ(カートラッセル)との戦いに参加。姉と互いの想いを語り合うことで和解する。

アベンジャーズインフィニティ・ウォー』(18)では、サノスを倒すという目的は同じながら、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとは別行動を取っていたネビュラサノスに捕らえられ、ガモーラが知るソウルストーンの在処を語らせるための人質として利用されてしまう。その結果、ソウルストーンと引き換えにガモーラが犠牲となったため、ピーターに協力する形で惑星タイタンへと向かう。しかしそこで、サノスの“指パッチン”によって仲間たちが次々と消えてしまい、生き残ったトニーと共に地球への帰還を目指すことになる。長い漂流期間にトニーと交流したことを通じて心がさらに変化し、その後はアベンジャーズに参加。世界が元に戻ったあとは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの中心メンバーとして行動するようになった。

■S.H.I.E.L.D.ヒドラは崩壊し、新たな組織が発足

このように、かつてヒーローと敵対しながらも仲間になったキャラクターがいる。その一方で、MCUでは組織自体も大きく変化している。アベンジャーズ結成のきっかけとなったS.H.I.E.L.D.は、組織内部にヒドラの残党が長年にわたって入り込んでおり、ヒドラが本格的に行動を開始した結果、その戦力を利用されてしまい最終的にはテロ勢力としてのレッテルを貼られて崩壊。当のヒドラもS.H.I.E.L.D.を崩壊させて活動を活発化させたものの、アベンジャーズの活躍によってその芽は摘まれていき、ヒドラの研究施設があった東欧の国、ソコヴィアに残っていた残存勢力が潰されたことによって壊滅している。

S.H.I.E.L.D.の解体以降は、政府が特殊能力を持つヴィランや異星からの侵略に対して対策を強化。スターク・インダストリーと政府の合弁組織であるダメージ・コントロール局(DODC)が発足し、ヒーローとヴィランの戦いにおける事後処理や外宇宙から来たテクノロジーや武器などの回収、管理を担当し、ヴィランに対しては所属する軍隊組織が攻撃、対処を行ってきた。また、知覚兵器観察対応局(S.W.O.R.D.)という、宇宙からの脅威に対しての観察や捜査、さらには対応兵器の開発を担う組織も存在しており、アベンジャーズの創設当初では考えられなかった国家としての対ヴィランや外宇宙からの侵略に対しての防衛機構が発展していった。

■これからのMCUを探る指針に!?抑えておきたい要注目キャラ

外宇宙からの侵略を含め、特殊な能力を持つヴィランに対する政府の対応が大きく変化していくなかで、MCUには新たなヒーローの誕生や新たな組織を動かす重要人物なども現れている。ここでは、今後のMCUにおける世界情勢やヒーローに大きな影響を与えそうな人物たちをピックアップして紹介していきたい。

ミズ・マーベルカマラカーン

MCU映画最新作『マーベルズ』(23)において、若きヒーローとして活躍したミズ・マーベルことカマラカーン(イマン・ヴェラーニ)。そのラストシーンで、カマラはドラマシリーズ「ホークアイ」でクリントを師と仰ぎ共に戦ったケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)に声を掛けていた。その目的は、若いヒーローを集めた新たなチームの結成。ここで、カマラは「アントマンの娘にも声を掛ける」と言っている。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(22)でアントマン(ポール・ラッド)の娘ことキャシー・ラング(キャスリン・ニュートン)もピム粒子を使って縮小化巨大化を駆使して戦っていたことから、ヒーローとしての素質があるということだろう。

そのほかにも『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に登場したアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(22)に登場したリリ・ウィリアムズアイアンハート(ドミニク・ソーン)などがその候補として考えられる。原作コミックス版の「ヤングアベンジャーズ」から考察するなら、劇中で大きな活躍こそしていないものの、実は様々な種まきは行われており、今後の展開次第ではさらなるヒーローたちが現れる可能性も高い。そんな若きヒーローを束ねることになるであろうカマラは、今後のMCUにとっても中核を担う人物となりそうだ。

サディアス・ロス

アメリカ国務長官のサディアス・ロスがMCUに初登場したのは『インクレディブル・ハルク』(08)からであることを考えると、かなり古参のキャラクターといえるだろう。『インクレディブル・ハルク』では、アメリカ陸軍将軍であり、スーパーソルジャー計画を再開させる人物として描かれ、娘(リヴ・タイラー)の恋人であり、実験によってハルク化したブルース・バナー(本作ではエドワードノートンが演じている)を目の仇にしていた。

その後、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)で再登場。アメリカ国務長官に就任しているが、ヒーローたちを毛嫌いしており、ヒーローを政府が管理する「ソコヴィア協定」を推進する。『アベンジャーズインフィニティ・ウォー』において、サノスの軍勢による襲撃があってもヒーローに対する否定的な姿勢が変わることはなかった。そんな対ヒーローの政府代表のような存在のロスは、最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)』(2025年2月全米公開予定)では、アメリカ大統領となって登場するという。この展開は、ヒーローにとってはアメリカ大統領が政府ぐるみで敵となる可能性もあり、MCUの今後においてはより重要度を増していく人物であることは間違い無い。ちなみに、サディアス・ロスを長年演じて来たウィリアム・ハートは、残念ながら2022年に他界。その役は、ハリソン・フォードに引き継がれることが発表されている。

ウィルソンフィスク/キングピン

ニューヨークの裏社会を牛耳るマフィアの帝王、キングピン(ヴィンセント・ドノフリオ)。MCUでは「デアデビル」で初登場し、盲目のヒーロー、デアデビルとの長きに渡る因縁が描かれている。「ホークアイ」では、ホークアイことクリント・バートンが裏社会に関わる事件に絡んだことで、遠い存在であったアベンジャーズとも敵対関係としてつながった形となる。最新ドラマシリーズ「エコー」では、主人公エコーことマヤ・ロペス(アラクア・コックス)の養父という立場にあり、再び裏社会の首領としての圧倒的な存在感を見せている。さらに今後は、デアデビルの新作ドラマとなる「デアデビル:ボーンアゲイン(原題)」にも引き続き登場することも発表されており、MCUの世界に影響を与える大物ヴィランとしても今後、様々な作品に関わっていきそうだ。

シャロンカーター

スティーブの恋人だったペギーカーター(ヘイリー・アトウェル)の姪、シャロン(エミリー・ヴァンキャンプ)。『キャプテン・アメリカウィンターソルジャー』で初登場した際はS.H.I.E.L.D.エージェントだったが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではCIAの対テロ共同対策本部に身を置いていた。ペギーを尊敬し、キャプテン・アメリカにも協力的だった。『シビル・ウォー』において、ソコヴィア協定に反対し、反政府的なヒーローとなっていたキャプテン・アメリカをサポートしたことから、アメリカ政府から糾弾され、CIA捜査官としての職を失ってしまう。その後、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でサム・ウィルソン(アンソニーマッキー)とバッキーに協力する形で再登場するが、味方だと思われていたその正体は犯罪都市マドリプールに君臨する裏社会を操るパワーブローカーだった。シャロンは、アメリカ政府やヒーローに失望し、ある意味闇落ちしてヴィラン化した人物とも言える。裏社会を動かす強大な力を得つつ、ヒーローたちにも信用されているシャロンは、今後どのようにMCUの物語に絡んでいくのだろうか?その動向に注目したい。

●ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ

通称“ヴァル”(ジュリア・ルイス=ドレイファス)は、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の終盤で2代目キャプテン・アメリカを襲名しながらも不名誉除隊となったジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)の前に現れ、彼に新たなユニフォームとU.S.エージェントの名を送った謎の人物。その後、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』にて彼女がCIA長官であることがわかり、政府において大きな力を持っていることが明らかとなった。また、『ブラック・ウィドウ(21)ではナターシャの妹のエレーナ(フローレンス・ピュー)の前にも姿を現し、クリントの暗殺を依頼するなど、裏側でなにかを計画しているような様子を見せている。ヴァルは、公開が控えるMCUヴィランなど問題のあるメンバーを集めたチームが結成される『サンダーボルツ(原題)』(公開日未定)に登場することが決定しており、そこでまだ表立った動きを見せていない彼女の真の目的も明らかになると思われる。ヴァルの思惑もMCU全体に大きな影響を与えていきそうだ。

こうした新たな人間関係の変化や秘めた想いを抱えた人物たち暗躍に加え、今後のMCUでは、2024年に「デッドプール」映画最新作の公開が予定されている。ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの登場を含め、多くのサプライズが用意されている注目作であり、そこからつながるであろうミュータント=X-MENの存在は、今後のMCU全体に影響を与える事象になると予想される。そして、ついにMCU入りを果たすマーベル・コミックスを代表するヒーローチームである『ファンタスティック・フォー』の制作も決まっており、ヴィラン側だけでなくヒーロー側もさらなる世界観の拡大が期待できそうだ。

文/石井誠

マーベル・シネマティック・ユニバースの相関図でヒーローやヴィラン、周辺人物たちの関係性をチェック!/[c]2024 Marvel