Blackmagic Designによると、武漢コミュニケーション大学(以下:WHUC)メディアセンターの、ニュース制作、バーチャルプロダクション、バラエティ番組用に設計された3つの新しいテレビスタジオに、多数のBlackmagic Design製品を中心とした最先端の4K HDRスタジオソリューションが導入されたという。

これらの3つの新しいスタジオは、教育のための実践的なトレーニング・プラットフォームであると同時に、プロダクション施設としても機能している。これらのスタジオでは、7台のBlackmagic URSA Broadcast G2カメラ、1台のATEM Television Studio Pro 4K、2つのATEM Constellation 8Kライブプロダクションスイッチャー、2つのATEM 1 M/E Advanced Panel 10、 ATEM Camera Control Panel、複数のBlackmagic Camera Fiber ConverterおよびBlackmagic Studio Fiber Converter、 HyperDeck Studio 4K Pro放送用デッキ、Teranex Miniコンバーター、Micro Converter、Teranex AVおよびTeranex ExpressスタンダードコンバーターなどのBlackmagic Design製品が使用されている。

Wuhan Vijita Technology社の協力を得て、この3つのスタジオの全体的な設計を担当したWHUCの資産・ラボ管理室では、単一のスタジオでのプロジェクトから大規模なコラボレーション作業まで、様々な制作に対応できるような革新的なインフラを設計し、実際の制作現場をシミュレートした実践的な学習体験を促進することで、学生がプロフェッショナルな課題に十分備えられるようにしたという。

同スタジオは個別に機能して3つのプログラムを同時に作成できるが、3つのスタジオを大規模な放送システムに統合することもできる。信号のルーティングの中心となっているのが、ニュースおよびバラエティ番組用のスタジオに設置された2台のATEM Constellation 8Kスイッチャーである。

Wuhan Vijita Technology社のテクニカル・ディレクターであるワン・ウェイ氏は、40×24の12G-SDI入出力を搭載したATEM Constellation 8Kをビデオスイッチャーとして主に使用していると説明する。ビデオスイッチングの役割以外に、各入力のフレーム同期機能を活用して、コントロールルームのすべての信号のルーティングを管理している。

Blackmagic Design導入事例:「武漢コミュニケーション大学」の場合

ATEM Constellation 8Kの4つの12G-SDIマルチビュー出力は、異なるビデオソースのモニタリング用に4台の4Kテレビに接続されている。

ワン氏は、次のようにコメントしている。

ワン氏:スタジオとコントロールルームの間で、従来のガラス張りの窓ではなくセキュリティカメラを使用することを選択し、ATEM Constellation 8Kのマルチビュー出力を利用しています。小さいウィンドウにそれぞれ4Kイメージを表示できるので、4つのウィンドウのレイアウトに設定すると、高解像度でクリアなモニタリングが可能です。これによりスタジオを正確かつ詳細に確認できるので、コントロールルームのスタッフはスタジオ内の活動を正確に観察して把握できます。

ATEMスイッチャーのイーサネットコントロールは、3つのスタジオすべてで、効率的なビデオルーティングとスタジオのモニタリングをサポートしており、簡潔性と利便性を提供している。2階のコントロールセンターに位置しているので、スタッフたちはユーザーフレンドリーなATEM Software Controlを使用して、ビデオおよびセキュリティカメラの映像をすべてのスタジオで効率的に管理でき、スタジオまでわざわざ降りていく必要がない。施設全体で統一されたLANインフラを活用することで、施設内のあらゆる場所からスイッチャーをシームレスにコントロールできる柔軟性を備えている。

ソフトウェアで設定をバックアップおよび復元できるという、ATEMスイッチャーの便利な機能をワン氏は強調する。

ワン氏:この機能は、多くの学生や教員がスイッチャーを使用するトレーニング環境において特に便利です。スタジオマネージャーが、オリジナルの設定を迅速に復元できるので、シームレスで一貫性のある操作が可能です。

クリーンで効率的なセットアップを実現するため、スタジオの建設中、多数のSMPTE光ファイバーケーブルおよびSDIケーブルが床下と壁内に戦略的に設置された。床下や壁内にあるケーブルプラグにアクセスするだけで、URSA Broadcast G2カメラをスタジオシステムに簡単に接続でき、整然とした環境でシームレスな操作を実現できる。

Blackmagic Camera Fiber Converterを取り付けたURSA Broadcast G2をSMPTEの光ファイバーケーブルプラグでスタジオシステムに接続し、コントロールルームのBlackmagic Studio Fiber Converterで、カメラとスイッチャー間の必要な変換をすべて行っている。これには、ビデオ、オーディオ、タリー、トークバック、プログラムリターン、カメラコントロール、そしてカメラへの給電も含まれ、すべて単一のSMPTE光ファイバーケーブルで送信される。

Blackmagic Design導入事例:「武漢コミュニケーション大学」の場合

ニュースおよびバラエティ番組スタジオの各コントロールルームには、DeckLink 8K Proキャプチャー・再生カードを搭載した専用のDaVinci Resolve Studioワークステーションが装備されている。これらのワークステーションは、プログラムフィードの集中ストレージへの直接キャプチャーを容易にし、DaVinci Resolve Studioでのシームレスな編集、カラーグレーディング、放送グラフィック、VFX、オーディオポストプロダクションを実現。一元的に保存されたアセットには、編集のクラスやカラーグレーディングのクラス、その他のクラスからもアクセス可能で、高速10G光ファイバー回線で接続されている。

スタジオ構成的には、DaVinci Resolve Studioはビデオキャプチャーおよびポストプロダクションに使用されているだけでなく、様々なメーカーのカメラのカラーマッチングにも必要不可欠である。

ワン氏:特筆すべきは、URSA Broadcast G2のLUTの読み込み性能です。DaVinci Resolveで、他メーカーのカメラのビジュアルをシミュレートするカスタムLUTを作成し、そのLUTをURSA Broadcast G2に読み込めます。この方法により、複数のカメラアングルで色の一貫性を保つことができるのです。この方法は、武漢テレビなど、他の多くのクライアントも採用しています。

3つのスタジオすべてで4K HDRのプロダクションがサポートされているので、DaVinci Resolve StudioのHDR波形モニターが技術モニタリングに使用されている。

2023年3月初頭にWHUCに正式に納品された後、この3つのスタジオは第1回湖北省大学生電子商取引コンテストの決勝ラウンドのライブプロダクションに選ばれた。

WHUCの実践研究室および教育センターの教員であるチェン・モン氏は、次のようにコメントしている。

チェン氏:ユーザーフレンドリーなBlackmagic Design製品のおかげで、学生たちは今回のコンテストの撮影やスイッチングのあらゆる面を自分達でやり遂げることができました。使い勝手の良さと信頼性を備えており、教える側にとっても学ぶ側にとってもすばらしい製品ですね。このような製品を使うことにより、学生たちはプロとしてのスキルを磨くことができます。

ソリューションの設計と実装を通して、Blackmagic Design製品の多様性、機能性、柔軟性に深く感銘を受けました。Blackmagic Designは、撮影、ライブプロダクション、ポストプロダクションにおいて、ニーズを満たす製品を提供してくれています。各製品には豊富な機能が搭載されているため、外部デバイスの必要はほとんどありません。これにより、システム全体の設計とメンテナンスが合理化されるだけでなく、全体的なコストも削減されます。

Blackmagic Design導入事例:「武漢コミュニケーション大学」の場合
Blackmagic Design導入事例:「武漢コミュニケーション大学」の場合