NECプラットフォームズは、米国AMD社の高性能なチップMPSoC(注1)を搭載したコンパクトボックス型コントローラ(注2)「AMD ZynqTM UltraScale+TM MPSoC搭載モデル」において、環境温度範囲を拡大して耐環境性を高めた「温度拡張モデル」を本日より販売開始します。「AMD ZynqTM UltraScale+TM MPSoC搭載モデル」は、FPGA(注3)部に専用ロジックを組み込むことで、AIや画像解析などのリアルタイム処理を可能にし、建設機械、農業機械など移動体車輛に要求される温度環境に対応したエッジAIプラットフォーム(注4)を提供します。

https://www.necplatforms.co.jp/product/compact_box/mpsoc.html

【背景】

近年、製造業の検査ラインでは、産業用カメラを利用し画像から製品の識別や測定、欠陥検出などの複雑な作業を自動化・高度化するマシンビジョンシステム(注5) が取り入れられており、AIアルゴリズムを組込んだエッジコンピュータを導入することで、高効率で高性能なシステムが構築できます。また、建設機械や農業機械などの移動体車輛においても、ステレオカメラを使用した接近検知や危険予知などリアルタイム性が要求されるAI処理の用途にエッジコンピュータの活用が広がっています。こうした中、さまざまな現場で利用できる耐環境に優れたエッジコンピューティング端末が求められています。

【本製品の特長】

1. 低温域から高温域まで使用可能

本製品は、使用温度範囲が広く高信頼性を保証する部品を採用したことで、-20℃から65℃までの環境下で利用可能です。従来の製品は製品仕様上、屋内環境のみの使用に限定しておりましたが、新製品では、これまでの機能に加えて、動作温度範囲を拡げることで、屋外環境での使用が可能となりました。

AIアルゴリズムによる高度な推論や処理に基づいてリアルタイムに制御する建設機械や農業機械などの移動体車輛の運用制御コントローラとしての使用が期待されます。

2. リアルタイムで低遅延な処理を実現

米国AMD社の高性能チップZynqTM UltraScale+(TM) MPSoCを搭載し、FPGA部に専用ロジックを組込むことで外観検査や接近検知などのさまざまな用途で利用可能です。AIや画像解析など負荷の高い処理は、ソフトウエアではなくFPGAに実装したハードウエアで演算することで、リアルタイムで低遅延な処理を実現します。

3. 外部インタフェースの拡張性

外部インタフェースはM.2スロットやUSB、Giga bit EthernetDisplayPortを標準搭載し、ユーザにて増設可能な外部拡張スロットも用意しています。外部拡張スロットFPGAの入出力信号とインタフェースを有しているため、ニーズに合わせ産業用カメラや制御機器と接続できます。

【販売価格、出荷開始時期、販売目標】

販売目標:年間1,000台

以上

(注1)Multi Processor System on a Chipの略称: 米国AMD社が提供するチップで、複数のプロセッサ(Arm (R) Cortex (R))、メモリ、I/OFPGA部を1つの半導体上に搭載したチップ

(注2) https://www.necplatforms.co.jp/product/compact_box/

(注3) Field Programmable Gate Arrayの略称: ユーザが設計したプログラマブルな集積回路で、汎用マイクロプロセッサを用いたソフトウエア処理に比べ、高速に実行することができる特定の業種/用途に特化したデバイス

(注4) エッジAIプラットフォームは、AIアルゴリズムが組み込まれたエッジ端末で、IoTデバイスやセンサーデバイスから得られたデータをAIアルゴリズムによる解析により、高度な推論や処理をリアルタイムで行うことを可能とする

(注5) 画像の取り込みと処理に基づいて機器を動作させるシステム

AMD, Zynq, UltraScale+ はAdvanced Micro Devices, Inc.の登録商標または商標です

ArmCortexはArm Limitedの登録商標です

※その他、記載されている会社名、製品名、サービス名などは該当する各社の登録商標または商標です

配信元企業:NECプラットフォームズ株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ