「アイドル、多すぎない?」
アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」で、渋谷凛が漏らしたセリフです。

原作ゲームは、登場キャラクター数200人弱。ゲーム登録数460万以上
第一話放映後、関連ワードがTwitterトレンドに入り続けるほどの人気っぷり。
アイドルが入り乱れる群像劇。上々のスタートダッシュです。

●大人気の秘訣は、プロデューサー
ぼんやりと日常を送っていた高校生渋谷凛。アイドルを目指すべくレッスンに励む島村卯月。オーディションを受けた本田未央
三人がプロデューサーにスカウトされ、346(みしろ)プロダクションに加入するところから物語ははじまります。

シンデレラガールズ」は全国一斉に、同じ日に見ることができます。
シンデレラにちなんで、放送は金曜深夜0時きっかり(地域によって最大30分の差はあります)。
みんながほぼ同時に見ることができるのは、深夜帯アニメではとても珍しい。
視聴者が全国で一斉に見られるため、同じ時間帯にツイートが飛び交うのなんの。話題は一気に広がりました。

話の中心になっていたのは、アイドルよりもプロデューサーの方でした。
アイドルマスター」では、プレイヤーや声優の名前を付けて「○○P」と呼ぶことが一般的。アニメ「アイドルマスター」では赤羽根健治が演じているので「赤羽根P」。「シンデレラガールズ」では武内駿輔が演じているので「武内P」とファンから呼ばれています。

赤羽根Pは、表情豊かな熱血キャラでした。
それに対し、武内Pハスキーボイス、全く変わらない表情、大きい図体、少ない口数、ゆっくりとしたしゃべり方、三白眼、異常な腰の低さ。
勧誘も、名刺を誠意をもって渡すだけ。理由を聞いても「笑顔です」しか言わない。
イメージとしては、ラピュタロボット兵。あるいは高倉健の「自分、不器用ですから」。

ゲーム内でキャラが語られている、「熊のぬいぐるみに似ている」「手配書にいそう」「寝ぐせついてる」「目つきがぴにゃこら太」などのプロデューサー像ともピッタリ。
一話放映後すぐにTwitterやpixivにはイラストが続々とアップされ、話題をかっさらいました。
武内Pについての参考記事)

赤羽根Pは笑顔で応援しているのに対し、武内Pは眉一つ動かさず冷静に見つめる。
物語を熱血理論で乗り切らないための調節か、はたまたプロデューサーのアイドルたちへの介入を最小限に抑えるためなのか。少なくとも「アイドルマスター」とは大きく展開が異なるはず。
ちなみに、声優・武内駿輔17歳の高校生です。

●はじまりの予感
一・二話は、徹底して、初見の人が見やすいように調節されています。
一話では新人アイドル3人のうち、島村卯月渋谷凛だけに話を絞り、アイドルを目指しはじめる心情をまるまる30分使ってじっくり描きました。
二話ではまず本田未央と合流。3人でうろちょろしながら、346プロにはたくさんのアイドルが在籍していることをにおわせます。
その後アイドルとして一緒のユニットになる「シンデレラプロジェクト」の面々と顔合わせ。少しずつキャラが増えます。
3人は他の先輩アイドルを見た時、名前を呼び捨てにしているのは注目したいポイント。まだファン感覚が抜けていない。

随所にコアユーザー向けの仕掛けが施されています。
一話では、雑誌、ポスター、看板……背景のあらゆるところにアイドルが登場。「アイドルマスター」の世界ともつながっているのが判明しました。
二話ではゲーム内ユニットが、別の部所でレッスン中。ゲーム本体のネタとも、深く連動しています。

例えば、「お願い!シンデレラ」でダンスする先輩アイドル達。よく見ると自信家少女輿水幸子一人だけが、ダンステンポがずれている。彼女の性格と同様、ちょっとだけ先走っています。
自分に自信のない緒方智絵里。三人がはしゃぐ背景で、一人きりで四つ葉のクローバーを探していました。
細かいキャラ描写がすでに大量に仕込まれているから、一秒たりとも気が抜けない。

まだ現段階では顔出しまで。物語はここからです。
どこが伏線になるかわかりません。キャラの一挙一動を確認しつつ、三話に期待しましょう!

(たまごまご)

アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」。今最も人気のキャラクター渋谷凛は、ゲーム開始当初もトップレベルの人気を誇るキャラでした。3年以上の歳月を経て、再びネット中を賑わせることになるとは……。