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アジア製部品が不足 迂回ルートで欧州へ

テスラボルボは、欧州の一部工場で生産を一時停止すると発表した。紅海で続くイエメンの親イラン武装組織フーシ派による船舶襲撃の影響で、部品供給が滞っている。

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イランの支援を受けるフーシ派はガザの過激派組織ハマスと呼応し、11月から紅海を通行する船舶の襲撃を繰り返している。そのため、多くの海運会社が海上輸送の要であるスエズ運河の利用を諦め、アフリカ大陸を何千kmも迂回したり、運行を停止したりしている。

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テスラの生産ライン

欧州の自動車メーカーの多くは、アジアから輸入する部品、特にEV用部品の供給をスエズ運河に頼っている。例えば、欧州向けのテスラ・モデルYには中国製バッテリーが搭載されている。

テスラボルボは、紅海での混乱を受け、一部車種の生産を見合わせている。

「紅海での武力衝突と、それに伴う喜望峰(南アフリカ)経由の欧州アジア間ルートの変化が、グリューンハイデ(ドイツ)での生産に影響を与えている」とテスラは声明で述べた。1月29日から2月11日の間、ドイツの工場で「ほとんど」の自動車生産を停止するという。

ボルボは、XC40とC40を生産しているベルギーの工場で、トランスミッション関連部品の不足のため3日間生産を停止すると発表した。

欧州全土に20以上の工場を持つステランティスは、輸送の遅れから生じる問題を軽減するために航空貨物を利用していると述べた。「現在までのところ生産への影響はほとんどない」と広報担当者は言う。

そのほか、BMWルノーは生産に影響がないとしており、フォルクスワーゲンはロイター通信に対し「重大」な問題は発生していないと述べた。

フォルクスワーゲンの広報担当者は、「海運会社と緊密に連携し、生産と市場供給への影響を評価し、可能な限り回避するため、状況を注視しています。主要な海運会社のほとんどが、すでに12月に船舶のルート変更を開始しています。これにより、若干の遅れはあるにせよ、貨物は確実に目的地に到着します」


テスラとボルボ、欧州で一時生産停止 紅海の船舶襲撃で供給遅れ