推される側にも推しがいる。
そして、推される側だからこそ“推し方のコダワリ”があるはず。
そんな推されている人たちがどのように推し活をしているのか話を聞く「推し活マイルール」。

「好きだからこそ無理しすぎないこと」をマイルールの1つに掲げるのは声優アーティスト・内田真礼さん

内田真礼

内田さんは幼少期から野球が好き。中でも、福岡ソフトバンクホークスを推しています。時間があればグッズを全身に纏い、球場へ観戦に行くガチっぷり。取材当日も、カバンの中にTシャツを入れていました!

そんな内田さんに推し活マイルールをうかがうと「でしゃばらないこと」「ホークス初心者に優しくすること」、そして「好きだからこそ無理しすぎないこと」とのこと。ホークス始球式でマウンドに立つこともある内田さんがこだわる“推しとの距離感”を語ってくれました。

また、声優、ソロアーティストとして、推される側でもある内田さんは「年々、推されることへ感謝の気持ちが募っている」と話します。推されているからこその近年の心境の変化とともに、その変化が反映されている新曲「CHA∞IN」についても迫ります。

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「推しはやっぱりホークス!」全身をグッズで固めて、静かに応援

――早速ですが、内田さんの今の推しを教えてください!

内田真礼(以下、内田):
やっぱり福岡ソフトバンクホークスですね!

実は、今もちょうど持っているんです(近藤健介選手のグッズを出しながら)。

内田真礼私物(近藤健介選手)

内田さんの私物(近藤健介選手Tシャツ)

近藤選手は、2022年にFA(フリーエージェント)としてホークスに入団しました。「新しく入ってきた選手は応援したい!」という気持ちがあり、いつもグッズを買ってしまうんです(笑)。

――出だしから推しへの愛がすごい……!

内田:
特に、球場で試合を観ることが好きなんですよ。球場にいるたくさんのホークスファンの人たち、旗を振っている応援団の人たちを見ると、「自分もこういう気持ちで推してくれている人がいるんだよな」と思い出します。

ホークスからもらったものを自分の活動にも還元できている。ずっとパワーをもらっています。

――球場へは頻繁に行かれているんですか?

内田:
本拠地の福岡にはなかなか行けないんですけど、千葉や埼玉、東京でも試合があるので、そういう時には足を運んでいます。例えば今年は、セ・パ交流戦の「ヤクルト VS ホークス」を神宮球場へ観に行きました。今年はいろいろな試合に行けたんじゃないかなと思います。

球場の空間そのものが楽しいんですよね。勝っても負けても楽しくて。日本シリーズをテレビで観て、「球場での試合観戦、楽しかったな……」と思い返していました(笑)。

内田真礼

内田さんが撮影に持参してくれた長谷川勇也選手の引退記念レプリカユニフォーム

――内田さんなりの球場での楽しみ方を教えてください!

内田:
全身をグッズで固めるタイプです。手首にシュシュをつけて、首からはメガホンをかけて、ユニフォームやTシャツを着て……みたいな感じです(笑)。

そんな全身グッズまみれなのに、内野席でごはんを食べながらのんびり見るのが好きです。全身から推していることが溢れているけど、応援の仕方は大人しいタイプ(笑)。

――では、あまり声も出さない?

内田:
出すのですが、「目立ちたくない、バレたくない」という気持ちが強いから基本的に静かですね。

都心を歩く時はマスクをしないのに、球場ではしている。普段はバレることを気にせずに生きているんですけど、球場は自分の楽しい時間を守りたいんですよね(笑)。

ホークスの試合を観戦しに行くと、たまにアニメやゲームのグッズを身に着けている人がいて、「あの人、声優さんが好きなんだ!」と分かることもあって。私だとバレた時、人の目を気にして思い切り楽しめないから、帽子を目深にかぶってコソコソ応援しています(笑)。

――逆に目立ちそうな……(笑)。

内田:
たしかに!(笑)

内田真礼

ホークスの試合を観に行くと“ただの内田真礼”に戻れる

――内田さんは小さい頃から野球がお好きだったのでしょうか。

内田:
小さい頃からおじいちゃんが野球をテレビで観ていたんですよ。家族でごはんを食べている時には、テレビで野球中継が流れているのが日常だったので、自然と好きになっていきましたね。

当時は、家族の影響でホークスよりも(読売)ジャイアンツの方が詳しかったです。

――そこから、明確にホークスを推すようになったのはいつ頃?

内田:
がっつり推すようになったのが2016年くらいですね。

初めてホークスの試合に行ったのは高校生で、その時はなぜか「観に行かねばならない」と使命感に駆られて行ったんですよ(笑)。福岡には行けなかったので、別の球場だったのですが、すごく楽しかったことを今でも覚えています。ただ、その時は今ほどハマっていたわけではなく……。

2016年に仕事で福岡に行った時、「みんなで野球を観ましょう!」となったんですよね。そこで、ホークスの本拠地である福岡PayPayドーム(当時、福岡 ヤフオク!ドーム)で応援することの楽しさに出会ってしまいました……。アウェイの球場で試合を観たことはあったのですが、本拠地での試合観戦は楽しさが桁違い。

それから、野球が観られる配信サイトに入って、野球を日々チェックするように。休日になればいろんな地方に行って……とどっぷりハマりました。

内田真礼

――当時のホークスは、パ・リーグの上位をキープしていましたよね。2017年には1位を取っていますし、応援している側としてはすごく楽しい時期だったのではないかと。

内田:
そうなんですよ! 秋山(幸二)監督から工藤(公康)監督に変わったくらいのタイミングだったんですけど、ホークスがずっと強い時期で。黄金期ホークスと共に過ごしていました。

「野球って弱くても応援できるの?」「ホークスが強いから好きなんでしょ?」とよく聞かれていたのですが、数年間はずっとAクラスだし、4年連続日本一だったから「楽しいよ!」と答えていました。

――4年連続日本一は本当にすごいですからね。

内田:
だけど、ここ3年は優勝自体を逃し続けていて少しだけつらいですね……。とはいえ、推しが変わるわけでもないので! 優勝しなくても好きな気持ちは変わらない!

優勝してビールかけすることがすべてではないですから。むしろ、つらい気持ちを一緒に味わうことで「今、ホークスが頑張っているんだから、私も頑張ろう」と思います。勝利だけが美酒じゃないことを最近学びました(笑)。推すことが楽しくて推しているところがあるので。

――「勝利だけが美酒じゃない」は名言……。ちなみに、ホークスには推し選手もいらっしゃるんですか?

内田:
私は完全に箱推しです!

小学生の頃から「野球をやっている男の子がカッコいい!」と思っていて、サッカーか野球なら野球をやっている男の子が好きだったんです。それが今でも繋がっています。野球をしている選手は皆さんカッコいいですから!

また、選手だけではなく「あのコーチのあの時がよかったですよね」とコーチの話もするようになっています(笑)。

内田真礼

――そこまで推してしまうほどのホークスの魅力とは?

内田:
好きなポイントは、チームが明るくて、活気があるところですね。球場の雰囲気も含めて、すごくイケイケなんですよ。私が持っていないものをたくさん持っている。

それは福岡という土地のパワーなのかもしれないし、ホークスの選手一人ひとりのパワーなのかもしれない。たくさんの理由があると思うんですけど、ホークスの試合を観に行くと“ただの内田真礼”に戻れる感じがするというか……ホークスの試合は、自分が輝ける場所だと思っています。

球場では、基本的に周りの人たちはみんな私に興味がないわけじゃないですか。求められていない感じもいいのかなとも思いますね。

――とはいえ、内田さんは始球式でマウンドに立たれることもありますよね。どのような心境なのでしょう。

内田:
とにかく選手のことは見ない……というか、見れないです!(笑)

私がマウンドに立つ時は、選手の皆さんがアップをしている時間なので、私の周りにいるわけなんですよ。(選手を)見ようと思えば見られるんですけど、目を合わすことすらちょっと……おこがましくて(笑)。

だけど、『アイマスアイドルマスターシンデレラガールズ)』を背負ってマウンドに立った時は、ほかの子たちがいたので見ることができましたけど(笑)。ホークスと近い存在になりたくないという思いがあるんですよね。

近くなればなるほど素直に推せない気がする。ホークスは神聖な存在として捉えています。仕事で会えてはいるけど、プライベートで楽しみたい気持ちが強いのかもしれません。

――「一方通行で構わない」と。

内田:
そうですね……。ファン代表として選手に近づきたくないです。一定の距離を保てているからこそ「いいな!」と思えています。だから、あまりサイン会とかツーショット撮影会にも興味がないんです。

勝手に応援して、勝手に活力にするホークスからたくさんのパワーを分けてもらっているな、と感じることが楽しいです。

内田真礼

「推し活ができない時は具合が悪くなります(笑)」

――内田さんは、ホークス以外にも推しはいるんですか?

内田:
結構ハマりやすいタイプなので、常に何かしらの推しがいます(笑)。今はジブリに激ハマりしています。映画『君たちはどう生きるか』を観る前かな……唐突に「ジブリが観たいな」と思ったことが始まりでした。

というのも、実はそれまでほとんど見たことがなかったんです。『(風の谷の)ナウシカ』も『もののけ姫』も『ハウルの動く城』も観ていませんでした。なので、とりあえずBlu-rayを揃えるところからスタートしました。

――レンタルするのではなく、Blu-rayを買い揃えるとは(笑)。

内田:
そうなんですよ(笑)。観てみたらすごく面白かったので、「いろいろ調べよう!」とネットでジブリについて調べて、どんぐり共和国に通い続けるようになりました

内田真礼

――ホークスもですが、やっぱりグッズを揃えるのがお好きなんですね。

内田:
好きなんですよね……。2023年にはライブツアーで7か所回りましたけど、その時期は1番ジブリ熱が高まっていたので、どの都市でもどんぐり共和国に行っていました(笑)。

前乗りした時はどんぐり共和国に行く時間をつくり、前乗りできなかった時は近くの駅にあれば帰りに駅まで行ってグッズを買っていました(笑)。

あとは、去年の4、5月くらいに『カービィ』のゲームを買って、それがすごくおもしろくて激ハマりしていました! どうしてもカービィのぬいぐるみが欲しくなって、何か所もゲームセンターを回り、取れるまで重課金して……いっぱい取りました(笑)。

あの時は、ゲームセンターから「蛍の光」が流れる時間までいました。最終的に遅くまで空いているゲームセンターを発見して、そこに通い詰めるという。家の中に、カービィタワーが出来上がっています(笑)。

――好きになるととことんハマってしまうんですね(笑)。

内田:
そうなんですよ~! カービィは「カービィカフェ」にも行きました。予約が始まると1か月分埋まってしまうので、自分の仕事のスケジュールが空いた日にキャンセル待ちが出ないか確認するために、毎日予約サイトを見に行っていました(笑)。

カービィもグッズを相当集めていました。寝る時のパジャマカービィですし(笑)。 ずっと何かにハマりながら生きてきましたね。ハマるとそればかりになるのが特徴です。

――何かにハマるごとにグッズを買っているのかと思うのですが、家の中にグッズを置く場所はあるのでしょうか……。

内田:
一応あります(笑)。グッズを入れておく箱があって、そこにホークスディズニーなどジャンル分けして収納しています。それをクローゼットの中に隠しています。

――飾ったりはしないんですか?

内田:
あまりにもたくさんのグッズに囲まれていると疲れてしまうので……(笑)。せっかくグッズを買っても、基本的に家の見えるところにはほとんど置いていないです。

――買うことで満たされるんですね。

内田:
そうかもしれません(笑)。基本的にオタク気質なので、「現地で買うこと」「揃えること」を楽しんでいます(笑)。

でも、いつも何かしらのグッズを持ち歩いているんですよ。今日はホークスのTシャツでしたけど、ほかにもハンカチやペンなど日常で使えるものは常にバッグに入っています。バレない程度に推し活をしていますね(笑)。

内田真礼

――野球はオフシーズンがあるので、ほかにハマれるものがあるのはいいですよね。

内田:
それはありますね。毎年、年末くらいに体調を崩すのですが、それは野球がオフシーズンだからだと思うんですよ……。推し活ができていない時は具合が悪くなるのですが、今ちょうどガッツリ推せているものがないので、どうしようかなと悩み中です(笑)。

内田真礼の推し活マイルールは「無理しすぎないこと」

――推される側でもある内田さんが、推し活をする上で意識しているマイルールはありますか?

内田:
3つあって、まず1つは「でしゃばらないこと」。推しについて話そうと思えば、いくらでも話せますけど、基本的には目立たないようにしています。恥ずかしさもあるし、好きだからこそ上手く話せなかったら嫌なんですよね。

なので、聞かれれば話せるけど、「全部聞いてください」というスタンスにはならないようにしています。いくら好きでも節度を守るようにしています。

内田真礼

2つ目に、周りにホークスを好きになりたい人がいたら「優しくすること」。新規の人が入りづらい現場にならないように、「一緒に試合に行ってみたい!」という子がいたら、キャップユニフォームなどのグッズを貸して、全力で楽しんでもらえるように尽くします。

というのも、一度スタッフさんを巻き込んで野球見に行ったことがあるんですけど、みんな疲れたようで、「もう行きたくない……」と言われてしまったことがあって。

――ええっ、そんなことが……。

内田:
神宮球場の試合だったんですけど、天気が良すぎてすごく暑かったんですよね……。だから、なるべく野球観戦のハードルが低くなるように心がける意識をしています。

そして、3つ目が1番大切で……「好きだからこそ無理しすぎないこと」。野球観戦をするのも無理のない範囲で行ける時に行きます。また、推しだからといって「あれもこれも知っていなきゃいけない」と思っていると、好きなのにプレッシャーになる気がするから、「あれも知らない、これも知らない」でもいいなって。

「にわか」という言葉もとても苦手なんです。ちゃんと好きなのにそんなことを言われるのも嫌だし、相手の好きなものにそんなこと言いたくない。全部を知っていなければいけないのなら、私は一生にわかでいい。“一生新規ファン”でいいと思っています。

内田真礼

――そう感じるようになったのは、ご自身が推される立場だからこそなのでしょうか?

内田:
それもありますけど、1番は極めた先に苦痛があると思うから。好きに制限はないかもしれないけど、ずっと高い水準で好きを保ち続けるってつらいと思うんですよ。

全試合を見るとか、全部のグッズを揃えるとか。時間もお金も無限にあるわけではないのに、好きの水準を下げるわけにも行かないから無理をしてしまうこともありますよね。そういう極めた先に待っている大変なこともあるから、「ある程度」がいいのかなと思います。

――推すことは無理をすることではなく楽しむことが大切ですからね。「ある程度」のマインドは大切かもしれません。

内田:
ホークスだけ推していたら、調子がすごく悪くて10連敗した時に自分も落ちてしまうけど、私はそうはならない。ホークス以外にも推しがいて楽しめているから、ホークスが負けたとしてもそんなに落ち込まないんですよ。

だから、野球ファンの人から「今年のホークスは、クライマックスシリーズどうなんですか?」「内田さん、モチベーション下がりませんか?」と聞かれることがあっても、「私はそれで一喜一憂することはない」というのを伝えたいなと思っています。

内田真礼

――とはいえ、始球式を含めて内田さんは仕事で推しと関わる可能性が一般の人よりは高いと思います。仕事で推しと関わる時、どのようなマインドなのでしょう。

内田:
もちろん楽しいですよ! だけど、そんなに突っ込まないように心がけています。始球式もですし、実況の副音声で呼ばれることもあって、ホークス側にも認知していただいていますけど、「野球を仕事にしていきたい」「絶対に野球のリポーターの仕事を取ってやる!」とかは全く思っていません。

それくらいの気持ちでいれば、仕事をいただいても「わーい、ファンです!」という立場でいられる。欲を持たないことを意識しています。無理しないことにこだわっているから、長く好きでいられるのかもしれません。

次ページ▼無理をしていない素直な自分を表現できた新曲「CHA∞IN」

新曲「CHA∞IN」は自分の今のメンタルと合っている曲

――新曲「CHA∞IN」のお話についてもお聞きしていきます。前作の「ラブ・ユー・テンダー!」とはかなり雰囲気の異なる楽曲です。実際、聴かれた時はどういう印象を受けましたか。

内田:
第一印象は「すごく好きな曲」でした。この曲が持っている温度感やゆったりした余裕のある雰囲気が、とても私の好みだったので、リリースされるのを楽しみにしていました。

――好みの曲だったということは、レコーディングも楽しく?

内田:
好きに歌わせてもらえたので楽しかったです。

これまでは「ラブ・ユー・テンダー!」のようなハイテンションな曲が多くて、「CHA∞IN」を収録する時はどうしようかなと考えたりもしたのですが、ちょうど「肩の力を抜いて、声を張らずにレコーディングがしたい」と思っていた時期だったんですね。その気持ちが活かされた曲ですね。

――「CHA∞IN」は、「これまでの内田さんの歌い方とは少し違う気がする」と思っていたのですが、そういう理由があったのですね。

内田:
自分の声と向き合っていた時期だったんです。

「ラブ・ユー・テンダー!」や「ギミー!レボリューション」のようなハイテンションな曲の方が、“内田真礼らしさ”だと思われることが多いと思うけど、どちらかというと「CHA∞IN」の方が「そうそう、内田真礼の音ってこれだよね」と感じています。

無理をしていない素直な自分、自分の揺るがない軸を音楽に表現できました。

内田真礼

――自分の声と向き合っていたのには、何か理由やきっかけがあったんですか?

内田:
2014年から音楽活動をしているのですが、長く音楽活動をしていくにつれて、「今後どういうふうに活動していきたいだろう」と考える時期がありました。

元気で、ハッピーで、明るくて、みんなにパワーを与えられる「今のまま」の方向性で活動を続けていきたい気持ちがある一方で、「もう大人だしな……」という気持ちもあったんですね。

本当なら30歳になったタイミングで大人の方向性に行けばよかったのだけど、「若さをリタイアしたみたいで嫌だな」と舵を切ることもできず。

――そんな葛藤があったんですね。

内田:
なんでそんな葛藤をしていたかって、20代の時は無理をしていたからだと思うんですよね。

例えば、「演じるキャラクターは15歳だからもっと○○でいないといけない!」とか、「もっと可愛くないといけない」「もっとカッコよくないといけない」「今の自分じゃダメだ」という意識にとらわれすぎていました。

だけど、ここ数年「内田真礼でよくない?」って思えるようになって。最近受けているオーディションも、「無理をしないで受けたら受かった」というものが増えた気がしています。そのタイミングでレコーディングしたのが「CHA∞IN」でした。

だから今、後輩に伝えたいのは、「あなたはあなたの良さがあるから、あなたじゃないものになろうとしなくていい」ということですね。

内田真礼

――それって、内田さんが自分ではない何者かになろうともがいていた期間があったからこそ気づけたことだと思うので、そういう葛藤も大切かもしれないですよね……。

内田:
そうなんですよね。すごく向き合ってきたし、頑張ってきたから、「あ、私、無理していたな」と自分の限界値にたどり着けて、今があるとも思っています。

だけど、「もっと早くに気づいていたら、もう少し苦労せずに歩みを進められたのかな」とも思うんです。難しいかもしれないけど、早めに気づけるのであれば気づくべきことだと最近は思いますね。

――そういうマインドで歌った「CHA∞IN」が、2024年最初の曲というのは、ちょっとエモいですね。

内田:
実は、レコーディングをしたのは2年半くらい前なので、相当温めていた曲なんです(笑)。でも、温めてよかったと思っています。レコーディングした時よりも「今の自分」と「自分がいいと思う自分」がちゃんと混ざり合った感じがしているから。

私は限界まで働いてしまうタイプだから、無理をしてでも笑顔でいることが全てで、正義だと思っていました。だけど今は、「無理する必要もなかったな」「100点を取り続けなくてもいいな」って。大人にならなくてもいいし、大人になったことを認めていい。自分がここまで作ってきた自分を認めてあげればいいと思えるようになった。

今の自分のメンタルと合っている曲なので、2024年は「CHA∞IN」から自分を受け入れた内田真礼を世の中にどんどん出していきたいです。

――一方、カップリング曲の「パパルラ」の歌詞はかなりキャッチーな印象を受けました。

内田:
みんなでバンドワゴンに乗っているようなイメージの楽曲になりました。

「パパルラ」も「CHA∞IN」と同じような気持ちが込められていて。世界平和とか大きなことではなく、自分の手の届く距離の幸せを表現した楽曲になりました。すごく心地のいい曲で、こちらもお気に入りです。

推される側のマイルールは「ファンのみんなが1番大切だよ」と思い続けること

――2023年は全国7か所を巡るライブツアー「UCHIDA MAAYA Live Tour 2023 Happy Research! –HIKARI-」や定期的なFCイベントなど、積極的にファンの方と交流してきたかと思います。内田さんにとって「推されること」をどのように感じていますか?

内田:
年々、推されることへ感謝の気持ちが募っていますね。特に去年のツアーはより感謝を感じました。というのも、「ファンの皆さんは私よりも私のことを考えてくれているんだろうな」と思ったんですよね。

私自身、「こうでありたい」という気持ちが強いから、出演する3分前まで体が氷のように冷たくても「ステージに立ったら楽しそうに歌わなきゃいけない」とか、メンタルが落ちていても、「元気のない姿は絶対に見せちゃいけない」とか、「内田真礼は明るいと思われているから明るくいたい」と思って今までやってきました。

ファンの皆さんを見ると体が強張るから、完璧なパフォーマンスを見せるために、目が合わせられないこともありました。

内田真礼

だけど、ツアー初日の東京公演のタイミングでいろいろなことが起こって、すごく気持ちが揺らいでいたんですよ。それをライブで吐露したら、みんなが「大丈夫だよ!」って……。「弱音を吐いてもいいのかい?」って聞いたら「いいよ!」「泣いてもいいし、どんな真礼ちゃんでも大好きだ」とみんなが受け入れてくれて。「私、ファンのみんなに甘えてもいいんだ」と思えることができたんです。

それに気づけたら、みんなのことを見ながらパフォーマンスができて、みんながどんな顔をしていたかもちゃんと覚えています。泣いてくれた人、ハートを送ってくれた人、いろんな人のいろんな表情が残っている。

「この人たちが私を支えてくれているんだ」と認識できました。ファンの皆さんとの距離がより近くなった今回のツアーはすごく有意義でした。ファンの皆さんには本当に感謝しています。

――その経験が、「ありのままの自分でいい」ということにも繋がっているのかもしれないですね。

内田:
繋がっていると思います。だから、最近はファンのみんなに甘えていて、X(旧:Twitter)でも「おはよう」しか呟いていないんですよ(笑)。

それは、「ファンが離れてしまうかもしれない」という不安がなくなったから。わざわざ「私を見て!」と言わなくても、「好きでいてくれているよね?」と思えているんですよね。ファンの皆さんはちょっと寂しいかもしれないですけど、私にとっては今の更新頻度がちょうど良いです。

――「おはよう」だけでもファンの皆さんは嬉しいですよね。

内田:
SNSに集中すると疲れてしまうので、「更新しなくてごめんね!」と思いながら、朝の「おはよう」だけはなんとか続けようと思っています(笑)。おかげでファンのみんなともいい距離感を保てているような気もしています。

でもね、SNSの使い方で憧れているのは土屋太鳳さんなんですよ。Instagramの文章が丁寧で、言葉遣いもキレイで、とっても素敵。見るたびに心が浄化されます。ああいう雰囲気のインスタをやりたいと思っています。2024年の目標かもしれません!

――とはいえ、無理はせず?

内田:
「やる」と決めたらできると思います! 決めたのにやれなかった時、勝手に傷ついてしまうので……。とはいえ、一点集中で力を注ぐとほかのことがおざなりになってしまうから、70%くらいでできたらいいなと思っています。

内田真礼

――最後に、推される側としてのマイルールを教えてください。

内田:
「ファンのみんなが1番大切だよ」と思い続けること

手紙やイベント、いろんなところで支えてもらっているんですよね。「常にファンのみんなの存在が隣にあるな」「ファンがいてこその私」だと思っています。

みんなの存在がなければここまで続けられていたか分からないくらい。私がつらい時もしんどい時も、みんなが全部推してくれたから乗り越えられました。「みんなのおかげでちゃんとできているよ」と、今後も手を取り合っていきたいと思っています。

(執筆:ふくだりょうこ、取材・編集:阿部裕華、撮影:小川遼)

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「CHA∞IN」リリース概要

内田真礼16th Single「CHA∞IN」
2024年1月17日(水)発売

初回限定盤(CD+Blu-ray)】

内田真礼「CHA∞IN」初回限定盤ver

品番:PCCG-02319
価格:¥2,640(税込)
・フルカラーブックレット

【通常版(CD only)】

内田真礼「CHA∞IN」通常盤ver

品番:PCCG-02320
価格:¥1,400(税込)

<CD>
1. CHA∞IN
作詞・作曲・編曲:戸嶋友祐
2. パパルラ
作詞・作曲・編曲:y0c1e
3. CHA∞IN –TV Size Ver.-
4. CHA∞IN -Instrumental-
5. パパルラ -Instrumental-

<Blu-ray>
Music Video ほか

※特典・仕様は予告なく変更となる場合がございます。

内田真礼PROFILE

内田真礼アーティスト写真

内田真礼(うちだ・まあや)
1989年12月27日生まれ、東京都出身。A型。

内田真礼 オフィシャルサイト:https://www.uchidamaaya.jp/
内田真礼 公式X(旧:Twitter)https://twitter.com/MaayaUchida
内田真礼 Instagram:https://www.instagram.com/uchidamaayataso/