藤やすふみ(@y_asufumi100)さんがX(旧:Twitter)や漫画投稿サイトに投稿している短編漫画「都市伝説に求める女」が話題だ。主人公・紋野かごめが数々の都市伝説に遭遇していく本作は、「こっくりさん」のような有名な話だけでなくマイナーな都市伝説も登場する一方、ユーモア溢れる描き方でホラーが苦手な人にも読みやすい作品となっている。今回、本作を手掛けた藤やすふみさんに制作の裏側を伺った。

【漫画】本編を読む

■「都市伝説への愛やリスペクトをいかに貫けるか」を意識して描いた物語

本作で登場する都市伝説やストーリーはどのように生み出されたのか。藤さんは、「私自身、都市伝説がとても好きですが、理不尽な話が多いとも感じています。ならば、それに対抗できる主人公を置いてみようと思い、本作の主人公を制作しました。

主人公の役割も、ただボコボコにして気持ちよくなるだけだと自己満足になってしまうので、都市伝説への愛やリスペクトをいかに貫けるかという形にしました。都市伝説自体は自分の記憶から引き出したり、詳細に書かれている本やサイトを巡ったり、周囲の人々へ聞いてみたりしています」と明かす。

本作で特に工夫した点については、「1つは都市伝説本体を『自分のオリジナルキャラクター』として安易に作らないようにしました。もう1つは、『マイナーな都市伝説にもスポットライトを!』という気持ちで話をチョイスしている点です。本作では有名じゃない・忘れられている都市伝説も取り扱い、ほかでは見られない一味違う漫画にしようと思いました」と、描くにあたって自身も都市伝説へのリスペクトを欠かさないよう気を配っていた様子。

数あるエピソードの中で藤さん自身が最も気に入っているのは、「『耳から白い糸』です。子どもの頃、本当に失明するんだと思って震えていました。実を言うと、この漫画全編を『都市伝説に出てくる人間やキャラクター』だけで固めようか迷っていたのですが、生き物だけが都市伝説じゃないぞと自分を納得させてこの話を作り上げました」と、制作上のマイルールをはみ出してまで描いた思い入れのあ都市伝説を教えてくれた。

最後に、「『都市伝説に求める女』の漫画本編は、あと少しで終わる予定です。今回描いた漫画を通して、人はこんなところに笑う・共感する・逆に納得しない等、多くを学びました。これを糧に、大勢の人が楽しめる漫画をまた作っていきたいです」と、自身の今後の展望を語った。

取材協力:藤やすふみ(@y_asufumi100)

かごめが見つけたものとは…?/画像提供:藤やすふみさん