日本医師会では1月1日に発生した令和6年能登半島地震に対し、石川県医師会の要請を受け、都道府県医師会が編成したJMAT(日本医師会災害医療チーム)を被災地へ派遣していますが、今回は1月6日から1週間という長期間にわたり、被災者支援活動に従事した栃木県医師会JMATの活動について紹介します。

1週間にわたり穴水町の避難所等を巡回

栃木県医師会JMATは長島徹栃木県医師会副会長を中心としたチームであり、主に穴水町の避難所の巡回を行いました。

1月6日栃木県を出発し、1月7日の早朝に穴水総合病院に到着。朝のミーティングに参加した後、福岡県医師会JMATや 金沢市にある浅ノ川総合病院等と共に各避難所の巡回を行いました。


1月8日の午後からは、のとふれあい文化センターに向かいました。当日は130名の避難者のうち、8名がインフルエンザ等に感染しているということで、感染症患者を受け入れる施設としての評価、ゾーニング、指導が主なミッションとなりました。

文化センターに向かう途中には雪の影響により、車が坂を登れず、徒歩にて医師・看護職が向かうといった事態も起きました。


1月9日から12日にかけては、主に、あすなろ学園、新崎集会所、鹿島地区コミュニティーセンター、曽福集会所、乙ヶ崎集会所、中居南集会所等を巡回し、避難者の健康状態の確認等を行いました。

今回の活動の中では、通信環境が悪く、診療録については紙ベースでの対応をせざるを得ない状況であった他、普段服用している薬が切れてくる方も多く、薬剤師会の協力の下、モバイルファーマシー(移動薬局)の活用などで対応しました。

また、他県のJMATチームとは、朝のミーティングばかりでなく、LINEを使って連絡を取り合うなど、情報共有を図りました。

更に、避難所での感染症や衛生面での対策を促すため、ノロウイルス等の感染予防策やトイレの使い方などを記したパンフレットの配布なども行いました。

メンタルケアや寝たきりの方の廃用症候群などへの対応などが今後の課題

今後の課題としては、メンタルケアの他、寝たきりの方の廃用症候群などへの対応が重要で、医療のみならず、介護・福祉・在宅療養を専門に担う人材の派遣なども求められると考えます。

現場の懸命な努力により、次第に避難者の状況や保健医療ニーズが明らかとなってきました。今後、JMATの活動範囲は広がり、多数のチームを派遣することになります。

今回ご紹介したJMAT活動は、被災地である石川県医師会と全国の医師会、日本医師会の協働によって行われているものです。医師会は、長期化が懸念される避難生活を医療面で支援し、地域コミュニティの再建を支えて参ります。

問い合わせ先:日本医師会地域医療課、広報課 ☎03-3946-2121(代)

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