コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)・ラウンド16が17日に行われ、オサスナとレアル・ソシエダが対戦した。

 ここまで20試合を消化したラ・リーガで、8勝8分4敗の6位につけているレアル・ソシエダ。13日に行われたアスレティック・ビルバオとの”バスクダービー”に敗れたことで、公式戦での無敗記録が「12」で途絶えてしまったが、昨シーズンに並ぶ準々決勝進出に向け、マインドの切り替えが求められる。日本代表MF久保建英などが代表活動で離脱するなか勝利を目指し、敵地『エスタディオ・エル・サダール』に乗り込んだ。

 試合は、開始直後の2分にオサスナがレアル・ソシエダを脅かす。細かくパスを繋ぐ相手に3人がかりでプレッシャーを仕掛け、中盤でボール奪取に成功。ホセ・アルナイスがハーフライン付近から長い距離をドリブルで持ち運び、バイタルエリアに侵入したところでパスを送る。ボールを受けたアンテ・ブディミルは、スピードに乗りながら縦に突破し、ボックス内でスライディングを試みたイゴール・スベルディアと接触して転倒したが、判定はノーファールでPKとはならなかった。

 いきなり決定機が訪れたものの、その後はトーナメント特有の緊張感のある時間が続き、両者目立ったチャンスを作れない。どちらも枠内シュートが0本のまま、スコアレスでハーフタイムに突入する。

 後半開始直後の47分には、レアル・ソシエダがオサスナのゴールに迫る。右サイドへの大きなサイドチェンジを行い、一度相手にカットされたボールをレアル・ソシエダが高い位置で奪い返すと、ミケル・オヤルサバルのパスを受けたミケル・メリーノが、ボックス右からグランダーでクロスを送る。中で待ち受けていたアルセン・ザハリャンがダイレクトでシュートを放ったものの、ボールは枠を捉えることができなかった。

 勢いを強めるレアル・ソシエダは、52分にオヤルサバルがクロスを頭で折り返しアンドレ・シルヴァがシュートを放つがDFにブロックされる。さらに、すぐさまセカンドボールを拾ったM・メリーノの落としを、ザハリャンがダイレクトでシュートに持ち込むが、コースを狙った一撃は、オサスナのGKアイトールフェルナンデスのファインセーブに防がれた。

 すると、57分にレアル・ソシエダがスコアを動かす。相手のクリアに反応したスベルディアがヘディングでボールをゴール前に送り込み、DFと並走する形でボールに向かっていったロビン・ル・ノルマンが倒されると、主審は迷わずPKと判断。VARが介入した結果、オサスナのセンターバックを務めるアレハンドロ・カテナは、退場処分となってしまう。獲得したPKを、“名手”オヤルサバルが確実に沈め、レアル・ソシエダが先制に成功した。

 試合終了間際の後半アディショナルタイムには、前がかりになったオサスナに対してレアル・ソシエダのカウンターが炸裂する。ロングボールを跳ね返しつつ味方に繋ぐと、ベニャト・トゥリエンテスが自陣から推進力のあるドリブルで中央を突破。DFラインの背後に供給されたスルーパスにブライス・メンデスが抜け出し、GKのアイトールフェルナンデスに倒されPKを獲得する。オヤルサバルの蹴ったPKはGKに弾かれるが、セカンドボールをM・メリーノが押し込み貴重な追加点を挙げた。

 結局、試合はそのまま2-0で終了。勝利したレアル・ソシエダがベスト8進出を果たし、24日に開催されるコパ・デル・レイ準々決勝に駒を進めた。

【スコア】
オサスナ 0-2 レアル・ソシエダ

【得点者】
0-1 57分 ミケル・オヤルサバル(PK/レアル・ソシエダ
0-2 90+7分 ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ

コパ・デル・レイ準々決勝に駒を進めたレアル・ソシエダ [写真]=Getty Images