埼玉県が、2024年1月から運転免許更新やパスポート申請の手続きについて原則キャッシュレス決済に踏み切ったことがインターネット上で話題となっている。

大野元裕県知事は1月16日の定例会見で「1月4日から7日までの実績として97%の人がキャッシュレスを利用した」と説明。収入証紙を廃止する条例を公布した2022年12月以降、広報に努めてきたとし「県民との大きなトラブルなどの報告はなく、おおむね順調なスタート」と評価した。

主にX上で「窓口で高齢者が困っている」「更新ハガキの説明がわかりにくい」などと批判されている運転免許更新の手続きについても、大野知事は「大きな混乱は全く報告をされていない状況です」と胸を張った。

収入証紙を廃止している自治体は他にもあるが、埼玉県の担当者によると、窓口で現金支払いが一切できないのは同県のみ。現金しかない場合、コンビニや金融機関で支払い、再び窓口に戻るよう案内しているという。

この点について、大野知事はこう説明した。

「キャッシュレスという言葉が問題なのかもしれませんが、現金が全く使えないということでは、そもそもない。今までも現金の収受は行っておらず、いったん証紙を買っていただいて、その証紙でお支払いをいただいていた。この証紙の販売が終了をして、キャッシュレスに変わったということです」

「コンビニや金融機関で現金で納付をすることが可能です。ただし現金で納付する場合には、よりキャッシュレスよりも手間がかかりますし、将来的には(免許センター窓口など)その場所に来る必要がないというサービスの拡充にも努めていきたいと思いますので是非キャッシュレス手段をご用意いただきたいと考えております」

同県では、運転免許更新だけでなく、パスポート申請など500超の行政手続きが原則キャッシュレス化された。

大野知事は「手続きの性質や場所によっては窓口の立地条件なども考えた上での受付オペレーションが必要なため、できるだけお手数をおかけしないよう、きめ細かなご案内に努めております。今後も広報あるいはご案内、きめ細やかな対応を続けていくことによって、可能な限り移行に伴う混乱を避けていきたいと思っています」と締めくくった。

埼玉県の免許更新“キャッシュレス限定”対応、知事「大きな混乱ない」と強調