県公式も引用しています。

石川県は「能登」と「加賀」に分けられる

石川県が2024年1月17日(水)、公式X(旧Twitter)にこう投稿しました。

【全国のみなさまへ】
「能登には来ないで」「でも石川県には来て」というお願いで混乱された方がいらっしゃると聞きました。
石川県外の方に分かりやすい画像』が投稿されていましたので、良かったらご覧ください。

投稿は、アニメ作家である名取祐一郎氏のポストを引用する形(引用リポスト)になっており、地図が添付されています。石川県在住だという名取氏は南北に約200kmある細長い同県について、1月15日(月)時点と前置きしたうえで、地震による被災状況を色分けしています。

「能登には来ないで」――これを聞いた県外の人は、「能登=石川県」と捉えてしまうようです。そもそも「能登」とは旧国名であり、県中ほどの宝達志水町以北を指します(内灘町以北の説もあり)。対して以南は「加賀」。県都・金沢市航空自衛隊の基地がある小松市などが該当します。

被災状況も、能登と加賀では異なっています。名取氏は能登をさらに「北部(奥能登)」と「南部」に分けていますが、北から順に見ると以下の通りだとしています。

・北部(珠洲市穴水町):被害甚大
・南部(志賀町内灘町):被害大きい
・加賀(金沢市加賀温泉):被害少ない

つまり、「来ないで」と呼びかけられているのは能登地方(おおむね内灘町以北)、「来て」とお願いされているのは加賀地方(おおむね金沢市以南)というわけです。能登では周知の通り、道路や斜面の崩落により緊急車両優先となっていますが、名取氏によると加賀ではライフラインや店なども通常通りで、日常生活も送れているとのこと。ただし観光客が少なく、特に金沢市は閑散としているといいます。

ちなみに能登北部の輪島市金沢市は、直線距離で約95km離れています。これは東京駅を起点とするなら、北は宇都宮駅の手前、西は箱根峠あたりまでの距離です。大阪駅を起点とすれば、西は相生市の手前、東は彦根城あたりまでの距離に相当します。

金沢行きの特急「サンダーバード」(画像:photolibrary)。