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(写真:時事通信

日本で3人を死傷させる交通事故を起こした米海軍兵の釈放をめぐって、一部の“歓喜ムード”が物議を醸している。

’21年5月に静岡県富士宮市の飲食店駐車場に車が突っ込み、2人が死亡、1人が負傷した事件。車を運転していたのは、横須賀基地に所属していた米海軍兵リッジ・アルコニス氏だった。

‘22年7月に過失致死傷の罪で禁錮3年の刑が確定し、昨年12月には日本からアメリカに身柄が移送。カリフォルニア州ロサンゼルス刑務所に収監されていたが……。

「わずか1カ月しかたっていない1月12日に、米仮釈放委員会が仮釈放を命じたというのです。この件を報じたCNNテレビによれば、日常生活を監視するといった条件も付されなかったとのこと。アルコニス受刑者は運転中に急性高山病となり、意識を失ったと主張していたそうです。

アルコニス受刑者をめぐっては、アメリカ連邦議会の一部議員が不当な拘束だとしてバイデン政権に移送を働きかけていました。また日本での拘束が長期化すれば、日米関係に支障をきたす懸念も持たれていました」(全国紙記者)

2人の命が奪われた痛ましい事故。にもかかわらず、CNN記者のジャックタッパー氏は日本時間13日にXでこう歓喜したのだった。

《GREAT AND BREAKING NEWS! This morning the US parole commission ordered the full parole and immediate release with no supervision of Navy Lt Ridge Alknois(編集部訳:素晴らしい速報です!今朝、アメリカ釈放委員会はリッジ・アルコニス海軍中尉の釈放を命じました)》

投稿には家族と再会したアルコニス受刑者の写真も添えられており、国内外から《なぜ祝っているのか》《何がグレートなのか全く理解できない》と批判の声が上がる事態に。

さらに日本と縁の深い人物までもが、アルコニス氏の釈放を祝っていたのだ。その人物とは、昨シーズンにプロ野球横浜DeNAベイスターズで活躍したトレバー・バウアー選手(33)。

アルコニス受刑者の帰国を訴えていたInstagramのアカウントは13日、アルコニス受刑者が釈放されたこと、家族とともに家に帰っていると報告。アルコニス受刑者が家族と抱き合う写真も投稿されていた。

するとバウアー選手のアカウントが、その投稿にいいね!をした上で、《Welcome home Ridge!(お帰りリッジ!)》と祝いのコメントを寄せたというのだ。さらに代理人のレイチェル・ルーバ氏(31)も、《I am so happy for you guys!!(本当におめでとう!!)》とコメント。

2人のコメントはすでに削除されているが、SNSではスクリーンショットが拡散。“残念”だとして、厳しい声が相次いでいる。

《ベイファンだけどマジで再契約して欲しくない》
《うぁ…. コレ….ないわぁ 応援してたけど、ヤメタ。。》
《これは流石に無理やわ 舐められてるやろ》
《正直、これにはガッカリ。憤りすら感じる。日本で居眠り運転によって2人を轢き殺した米軍人がアメリカ送還後に釈放されたことについて、バウアーが「Welcome home」と祝福のメッセージを送っていたことが話題に。俺はベイスターズファンだが擁護のしようがないよ》

このコメントを批判するXの投稿に対し、レイチェルは《In America it is reported that he was imprisoned for unfair reasons. Also, Trevor knows his family, which is why he was welcoming him home. It was an awful and tragic accident, but it clearly is reported very differently in Japan than it is in America(アメリカでは、彼が不当な理由で投獄されたと報じられています。また、トレバーは彼の家族を知っているため、彼を迎え入れることを歓迎していました。それはひどく悲惨な事故でしたが、日本での報道とアメリカでの報道とでは明らかに異なるようです)》と反論している。

横浜DeNAベイスターズは昨年11月30日に、バウアー選手を自由契約とすると発表。一部報道ではバウアー選手は大リーグでのプレーを望んでいるというが、いまだ去就は不透明だ。再び日本でプレーするとなれば、野球ファンたちに受け入れられるだろうか。