2月9日(金) から公開になる映画『カラーパープル』は、スティーブン・スピルバーグ監督が手がけた同名作をミュージカルとして新たに描く注目作だ。本作でもスピルバーグは製作として参加しているが、本作を企画し、成立させた最大の功労者は間違いなくオプラ・ウィンフリーだ。

オプラ・ウィンフリーは、アメリカ生まれの司会者、プロデューサーだ。彼女が司会を務めるトーク番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』は全米で大人気を集め、いまもアメリカで最も有名な司会者といえば彼女だろう。

オプラは俳優としても活動しており、ディズニーアニメーション『プリンセスと魔法のキス』では主人公の母の声を演じ、フォレスト・ウィテカー主演作『大統領の執事の涙』では、主人公セシルの妻を演じた。そんな彼女が俳優として初めて出演したのが、1985年製作のスピルバーグ監督作『カラーパープル』だ。

当時、オプラは主人公セリーの親友ソフィアを演じ、アカデミー助演女優賞にノミネート。アメリカで最も有名な司会者は“俳優”としても実力があることを証明することになったが、それ以上に本作の存在は彼女のキャリアに決定的な影響を与えたようだ。

「あの映画に出演したことで、私のすべてが変わりました」とオプラは振り返る。「私は大好きな仕事をしていて、同じように情熱を持った人たちに囲まれていました。 毎日とても幸せでした」

単に演じた役や映画に恵まれただけでなく、そこに描かれるメッセージ、表現される登場人物たちの“心の声”に深く共振した彼女は、撮影を通じて「心の底から喜びを感じた」という。

1985年版『カラーパープル』でソフィアを演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされたオプラ・ウィンフリー(右)

その後、彼女は今回の映画のベースになったミュージカル公演のプロジェクトを開始。長年に渡って本作のドラマ、キャストたちと向き合い続けた。そして、これまでの経験や積み重なってきた想いと情熱を新たにスクリーンで描くときが来た。ミュージカル映画『カラーパープル』の製作を決意したのだ。

彼女がこのタイミングで新たな映画製作に着手したのは、いくつか理由があるが、この物語がリバイバルやノスタルジーではなく“いまも生き続ける物語”だという確信があるからだろう。彼女は語る。

「この物語が長年、生きながらえている理由は、大切にされていないと感じたことのあるすべての女性や男性にとって、これこそが自己発見という素晴らしい体験を味わえる物語だからです。私たちが世界に向けて再びリリースすることで、この物語は引き続き生き残っていきます」

オプラをはじめとする本作の作り手たちが目指したのは、現代の観客に響く映画にすること。この物語がこれからも生き残るための映画にすること。いま全世界で好評を集めている映画『カラーパープル』の奥底には、オプラ・ウィンフリーという人物の情熱がしっかりと根づいている。

映画『カラーパープル』本予告 2024年2月9日(金) 公開

『カラーパープル

2月9日(金) 公開

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Photo:AFLO

オプラ・ウィンフリー(左)とスティーブン・スピルバーグ