今年はしょっぱなから3日間開催があるなど慌ただしく過ぎていき、早いもので正月の中山開催は今週で幕。その最後を飾るのは、アメリカジョッキークラブカップだ。3月末に行われるGⅠ大阪杯への一里塚的なレースとなっただけに、ここ数年、顔ぶれがそろって重みが増してきた。

 今年は、ただ実績を重ねてきた古馬だけではなく、これからのしてくるであろう明け4歳馬が主役を演じるものとみられている。

 まずは過去のデータを見てみよう。03年に馬単が導入されて以降、これまでの21年間、その馬単による万馬券は6回(馬連は4回)。この間、1番人気馬は6勝(2着3回)、2番人気馬も6勝(2着3回)で、1、2番人気馬によるワンツー決着は2回。大きく荒れることはマレだが、必ずしも人気どころが期待どおりの結果を残すわけではない、中穴傾向の一戦と言っていいだろう。

 年齢的には6歳以上の古豪の健闘ぶりが目立つ。過去21年間で6歳馬が5勝(2着2回)、7歳馬は5勝(2着4回)。そして勝ち鞍こそないものの、今年3頭が出走を予定している8歳馬が4回も2着に好走していることは、頭に入れておいていいだろう。

 当方が最も期待したいのも6歳馬の古豪、チャックネイトだ。

 昇級初戦となった前走のアルゼンチン共和国杯は惜しくも3着。初の強敵相手に勝ち馬とコンマ2秒差の見せ場たっぷりの結果だった。やはり並みの馬でないことは確かだ。

 前走後は短期放牧でリフレッシュ。今回は2カ月半ぶりの実戦になるが、早くからここを目標に置いて、しっかりと調整を積んできている。中間の稽古の動きは躍動感たっぷり。状態のよさは一目瞭然だ。

「ひ弱さが抜けて心身ともに成長。背丈も伸びて思いどおりに調整できている。今年は楽しみにしている」

 と、厩舎関係者が口をそろえるほど。であれば、期待できるのではないか。

 母ゴシップガールはGⅠアメリカンオークス招待S(芝10ハロン)の勝ち馬で、近親、一族に活躍馬も多く、そうした血統的背景からも今年の注目株と言っていい。ここは初重賞制覇のチャンスとみた。

 8歳馬の中では、ボッケリーニに注目する。チャックネイトと同じ金子オーナーの所有馬で、京都大賞典チャレンジCと2着惜敗続きだが、今回は休み明け3戦目。さらに良化しており、これまたチャンス十分とみる。

 一方、京都の東海ステークスは、フルゲート必至の混戦模様で難解な一戦。流れ一つでどう転ぶか読みづらさもあるが、ウィリアムローズを狙ってみたい。

 前走のみやこSは3着に敗れたが、見せ場たっぷりの好内容だった。やや体に余裕があり、重め残りの状態(前走比プラス10キロ)。そんな中で揉まれながらよく頑張ってみせた。抑える競馬もでき、進境ぶりをうかがわせたが、初めての京都でこのパフォーマンスは今回につながるはずだ。

 前走後は短期放牧でリフレッシュ。ここに備えて調整されており、1800メートル戦で4勝を挙げているように距離もピッタリ。初重賞制覇のチャンスだ。

 逆転候補に挙げたいのは、活躍が目立つ5歳馬のトウセツである。

 前走のベテルギウスSは5着に敗れたとはいえ、勝ち馬とはコンマ4秒差の好内容だった。前走後はここを目標に乗り込み量も豊富。強烈な末脚が身上だけに、直線の長い京都は格好の舞台だ。

アサ芸プラス