大谷大学真宗総合研究所東京分室(所在:東京都文京区湯島)は、室長及びPD研究員による「宗教と社会の関係をめぐる総合的研究―現代社会における宗教と共生―」をテーマとした共同研究を行っています。本研究は、人類にとって根本的な問いであり続ける「どう生きるのか?」、「どう死ぬのか?」という問題を主軸とし、宗教というフィルターを通して、社会に存在する、もしくは存在した様々な価値観の構造を明らかにすることを目指しており、この度、下記のとおり当該研究の活動の一環として、公開シンポジウムを開催いたします。

■シンポジウム主旨■

 かつて地縁や血縁による共同体によって共有されていた死別の悲しみは、近年、個々人の経験になりつつあります。こうした状況は、死にゆく人や遺された人の不安や孤独、負担を大きくしかねません。死に伴う感情に人々が自ら対処することを迫られるなかで、専門職によるサポートが求められる傾向があります。なかでも、宗教者や医師の担う役割は注目に値します。死の前後の過程に関与する宗教者と医師は、専門的知識を有するだけではなく、地縁や血縁とは異なるつながりを生み出すことがあります。

 本シンポジウムでは、宗教者や医師による実践に焦点をあて、死別現場の現状や課題、葛藤を報告します。これにより、死との向き合い方を共に模索する関係性はいかに構築されるのかを考えます。

開催概要 

 開催日時:2024年1月27日(土)16:30~19:30

 テ ー マ:「専門職による死別をめぐる実践 ―個人化社会の共同性―」

 登 壇 者:磯部 美紀(大谷大学真宗総合研究所東京分室PD研究員)

沼口 諭(医療法人徳養会沼口医院理事長/日本臨床宗教師会副会長

      長谷 暢(東本願寺沖縄別院輪番)

井口 真紀子(祐ホームクリニック大崎院長/上智大学グリーフケア研究     所客員研究員)

コメンテーター: 後藤 晴子(大谷大学社会学部現代社会学科講師)

 場  所:対面・オンライン(zoom)のハイブリッドにて開催

      (会   場)大谷大学響流館3階メディアホール

              〒603-8143 京都市北区小山上総町

      ※オンライン参加のみ要申込/対面の場合は申し込み不要                 

       →申込フォーム  https://forms.gle/mwXuv2RCvCdnuYuw6


東京分室共同研究について

■研究意義・目的

 この数年、人類が経験している新型ウィルス感染症の世界的流行は、現代日本社会の私たちの心や身体、生活スタイルにも、大きな影響を与えています。あまつさえ多様な価値観を内包する現代社会において、様々な変化を強いられているなか、宗教のあり方もまた問われています。当然ながら、現代社会において、宗教が果たすべき役割やその可能性をより多角的な視点から見直すべきとの声も強まっています。そこで本研究は、宗教と社会との多種多様な関わり合いが見られる現代の東京・首都圏という場において、専門性を異にする研究員たちが各自のディシプリンに基づく独自の視点から、社会における宗教の役割を問い直すことを目的としています。

■研究期間を通しての目標・成果 

 人類にとって根本的な問いであり続ける「どう生きるのか?」、「どう死ぬのか?」という問題を主軸とし、宗教というフィルターを通して、社会に存在する、もしくは存在した様々な価値観の構造を明らかにすることを目指します。具体的なテーマとしては、生命倫理、道徳、性差、人権、秩序、死生観、メディア、政教分離優生思想、多文化共生などを取り上げ、宗教との関係性を考察します。各年度に上記テーマに関連した研究会を開催することで当該問題に関する理解を深めるとともに、シンポジウムを開催して広く研究成果を大学の内外に向けて発信します。本年度は、サブテーマ「現代社会における宗教と共生」を設定し、「共生」を鍵概念に、私たちと宗教の多様な関係のあり方について考察し、宗教の役割を解明していきます。

東京分室長・PD研究員紹介

東京分室長 福島 栄寿(文学部 教授) 

大谷大学真宗総合研究所東京分室(所在:東京都文京区湯島)は、本研究所の設置目的にもとづき、本学が社会に対して責任を有する研究分野において、若手研究者に研究機会と環境を提供しています。「現代と自分がどうかかわるか」「現代において自分はどう生きていくか」を根幹とした研究テーマを持ち、ともすると専門分野の研究者にしか通じない言葉で語られがちな研究成果を、一般の方々に理解される言葉で語ることのできる次代の研究者の育成をはかっています。

 その取組の一環として、毎年度PD研究員が主体となり、シンポジウムを企画し、研究活動の一端を広く公開しています。2023年度第一回目は、「専門職による死別をめぐる実践 ―個人化社会の共同性―」をテーマとして開催します。

 現代社会における死にまつわる問題は、私たちが避けることのできない課題を突きつけています。そうした切実な課題に、いかに向き合うことができるのか。日頃、死別現場に携わっている宗教者、医師に登壇していただき、議論を深めたいと思います。多くの皆さんの来場、聴講をお願いいたします。

<PD研究員>

磯部 美紀(PD研究員・社会学)

澤崎 瑞央(PD研究員・仏教学)

陳  宣聿(PD研究員・宗教学)

鶴留 正智(PD研究員・真宗学)


大谷大学真宗総合研究所東京分室

大谷大学について

大谷大学は、1665(寛文5)年の江戸時代、京都・東六条に創設された東本願寺の学寮をその前身としています。その後、いくたびかの変遷を経て、1901(明治34)年、近代的な大学として東京・巣鴨の地に開学。1913(大正2)年、現在の地に移転開設しました。

 親鸞の仏教精神に基づき、“人材”ではなく“人物”の育成を目標とする学び「人間学」を教育・研究の根幹とし、広く一般社会へ開かれた大学として発展を続けています。2021(令和3)年には、近代化120周年を迎えました。


大谷大学 入学センター(広報) <本件に関する報道関係者の皆様からのお問合せ先>
大谷大学 入学センター(広報担当) 後藤・野路
TEL:075-411-8114  E-mail:nyushi-c@sec.otani.ac.jp

配信元企業:学校法人真宗大谷学園 大谷大学

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