BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)にて1月13日に第1話が放送され、X(旧Twitter)でもトレンド1位を獲得したドラマ「アイドル失格」。NMB48の安部若菜が執筆した小説『アイドル失格』を実写化したもので、“アイドルとオタクの恋愛”という禁断の恋を描く青春ストーリーとなっている。本記事では、作中で主人公の実々花(NMB48・山本望叶)が所属するアイドルグループ「テトラ」のメンバー4人にインタビューを実施。山本をはじめ、同じくNMB48のメンバーである川上千尋、上西怜、泉綾乃に本作の見どころや、それぞれが演じる役に対する想いなどを語ってもらった。
【動画】テトラポーズでキメ、山本・川上・上西・泉の4人からメッセージ
■原作者の安部若菜“先生”から指名で「テトラ」を結成! 4人はどんなキャラクター?
――NMBのメンバーで劇中に登場するアイドルグループを結成するとなった時に、キャストは原作者の安部若菜さんからのご指名だったと聞きました。皆さんが演じている「テトラ」はどういったグループなのでしょうか?
山本:芸能事務所に所属している今後を期待されているアイドルグループで、オーディションで8000人の中から選ばれた4人ですね。
上西:デビューはしているんですが、その事務所の中では「駆け出し」のようなイメージです。
――山本さんが演じる小野寺実々花は、テトラの“不動のセンター”ですね。どういう人物なのでしょうか?
山本:グループのセンターなんですが、自分で「個性が無くて何もできないな」って悩んでいる役です。オーディションを受けるまではすごい夢と希望に溢れていたけど、いざアイドルになってみると、自分には個性もないし何もできないなって悩みながら活動している子なんです。
――続いて、川上さん演じる一ノ瀬萌は「実々花のライバル」ですね。どういう人物なのでしょうか?
川上:実々花と同じく小さい頃からアイドルになりたかった子で、他のアイドルグループで活動していたんですけど、もっと活躍したいということで「テトラ」を受けて、“人生を懸けてアイドルに挑んでいる子”だなと思ってます。
――ライバルということは、「私もセンターを狙いたい」という気持ちがあるのでしょうか?
川上:そうですね。上に行きたいという気持ちはたぶん人一倍強くて、“負けず嫌い”な気持ちが前面に出ちゃっている子なので、きつい言葉も言ってしまいがちなんですが、その気持ちが見ている方だけじゃなくて、アイドルやってる子たちにも響く言葉が多いのかなと思います。誰しもが「悔しいな」と思った時や、ため込んでいる気持ちとかを、萌ちゃんは口に出しちゃうような子ですね。
――上西さん演じる空野あかりは「テトラ」の“ムードメーカー”ですね。
上西:誰よりも「テトラ」というグループが好きで、メンバーの中では実々花と一番仲良しで、ドラマの中でもそういう場面が出てきたりします。明るくて空気が読めないんですけど、そこが憎めないような、よくグループに1人はいるようなキャラですね(笑)。
――泉さん演じる川嶋サヤは一番年下にもかかわらず「テトラ」のリーダーを務めていますが、彼女はどういう人物なのでしょうか?
泉:みんなのこと1人1人をしっかりと見ていて、ライブとかのシーンでは、みんなを引っ張るようなリーダーっぽいところがあると思うんですけど、普段は“甘える”まではいかないですが、最年少なりの接し方がある子だなって思います。
――役柄とはいえ、NMB48の先輩にビシバシと言うのは気まずくなかったですか?(笑)
泉:いえいえ、全然(笑)。川上さんと上西さんは先輩なんですけど、すごい仲が良くて一緒にお仕事もたくさんしている方なので、良い意味でそこまで気を使ってないという感じです(笑)。
■劇中の楽曲「青春テトラポット」は…「神曲」「疾走感がすごく好き」「めっちゃ良い曲」
――皆さんは、安部さんからのご指名があったということですが、実際に本作は皆さんのキャラ性がモデルになっているのでしょうか?それとも、各々まったく違うキャラクターを演じられているのでしょうか?
泉:私は1回安部若菜さんに、どこかの取材で「実々花っぽい」とは言われたことがあります。だから自分が「サヤ」だと聞いたときはビックリしました。もちろん悪い意味じゃなくて(笑)。
――安部さんから「こんな風に演じてほしい」など、オーダーみたいなものはありましたか?
4人:いえ、まったくないですね。
山本:曲のレコーディングの時に「実々花の歌い方ってどんな感じのイメージ?」みたいなことを聞いたら「任せるよ」って言われて、全部任せてもらいました。
――「テトラ」のメンバーとして出演する皆さんは、作中で楽曲「青春テトラポット」も披露されていましたが、初めて聞いた時の印象はいかがでしたか?
山本:神曲だと思いました。まずメロディーが良くてオタクから人気が出そうな曲だって思いました(笑)。ドラマの中では出ていないかもしれないんですけど、2番目の歌詞がすごく良いんですよ。私のパートで“望み叶えたい”という歌詞があるんですが、私の名前が“望みを叶える”で「望叶(みかな)」って書くんですけど、そういうところまで考えていてすごいなって思いました。
川上:私は“疾走感”がすごく好きですね。あとNMB48って大人数のグループなので、ソロパートで歌う箇所がなかなかないんです。なので、一人の歌声が聞こえることがすごい新鮮で、少人数ならではの楽しみ方があるんだなって思いました。
上西:NMB48の曲とはまた違った楽曲と歌割だと思いますし、私は普通に「めっちゃ良い曲やな」って思いながら普通に聞いていたら、「これわかぽん(安部)が歌詞書いたんだよ」って後から教えられて、「え、すごい!」ってなりました。
泉:NMB48のキャプテンの小嶋花梨ちゃんが、私たちの完成した歌声聴いて、「怜ちゃんが楽しそうに歌ってる」って言ってました(笑)。
■出演を通じてそれぞれが得たもの・・・「悩むことは悪いことじゃない」(山本望叶)
――今回「テトラ」を演じたことで、現役アイドルとしての“学びや気づき”などはありましたか?
泉:私はリーダーっていう役柄として、一人ひとりのことをしっかり見ようと思いながら演じたので、視野が広がった気がします。みんなのことをしっかり見られて、ちょっとそれが活動に活きればなと思っています。
川上:私はアイドル12年目で、長年やっていたら “一生懸命さ”を忘れてしまいそうになったり、“こなれ感”が出てしまいがちだと思うんですけど、萌ちゃんが「テトラ」にいる時に見せる一生懸命さや負けず嫌いな部分とか、そういう気持ちをまた改めて思い出しました。
上西:私は普段の活動だと、どんな小さいことでもすごく悔しい気持ちになるので、「心から楽しむっていうのはあんまりできてなかったのかな」って思いましたね。でもあかりちゃんはどんな時でも素の自分をさらけ出して、元気で、どんな時でも楽しんでいるんです。「こうやって何も考えずに楽しむっていうのもすごい大事なんやな」と気づかされました。あと「テトラ」のメンバーからも愛されてるのがすごい良いなと思ってたので、撮影の期間を通してNMB48での自分自身も、ちょっと明るくなれたなと思います。
――山本さんは主演でプレッシャーもあり大変だと思いますが、作品を通じてNMB48に活かせることは何かありましたか?
山本:ドラマの中の話ではないんですが、スタッフさんや皆さんと一緒に「こうしよう、ああしよう」と悩みながら一つのものを作り上げていくことがすごい楽しかったんです。NMB48でもその気持ちを忘れずに、やっぱり大人数だからこそ皆で一つにならないといけないと思ったので、全員が同じ方向に向かって進んでいくっていう気持ちは大切だなと思いました。悩むことは悪いことじゃないんだなってわかりました。
■テトラのシーンの見どころは…ムチャ振りの「アドリブ」と「わちゃわちゃ」感
――皆さんは「テトラ」としてドラマの中で“光り輝くところ”を表現していますが、「テトラ」が出演するシーンでの見どころがあれば教えてください。
泉:結構「セリフじゃなくアドリブっぽくして」って言われることが多くて…どんどんあかりがぶっこんでくるから(笑)。それに対して萌と実々花もノッて、サヤはどう対処すればいいんだ…という、4人の「テトラ」だからこそ作り上げる雰囲気が、撮影しながらすごく楽しかったので、その“わちゃわちゃ感”のあるシーンを見ていただけたらと思います。
上西:「アドリブで」ってお願いされるシーンがあかりには多くて、「良い感じに適当に歌ってほしい」みたいなことも言われました(笑)。それで、1回だけだと思ってたら、ずっと同じカットで何度も歌を歌うことになったんですけど、普段NMB48では恥ずかしがっちゃうので(笑)。
川上:しかもテイクごとにちゃんと毎回変えていて、だんだん面白くなっていくんですよ(笑)。
上西:NMB48では本当に仲の良い子の前でしかそういう一面を出さないので、初めてファンの方にも“普段の私”を見てもらえるって思うし、それに戸惑いながらも毎回それにノッてくれる望叶もすごいリアル感があっておもしろいので、注目してほしいなと思います。
■「私の〇〇、最強なので」…テトラメンバーは何が最強?
――本作のメインビジュアルでは「私のメッキ、最強なので」というキャッチコピーが付いていますが、皆さんそれぞれのキャッチコピーとして「私の〇〇、最強なので」を教えてください。
川上:「私の継続力、最強なので」。フィギュアスケートを8年間やってからアイドルになって、12年目に突入しますし、アイドルやってる中で“阪神タイガース好き”っていうのを前面に押させていただいていて(笑)。ずっと続けていたからこそさせていただいているお仕事とかたくさんあるので、SNSでアピールするだとか、“自分の好きなものを継続する力”っていうのは、すごいんじゃないかなって思っています。
泉:私は「私の集中力、最強なので」。よく「集中力すごいね」とか、色々な場面で言ってもらえることが多くて。たしかに自分でも一つのことを始めたりすると周りが見えなくなるくらい没頭することが多いので、良い意味でも悪い意味でも(!?)、集中力はあるのかな。
上西:「私の睡眠量、最強なので」(笑)。「寝て良いよ」って言われたら、前日の夜から夕方の6時くらいまで寝れます。1回起きたら目覚めちゃうんですけど、ほんまに1回も起きなければ、2日くらい寝れますね(笑)。
山本:私の最強は、やっぱり「メッキ」ですね。結構家族といる時の素の自分と、ファンの皆が知っている自分は結構違うと思っていて。もちろん良い意味ではあるんですが、そこはもう“最強のメッキ”かなと思います。
――素の山本さんはどのような感じなんですか?
山本:家族の中で末っ子なので、めちゃくちゃ甘えん坊ですね。でも、それを出してしまうとキャラがぶれるので、絶対ファンの人には見せられないです(笑)。
■NMB48では見られないアイドル姿にも注目
――NMB48と「テトラ」ではアイドルとしての規模感が違うと思いますが、役を演じ分けるのは難しかったですか?
川上:でも普段NMB48劇場で200~300人規模での公演をさせていただいいているので。そういった意味では、撮影でやることは私たちがずっと学んできた基礎を発揮するという感じでしたね。それに加えて、それぞれのキャラに合ったポーズをしたりとかもしました。
上西:衣装は結構戸惑いましたね。あんまり普段こういうフリフリな感じの衣装を着ないので。
川上:NMB48にはない“メンバーカラー”がテトラにはあるんですけれど、私は普段絶対着ないピンクで…「似合うのかな?」って思っていました(笑)。
泉:(川上)千尋さんそれずっと言ってましたね(笑)。
川上:ツインテールもハタチくらいからしていなかったので、ステージに立って、その不安はありましたね。
――最後に、視聴者に向けてのコメントをお願いします。
山本:このドラマは、アイドルとファンの恋愛と成長の物語なんですが、アイドルにもいろいろな葛藤とかがあって、一生懸命生きる姿を描いています。“生きる難しさ”も伝わってくる作品なので、そういうところにも注目していただければと思います。そして「テトラ」のみんなでいる時の、すごい和やかなで楽しい雰囲気もぜひ楽しんでください。
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