NMB48・安部若菜による小説『アイドル失格』の実写ドラマが、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて2024年1月13日(土)より放送中。NMB48・山本望叶が主演を務め、作中のアイドルグループ「テトラ」のメンバーはNMB48川上千尋上西怜、泉綾乃が演じる。原作の「アイドル失格」は、安部若菜が書籍編集者に直接プレゼンをして、実現した企画だという。その書籍執筆当時、発売に向けて日々奮闘する2022年の様子を振り返る短期集中連載「アイドル失格、始まります」をお届けします。

【写真】他メンバーのトマトを嬉しそうに掲げる安部若菜

■#2「現実と虚構の境目」2022年07月07日

こんにちは!NMB48の安部若菜です。

小説『アイドル失格』発売に向け、現在(※2022年当時)も執筆を進めておりまして、かなり〆切に追われています……笑

今回は、私が執筆するにあたり特に意識している部分について書きたいと思います。

当然ですが、アイドルをテーマにした作品である以上は「自身がアイドルである経験をどう反映させるか」という点は作品の肝ともなります。

握手会やライブ、撮影などアイドルの仕事は多岐にわたりますが、その現場での様子は出来るだけ詳細に描くことを心掛けました。

物語内のアイドルグループ「テトラ」は4人組グループなので、私の所属するNMB48(現在は四十数名 ※2022年当時)とはかなり状況も違いますが……。

ちなみにNMB48だと「自分のごはんには必ず名前を書く、名前を書いていなかったら勝手に食べられても文句は言えない」という暗黙のルールがあります。現に私も、楽屋の冷蔵庫にあった誰かのトマトを勝手に食べながら書いています。

テトラのメンバーのプロフィール、衣装、どんな楽曲を歌うのかなど、自分の考えたアイドルグループを動かすのはとても楽しかったです!

ある種アイドルプロデュースとも言える作業ですが、4人の中に個人的な推しメンも出来てしまったり……。

きっと作品を読んだら、皆さんにも推しメンが出来るのではないかと思います!

楽屋でのメンバー達も、私が普段過ごす楽屋を想像しながら書きました。

「ファンとの恋愛」という中々起こり得ない展開がある分、他の場面では私にしか描けないリアリティを追求しました。

ただ、私は大阪府出身でNMB48も大阪のグループなので、普段は関西弁で話しています。ですがテトラは東京のグループの設定のため、話し言葉にはすごく苦労しました……

知らず知らずのうちに関西弁になっていて「なんでやねん!」とツッコませてしまったり、「〇〇やで!」と言ってしまったり……。

他にも馴染みすぎて関西弁である自覚もない言葉も多いため、今後修正を頑張ろうと思います。

主人公の実々花をはじめ、テトラのメンバーが皆さんに愛してもらえるキャラクターになれば嬉しいです!

==安部若菜 (あべ・わかな)==

大阪府出身、NMB48のメンバーで、現役大学生。

性格は内向的で、小さい頃は友達が出来ず、本が友達な幼少期を過ごす。

毎日図書室に通い、1年で100冊程の小説を読んでいた。特に好きな本は、自分の想像力次第で世界が広がるファンタジー小説が好きで、小学生の頃の愛読書はミヒャエル・エンデの『はてしない物語』。本を読み続ければ、いつか本の世界に入れると本気で信じていた。

中学、高校と進学するも、学校に行かなくて済む方法を考えながら日々過ごしていた。アイドルなら学校に行かなくて済むのではないかという考えと、アイドルが好きだった憧れからオーディションを受け、2018年1月、NMB48に合格する。

小説、落語、投資と様々なジャンルで積極的に活動の幅を広げており、今後も”100通りの楽しみ方ができるアイドル”として活動中。

「アイドル失格」原作者のNMB48・安部若菜/※提供写真