2023年4月にテレビアニメ第1期が放送され、SNSなどを中心に大きな話題を集めた青春初恋ラブコメ僕の心のヤバイやつ」。「僕ヤバ」の愛称で親しまれる本作待望の第2期が1月からスタートした。これからますます盛り上がっていく放送に向けて、多数のファンを生んだ本作の“ヤバイ”魅力について振り返っておきたい。

【写真を見る】なりゆきで山田の家でお風呂に入ることになった市川

陰キャ×陽キャの尊い組み合わせ!中学生らしい初恋が描かれる「僕ヤバ

桜井のりおが手掛ける漫画「僕の心のヤバイやつ」は、2018年に「週刊少年チャンピオン」で始まり、現在はWEBコミック配信サイト「マンガクロス」に移籍して連載中。単行本の累計発行部数はなんと400万部(2023年12月時点)を突破!X(旧Twitter)でも、原作者の桜井がショート漫画や1枚絵などを投稿するたび、ファンがお祭り騒ぎとなる光景もよく見られる。

主人公は極度の中二病陰キャな少年、市川京太郎(声:堀江瞬)と雑誌モデルもしているスクールカースト最上位の美少女、山田杏奈(声:羊宮妃那)。本作は中学生の2人が送るピュアな“初恋”ラブコメ作品だ。陰キャと陽キャ、正反対な市川と山田がどんどん惹かれ合っていく、中学生らしさ満載の初々しく甘酸っぱい初恋に胸を射抜かれたファンが続出している。

中二病をこじらせた主人公、市川の魅力

近年、ぼっちコミュ症な陰キャ属性を持つ主人公やヒロインがアニメで大人気。「あるある」と共感できる人間味あふれるポイントが多かったり、そんなキャラクターが陽キャと組み合わさることでかわいさやコミカルさが爆発したり、ここ数年でコミュ症キャラの魅力に気付いた人は多いはず。そう、「僕ヤバ」の主人公、市川もその属性に当てはまる。

中学2年生にしてしっかりと中二病を患っている市川は、学校では図書室に入り浸って独りで本を読んでばかりいる典型的な陰キャ少年。ちょっぴり(?)猟奇的な妄想癖も持っており、「殺人大百科」や「解剖図」が愛読書という一面も。そのせいで、自分を周囲の人とは違うと思っているところも中二病らしさ満点だ。

スクールカーストの底辺を自認する市川は、自身とは対照的な明るい性格で人気者の美少女、山田杏奈には屈折した想いを抱いている。実は教室でもたびたび彼女のことを目で追っていたり、彼女で変な妄想をしたり…。山田が自分たち陰キャのことを見下していると思い込んでいるのも、ひねくれ者な彼らしさだ。

ただ、変な妄想をする自分を嫌悪したり、ひねくれながらも他人を気遣える優しさを持っていたりするのが市川のいいところ。特に、内心では複雑な想いを抱えながらも、山田に対して発揮されるフォロー力やさりげない気遣いが彼の魅力を高めている。

■進展する市川と山田の関係に止まらない胸キュン!

交わらない存在のはずだった市川と山田。しかしある日、学校の図書室で山田がおにぎりを食べていたことをきっかけに、2人の日常が交錯してしまう。いままで陰キャを見下していると思っていた山田が、実は食いしん坊で天然マイペースな“おもしれー女”だったのだ。しかも陰キャな市川とも当たり前のように接してくれることに気づいてしまい、市川の情緒はとんでもないことに…。

この日を境に山田との接触が増え、彼女の予測不能な言動を観察し、振り回されながら複雑な想いを加速させる市川。根暗で自己肯定感の低い彼が、山田からの(仲を深めようとする)アプローチを深読みしては「そんなはずはない」と悶え、斜め上の解釈をしてしまう様子がとにかくコミカル。

そんなやり取りを繰り返すうちに、山田も市川が自分をフォローし、気遣ってくれていることに気づき、市川のほうも彼女への想いが恋心になっていることを自覚していく。市川の視点を中心に丁寧かつ繊細に描かれる、少しずつ恋へと発展していく初々しい2人の恋模様に毎話胸キュン!「僕ヤバ」は初恋を思わず応援したくなる、初恋応援系ラブコメの極致と言えるのだ。

■テレビアニメ第2期の市川と山田からも目が離せない!

テレビアニメ第1期では、紆余曲折を経てLINEを交換したり、クリスマスイブにお出かけをしたり、初詣に行ったりと少しずつ距離を縮めていった市川と山田。先日放送の第13話(第2期の第1話)でも2人の学校での交流がみずみずしく映しだされ、冬休みに腕を骨折した市川を山田がサポートしようとしたり、その原因が自分のために雪景色の写真を撮ろうとしたためだったことを知って少し関係がギクシャクしてしまったりと、初々しさは相変わらず。そして終盤で、山田が市川を自宅に誘うところまでが描かれた。

女子の自宅に(おそらく)初めて足を踏み入れることになる市川の運命はいかに?クリスマスの次はバレンタインやホワイトデーと、ラブコメが捗るイベントもまだまだ続くはず。2人の恋路が第2期ではどんな新展開を見せるのか、ぜひその行く末を見守っていきたい。

文/リワークス(加藤雄斗)

「僕ヤバ」こと「僕の心のヤバイやつ」の魅力を再確認!/[c]桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会