途中投入で起爆剤としての活躍が期待された上田。しかし、この稀代の点取り屋も悪い流れを変えられずに終わった。(C)Getty Images

 文字通りの完敗だった。現地時間1月19日サッカーアジアカップカタールの首都ドーハで行われ、グループDの日本代表は1-2でイラク代表に敗戦。決勝トーナメント進出を決められなかった。

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 森保ジャパンはアジア制覇に向け、課題を露呈した。開始5分、アル・ジャシムのクロスをGKの鈴木彩艶が弾いたところをアイメン・フセインに頭で決められて先制を許すと、前半終了間際にもA・フセインにふたたびゴールを割られた。

 守備の混乱からビハインドを追った日本は後半に攻勢を強めた。61分に堂安律上田綺世を投入して一気呵成に攻め立てた。しかし、バイタルエリア付近でブロックを敷くイラクの強固な守備網をなかなか崩せず。後半アディショナルタイム遠藤航のヘディングで1点を返すのが、やっと……。無念のタイムアップを迎えた。

 優勝候補の一角である日本を打ち破ったイラク。死闘を制した彼らの奮闘ぶりには、母国メディアも歓喜に沸いている。ニュースサイト『Aljazeera』は「メソポタミアライオンイラク代表の愛称)は、日本から重大な勝利を挙げた」と絶賛。また、中東全土にネットワークを誇るニュースサイト『Sport360』は「イラクは日本から感動的な勝利を挙げた」と強調した。

 また、日本敗北のニュースはアジアの各国メディアにも広まった。サウジアラビアの日刊紙『Al Riyadiah』は「イラクが巻き起こした突風は、国民の期待を集めた日本の試みを吹き飛ばした」とリポート。「彼らの敗戦は今大会最初のサプライズであり、日本は困難な道を避けることはできなくなった」と伝えている。

 日本がアジアカップのグループステージで敗れるのは、1988年カタール大会で開催国に喫して以来の出来事。そうした歴史的な背景と両国の地力の差を考えても、ショッキングな敗北だと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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