倍速視聴」や「切り抜き動画」、ネットスーパーの利用など、エンタメから衣食住まで“タイムパフォーマンス(通称:タイパ)”を重視した生活を送る人が増えている昨今。そんな中、アプリで無駄な時間をどんどんスキップして効率のよい人生を送る主人公・大我の姿を描いたあらふじぺす( @rps0423_oekaki )さんの漫画「タイムパフォーマンスを極めた人の話」が話題を集めている。今回、あらふじぺすさんにインタビューを敢行。制作の裏側について話を聞いた。

【漫画】本編を読む

■作者の本音は「大我とは仲良くなれなさそう」?

本作を描こうと思ったきっかけについて、あらふじぺすさんは「『世にも奇妙な物語』シリーズが好きなので、その中にあっても違和感がないような作品を描きたいと思ったからです。『これができたらいいな』『でも実際はこういう弊害があるだろうな』でネタ出しをすることが多いので、本作も『人生長すぎるなぁ…スキップできたらいいのになぁ…』というところから考えました」と明かす。

さらに、「本作は『このページを描きたい!』から描いたものでもあるので、該当ページがどこか伝わっていればうれしいです」と、まさにきっかけとなる1ページが存在することも教えてくれた。それがどのページなのか考えながら読み進めていくのも楽しそうだ。

本作を描いていて苦労した点を尋ねると、「後半のネタバラシの部分です。説明不足かな?蛇足かな?の塩梅が難しかったです。説明しすぎると『今際の際によく喋るな…』という印象になるし、説明が無いと『今のどういうこと?』と疑問が残り読後感が悪くなってしまうので苦労しました。頂くコメントを見る限り、本作は多分きっとおおよそ大丈夫そうです!」と、本作で描きたかったことはしっかりと読者に届いていた様子。

「無駄な時間はとことん排除したい」という、大我のような“タイパ重視”の考え方をどう考えているのだろうか。あらふじぺすさんは、「このお話の結論は、最初に大我に向けられた愛希の言葉だと思っています。なので、私自身もつまらない映画を観て『つまらなかった』と言う無駄な時間の方が人生の重要な部分だと感じるので不要とするのは惜しいです。先にネタバレだけを見て『つまらない映画』と評価する大我とは、仲良くなれなさそうです…」と、素直な思いを明かしてくれた。

取材協力:あらふじぺす(@rps0423_oekaki)

大我はアプリで「正解の人生」を突き進んでいくが…/画像提供:あらふじぺすさん