雪道を走る際は、スタッドレスタイヤなどを装着している場合でも、万一に備えタイヤチェーンを携行するよう呼びかけられています。ただ、どのタイヤに付けるかは、要確認です。

チェーンは駆動輪に装着!

あまり雪が降らない首都圏などで大雪となるとニーズが高まるのがタイヤチェーンです。一方、雪道を走る場合は万一に備え、スタッドレスタイヤなどを装着していても、タイヤチェーンの携行が呼びかけられます。いざというとき、タイヤチェーンを「どのタイヤに付けるか」は、知っておくべきかもしれません。

というのも、クルマの駆動輪以外にチェーンを装着してしまうと、ほとんど意味をなさないとも言われるからです。

クルマの駆動方法は大別してFFとFRがあります。FFは前輪駆動つまり前のタイヤが動くタイプで、FRは後輪のタイヤが駆動します。この駆動輪にチェーンをつけなければなりませんが、もしかすると自分のクルマがFFかFRかすら認識していない人もいるかもしれません。

JAF(日本自動車連盟)が2018年12月、駆動輪以外にチェーンを装着して実験したところ、誤ったタイヤにチェーンを装着したクルマは、圧雪された勾配12%の坂をスリップして登れなかったそうです。また旋回テストでも、FF車では操舵輪である前輪が滑ってしまい、走行ラインが外側に大きく膨らんでしまったといいます

まずは自分のクルマがFFかFRかを確認するのが先決。今では車検証を確認しなくても、車種さえわかれば、自動車メーカーのホームページ上でもすぐに確認が可能です。

ただ、常に4輪駆動であるフルタイム4WDの場合はややこしくなります。2輪駆動から4輪駆動に切り替えられるパートタイム4WDでは、基本的に2輪駆動のとき駆動輪になっている方のタイヤにチェーンを付けますが、フルタイム4WDの場合、元のクルマがFFベースかFRベースであるかで、前後の駆動の配分割合が違ってきます。「多くの場合はクルマの取扱説明書に「チェーンは〇輪に着けてください」と説明があるようです。

ほかにも、スポーツモデルの場合、ボディーとタイヤの隙間が狭く、「チェーン取付不可」とされている車両もあります。トヨタ「ハイエース」や日産「NV350キャラバン」などのワンボックスカーも、チェーンの種類によっては装着できません。

ちなみに、教習所で付け方を習っていないという人も多く、駆動輪にちゃんと付けたとしても、緩み止めとなるゴムバンドや巻き上げ器を正しく使用せず、走行中にチェーンが緩んでしまうというトラブルも国民生活センターに寄せられています。

チェーンを装着したタイヤのイメージ(画像:PAKUTASO)。