アメリカでは最近、動物のキャラクターの着ぐるみを着て、人間の性格や特性を持たせる「毛皮族(ファーリーズ)」というサブカルチャーが流行っている。
学生たちの間でも人気で、動物の着ぐるみを着て登校してくる生徒たちもいる。アメリカの公立学校は基本的に制服はなく、好きな恰好をすることができるが、これだけは許しがたかったようだ。
オクラホマ州の議員は、もし生徒が動物を模した格好をして学校に来た場合は、直ちに保護者が迎えに来て帰宅させるか、それができなければ動物管理局に連行するという法案を提出し、注目を集めている。
【画像】 着ぐるみを着て登校することを禁ずる法案が提出される
1月16日、オクラホマ州議会議員であるジャスティン・ハンフリー氏は、同州の公立学校で擬人化された動物のキャラクターになりきる「毛皮族(ファーリーズ)」の生徒たちを対象にした法案を提出した。
ハンフリー氏の法案(下院法案3084)は、「想像上の動物や動物種を名乗ったり、着ぐるみを着てファーリーズとして擬人化行動をとることを学校で禁止する」というもので、もしこの規則を守らなかった場合、授業や学校行事への参加が禁止される。
この法案では、着ぐるみを着て登校してきた生徒は、保護者が学校まで迎えに行くことが義務付けられている。
もし保護者が迎えに来られない場合は実際の動物を扱う「動物管理局に通報し、生徒を退去させる」としている。
ファーリーズの生徒
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動物としてふるまうなら、動物として扱う
ハンフリー氏は近年、オクラホマ州で刑務所改革、死刑制度改革、農村開発などを提唱し、注目を集めている人物だ。
この法案を提出したことで、人々は私を非常識だと呼ぶでしょう。しかし、私は彼らの方こそ非常識だと言いたい。
動物が学校に来るのであれば狂犬病などのワクチン接種を受けさせる必要があります。去勢や避妊手術も必要です。。
動物になりたいのなら、動物病院送りにして家に帰せばいい。学校は犬や猫にどうやって数学を教えるというんですか?
この法案を提出し、問題に対処できることをうれしく思います。
この共和党議員は以前、州内にビッグフットの狩猟シーズンを設けることを提案したことがあるそうだ。
今回の法案においては、毛皮のような行動の定義や、どのような動物的な物言いや服装をしたら子供が教室から追い出されるのか、その目的や存在理由についてはハンフリー氏は詳しく説明していない。
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だが以前には、子供たちが動物として認識することを抑止するためだと同氏は語っていたようだ。
学校で着ぐるみ禁止の提案は物議を醸し中
アメリカには毛皮族を自認する人が25万人いると推定されている。
そのサブカルチャーのメンバーは、動物を擬人化したキャラを演じることを楽しんでいるという。毛皮族同士の交流会も頻繁に行われているようだ。
ハンフリー氏のこの提案は、現在物議をかもしているようだ。
この法案は、議員たちが本当に集中すべきこと、つまり州の教育システムの改善から目をそらしているというのだ。
この法案は絶対に馬鹿げている。子供が親に迎えに来てもらうか、動物管理局を呼ぶかだって?一体どういうことだ?
動物管理局の時間を無駄にしているだけじゃないか。
このように、ハンフリー議員の意図が理解できないという非難の声があるが、もしこの法案が可決されれば、今年11月から施行されるということだ。
References:Oklahoma lawmaker wants animal control to take furries from public schools: ‘Send them to the pound’ / written by Scarlet / edited by parumo
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