火星人がいるのならスタートレックのファンなのかもしれない。火星で宇宙艦隊の紋章(スターフリート)そっくりの岩石が見つかったからだ。
左右非対称で鏃(やじり)の形状をしているのが特徴で、あのロケットをアイコンにしたような三角形のやつだ。
これを撮影したのは、NASAの火星探査車「キュリオシティ」だ。火星での4062日目となる1月9日、アイオリス山の登山中に車載カメラがそれをとらえ、ジェット推進研究所(JPL)のサイトに投稿された。
例え岩石でもSFファンなら思わずニヤリとする発見だろう。
キュリオシティから送られてきた火星の画像に宇宙艦隊の紋章が写っていることに気づいたのは、アマチュア天文学者のスコット・アトキンソン氏だ。彼は自身のX(旧Twitter)で、こんなふうに紹介している。
「キュリオシティのチームにスタートレック・ファンがいたら、この画像を見て、チェシャ猫のようにニヤリとしただろうね」
I bet the Star Trek fans on the @MarsCuriosity team smiled like Cheshire Cats when they saw this new image appear on their screens... :-)
— Stuart Atkinson (@mars_stu) January 10, 2024
Image Credit: NASA/JPL-Caltech pic.twitter.com/SdWyq4Sc5P
火星に到着して12年目を迎えるキュリオシティは今も現役
2012年8月6日に火星に到着したキュリオシティはそれ以来、赤い惑星に生命が存在しえたのかどうかを裏付ける証拠を探し続けている。
その長期ミッションの一環として、現在キュリオシティがいるのが、ゲール・クレーター中央にある「アイオリス山(シャープ山)」だ。そこには大昔に流れていた水の痕跡が残されているかもしれない。
NASAのブログよると、アイオリス山の各地層は、火星の異なる時代を表しているのだという。
キュリオシティはそんな山を登り、それぞれの時代に地形がどのように変化したのかを知る手がかりを集めているのだ。
当面の目標のひとつは、火星の「軌道から観測されている暗い帯の組成と質感」を調べることだそう。
そのために、キュリオシティは「暗い色調の岩盤の平らなブロック」から科学的なデータを収集しようとしている。写真はその最中に撮られたものだ。
Sol 4062: Left Navigation Camera / image credit:NASA/JPL-Caltech
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なお火星では2019年にもNASAの研究者がスタートレックの紋章そっくりの地形を、南半球にあるヘラス平原で発見しており、宇宙好きの人はスタートレックファンが多いようだ。
なお、ゲール・クレーターとはまた別のジェゼロ・クレーターでは、2020年に火星に到着した探査車「パーサヴィアランス」が調査を行っており、こちらでも興味深い発見がなされている。
written by hiroching / edited by / parumo
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