コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。漫画家やイラストレーターとして活躍する山本四角さんが描いた作品『約束のまんが』を紹介する。
【漫画】魔王の店長に恋をした店員…厄介な客を前に見せた店長の華麗なプロレス技に「かっこよすぎる」「惚れた」と反響続出
11月26日、同作がX(旧Twitter)上にポストされると、3万件以上の「いいね」が寄せられた。作者である山本さんにインタビューをおこない、同作が生まれた背景や注目のポイントついて語ってもらった。
■好きになった相手は魔王!?
「私…店長のことが好きっス」と告白する女の子・灯里(あかり)を前に「承った」と二つ返事で答える店長。びっくりする灯里に向かって、「魔王(オレ)の99人の妃(きさき)どうし決して傷つけ合わぬように…」と奇想天外な“約束”が提示された。その時、「ジャランジャラン」と朝のアラームが鳴り、灯里は自宅のベットで起きる。夢の中の出来事だったようだ。
朝のストレッチをしてから職場に出勤し、現実の店長と挨拶を交わした灯里。店長のことを「たぶん『魔王』らしい」と思いながら喫茶店の開店準備をする店長の様子を見ても、魔王とはとても思えなかった。
開店した喫茶店の店内では元魔王討伐軍を自称する商人が、何も知らない一般人に怪しい教材を売りつけようとしていた。さっそく店長が介入するも、暴力的な反撃に手も足もでない様子。なぜなら就業規則に「本気の《攻撃》ができない」という誓約が書かれているからだった。
そうこうしているうちに、灯里も商人に捕らえられてしまう。絶対絶命のピンチに、さすがの店長も焦りを見せ…。
店長の漢らしさが描かれた同作には、「店長がかっこよすぎる」「華麗なプロレス技に惚れた」といった声が多数寄せられている。
■ストーリー構想や説得力ある描写にこだわりぬいた作品
――『約束のまんが』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
このシリーズ自体が1つの舞台でずっと展開される「ワン・シチュエーション」ものを想定して描き始めたものでしたが、それならば何故キャラクターがこの場所(喫茶店)にこだわるのか、この場所でストーリーが展開されるのか、といった背景をいつか描きたいとずっと考えていました。
それらがすべて「約束」という言葉に集約されると気づいた時、若干エモいお話にまとめられそうだなという確信が得られたので、今回のお話を描き始めました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。
上記のような限定された空間・ルールの中で、本来は強大な力を持っているであろう魔王が苦労しつつどうやって状況を打破するのか…という制限バトルのような側面と、それをおバカなオチでひっくり返すという構成にこだわりました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
やはりプロレスシーンに突入して、「欺瞞…」と突っ込むまでの流れは自然にできあがったので気に入っています。最後店長と女の子の会話シーンも、当初よりページを増やしてじっくり描けたのでひとまず満足しています。
――灯里と店長との関係も注目の同作ですが、すでに最終的に2人がどうなるかまでは考えているのでしょうか？
直近の展開は決まっているのですが、最終的な結末は3パターンくらいから決めきれていません。やっぱり魔王と普通の女の子なので、素直に幸せになるとは考えづらいですし…。そこまで続けられるかはわかりませんが、いったんは直近の区切りにむけて2人をいい感じにできればいいなと考えています。
――個人的に店長のプロレス技の描写が気に入っているのですが、山本さんはプロレスがお好きなのでしょうか？
実はあまり詳しくなく、中高生時代に深夜テレビで見ていたくらいです。それなりに説得力のある描写にするためにいろいろ調べた結果、そうした質問がいただけたのだと思うと、職業絵描き的には嬉しいです！
――今後の展望や目標をお教えください。
引き続き現シリーズ「喫茶ニュー魔王城(仮)」を描き続けて、書籍などひとまとめに読んでいただける状態にするのが目標です。それとは別に、新規の読者さんに喜んでいただけるような読み切りのネタも少しずつ排出できるようになりたいですね。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！
実は2024年1月12日発売の「月刊コミックビーム2月号」にて新作の読み切り「ウシとラビリンス(22p)」を載せていただけることになりました！
全く初見でも気軽に読める内容ですが、今まで描いたまんが『BEASTRINGS』『喫茶ニュー魔王城(仮)』と同様の世界観で描いたつもりなので、気になる方はぜひコミックビームをお手に取ってみてください。電子書籍もあります！
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