原田泰造が主演を務めるドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)の第3話1月20日に放送された。誠(原田)が大地(中島颯太)と行った銭湯である気付きを得たようすが描かれ、こちらも晴れやかな気分になった。(以下、作品のネタバレを含みます)

【写真】並んで風呂に入る原田泰造“誠”&中島颯太“大地”

■偏見だらけの“おっさん”が古い常識のアップデートに奮闘

同作は、練馬ジムの同名漫画が原作のホームコメディー。「男は男らしくあるべき!」という古い価値観を持つ沖田誠(原田)は、家族からは「堅物」と嫌われ、デリカシーのない言動で会社の部下からも敬遠されている。

そんな偏見だらけの“おっさん”である誠に、二回り以上年下のゲイの友達ができたことで、これまでの古い常識がアップデートされていく。愛する家族のため、そして、周囲の愛すべき仲間たちのため、誠の奮闘劇が始まる。

物語を導くゲイの青年・五十嵐大地を中島颯太(FANTASTICS)が演じる他、誠の息子でアップデートのきっかけとなる一言を誠にぶつける息子・沖田翔役を城桧吏が、デリカシーのない誠に反発する大学生の娘・沖田萌役を大原梓が務める。

また、昭和世代からは、大地の母親・五十嵐美穂子役に松下由樹、堅苦しい夫を半ば諦めていた妻・沖田美香役に富田靖子と演技派2人がそろい、大人の女性目線からも昭和のダメオヤジを叱咤(しった)激励する。

■誠と大地は銭湯に行くことに

昭和生まれの51才・沖田誠はそのデリカシーのない言動のせいで家族や会社の部下たち、さらには愛犬のカルロス(こまち)にまで嫌われていた。ある日、誠は引きこもっている息子・翔の部屋にいる五十嵐大地がゲイであることを知り、思わず翔の部屋に入って大地を否定してしまう。そんな誠に対して、翔は「僕は…お父さんみたいな人には絶対なりたくない!」と冷たく言い放つ。

家族のために頑張ってきたつもりの誠だったが、何をどうすればいいのかすら分からない。そんな苦悩を抱える誠に大地が声を掛け、大地との交流によって誠は意識を変える決心をする。

なりゆきで大地と銭湯に行くことにした誠は、ふんどしやビキニなどそれぞれが思い思いに履いている個性豊かなパンツに面食らう。

■誠「そうだよ、おっさんのパンツがなんだっていいのと同じだ」

誠と大地は湯船に浸かりながら、性的指向は個人的なことであって他人には関係ないという話をする。

風呂から上がって脱衣所で誠は大地から買い置きのパンツとシャツを受け取る。誠は感謝しつつ派手なことに内心驚くが、「でも、おっさんのパンツなんて誰も気にせんか」と心の中でつぶやいてパンツを履く。

何かに気付いた誠は「はっ!そうか」と言って、大地に聞かれると「パンツだよ。下着なんて個人の自由で好きなもの履けばいい。誰の迷惑にもならないし、そんなプライベートなことは他人には関係ない。その人の心の性別がどうとか、誰を好きになるかなんてことも誰にも迷惑はかけない。だから好きにすればいい」と確信を持ったようで頷きながら答える誠。

派手なパンツを履いた誠は向き直って「そうだよ、おっさんのパンツがなんだっていいのと同じだ」と言って腰をパンッとたたき、「どうだろ、あってるかな?」と大地に伺いを立てる。大地は「少なくとも俺はそう言われるとホッとします」と笑顔で答え、「うん、そうか」と誠も晴れやかに笑うのだった。

誠がタイトル回収となる気付きを得て晴れやかに笑う姿にこちらも爽快な気分になった。

◆構成・文=牧島史佳

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」第3話より