TVアニメ「ゆびさきと恋々」(毎週土曜夜22:30-23:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラスTVerほかで配信)の第3話1月20日に放送された。雪と逸臣の距離が急速に近づいたコインランドリーのシーンに、視聴者から「尊い」の声が挙がっている。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】逸臣(CV:宮崎遊)に手話を教える雪(CV:諸星すみれ)

■TVアニメ「ゆびさきと恋々」とは

ゆびさきと恋々」は、「月刊デザート」(講談社)にて連載中の、森下suuによる同名漫画のアニメ化作品。聴覚障がいのある女の子・雪と世界を旅する大学の先輩・逸臣のピュアラブストーリーがSNSを中心に反響を呼び、累計発行部数380万部突破(電子含む)、「第11回ananマンガ大賞」「このマンガがすごい!2021」などの数々の賞にランクインしている。

アニメーション制作を亜細亜堂が手がけ、監督・絵コンテを村野佑太、キャラクターデザインを酒井香澄、音楽を橋本由香利が担当。糸瀬雪役は諸星すみれ、波岐逸臣役は宮崎遊が務める。

■加速していく雪の恋

恋は恋と自覚した瞬間から加速していく。相手のことを知りたくて、自分のことを知ってほしくて、はやる気持ちが止められない。空からとめどなく降り、深々と積もる雪みたいに、雪の逸臣に対する気持ちもどんどん大きくなっていった。

逸臣が働くロッキンロビンを再び訪れた雪。その際、彼女は手話に興味を持ってくれている逸臣のために作った“手話ノート”を渡す。そこには様々な手話単語が丁寧にイラストで描かれていて、雪の自分を知ってほしいという思いがひしひしと伝わってきた。

それは一方的じゃなく、逸臣もまた雪を知ろうとしている。雪の補聴器がハウリングしたのをきっかけに、次々と疑問をぶつける逸臣。京弥(CV:逢坂良太)がそのデリケートな質問に慌てる場面が印象的だ。逸臣は聴覚障がいを持つ雪のことを腫れ物みたいに扱わない。雪がどういう世界で生きているのか、純粋に興味を持ってくれている。雪にはそれが嬉しかった。

そんな中、お店に酔っ払った男女がやってくる。サングラスをかけた少しチャラい心(CV:畠中祐)と、雪が思わず綺麗で驚いたエマ(CV:東山奈央)。彼らは逸臣の高校時代の同級生だった。しかし、友人にしてはエマと逸臣の距離が近い。それにエマが逸臣を見つめる目に、雪は覚えがあった。恋をしている人間は、他人の恋にも敏感なものである。

■雪の「もっと仲良くなりたい」に逸臣は?

逸臣とエマの関係は気になるが、雪は自分は自分で頑張ることにした。しかし、その日からなかなか逸臣に会えず、4日後。雪は思い切って逸臣にメッセージを送ると、大学の近くにあるコインランドリーにいると返信が来る。

「もう スタート地点は過ぎた 走り出したから ふりむかない」

会いたい気持ちは止められず、雪が降る夜に家を飛び出す雪。道中、幼馴染の桜志(CV:大塚剛央)と遭遇するも、雪は彼の制止を振り切って逸臣のもとへと走った。

コインランドリーで雪と逸臣は互いの世界を共有する。旅行で訪れたクロアチアの通貨を逸臣からもらい、嬉しそうに眺める雪。そんな彼女から逸臣はいろんなパターンがある「かわいい」という意味の手話を教えてもらう。

「もっと」という単語も。もっともっと逸臣と仲良くなりたい。その気持ちを指先で積み重ねていく雪が愛おしく思えたのか、逸臣は彼女を自分のもとに引き寄せた。雪の耳元で囁いた「Du bist süß」は、ドイツ語で「かわいいね」という意味。もちろん、雪は気づいていないが、顔が近くて思わず照れる彼女の反応を楽しむかのように逸臣は笑う。

胸が張り裂けそうなほどに尊い2人のやりとりに、視聴者から「コインランドリーでの2人きりの時間、デートしてるのかってくらい甘かった」「キュンと尊いと色々しんどい…いい意味で」「指先から全身を使って懸命に気持ちを伝えようとする雪の姿に、訳も分からず泣いてしまった…この大切な想いを表す言葉が私には見つからない」といった感想が挙がった。

◆文=苫とり子

テレビアニメ「ゆびさきと恋々」第3話が放送/(C)森下suu・講談社/ゆびさきと恋々製作委員会