日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)が、イラク代表戦を改めて振り返った。

19日、アジアカップ2023のグループD第2節で日本はイラクと対戦。両者共に勝利すればグループステージ突破となる一戦だったが、完全アウェイの中で試合開始からイラクが押し込む展開に。すると5分に先制点を奪われてしまった日本はなかなか押し返せず、前半終了間際にも失点。後半はチャンスこそ生み出すもののゴールを奪えず。アディショナルタイム遠藤航(リバプール)が一矢報いるにとどまってしまい、2-1で敗戦となった。

この試合に1トップで先発出場した浅野。前後半に決定機があったが生かすことができずに終わった。

試合から時間が経ち21日のトレーニング後にメディア取材に応じた浅野。イラク戦について「時間が経って映像も見たりした中では、試合の中で感じたことがほとんどでした。まずは球際の部分や1人1人の個のところでの球際はチームとしても厳しさを持ってやらないといけないなと思いました」とコメント。「個人的には攻撃になった時にいくつかチャンスがあったと思うので、状況判断などあらゆる場面で改善しないといけないと思いました」と語り、多くの意見同様に局面での弱さと決定機を活かせなかったことを反省した。

次のインドネシア代表戦で勝てば2位になるが、負ければ敗退の可能性もある状況。21日のミーティングでは「主にイラク戦の反省であったり、監督含めてコーチ陣含めて、選手が何を思っているかというところを話しました」とコメント。「チーム全体として感じていることを再確認できたというか、アジアカップの厳しさというのを感じることができたので、次の試合に向けてとにかく準備するということでした」と、インドネシア戦に向けてやっていくだけだとした。

日本の武器であるサイド攻撃はここまであまり生きておらず、特にイラク戦は中央にほとんど人がいないという状況だった。

浅野は「そこに決め事はないですが、攻撃の選手は常にイメージを持っていかないといけないと思いますし、僕自身の考えとしては中に人がいないというのは良くないと思っているので、どんなタイミングで入り方をしても中にいくというイメージがあります」とコメント。「ただ、どのタイミングで上がっていくという準備のところからですけど、クロスも含め、中の入り方含めて難しい試合になったなと思います」と、イラク戦は上手くいかなかったとした。

さらに「イラクは高さもあったので、なかなか簡単にボールが通ってくることはなかったです。クロッサーに向けての厳しさ、中の厳しさは感じた試合ですが、とにかく回数重ねて、全員が高い意識を持って入っていって、合わせる技術と、その回数を増やすだけかなと思います」と語り、繰り返しやっていって形を作る以外はないと語った。

浅野は自身の役割について、どんな時でもボックス内に突っ込んでいくことだとし、「間違いなく前の試合でも感じたのは、入っていく枚数が少ないなというのを感じました。僕は一番前でプレーしているので、ニアに入る役割は担わないといけないと思っています」とコメント。「そこに1枚が入ったときに、2枚目、3枚目がどこに入っているのか。中の状況を確認して入らないといけないと思いますけど、自分は一番前に相手より先に入る。苦し紛れのクロスでも先に触る。特にPKかどうかというシーンが僕のイメージ通りという感じです」と、やるべきことはできていたと振り返った。

後半56分には伊東純也(スタッド・ランス)のグラウンダーのクロスに飛び込みPKを獲得したかに思われたが、オン・フィールド・レビューの結果取り消しに。ただ、浅野自身は動きとして良かったとした。

「ああいうシーンというのは僕としては逃しちゃいけないと思っていますし、増やしていくしかないです。後ろは入ってきてくれと願うしかないですけど、自分がポジション変わった時に、2枚目、3枚目として入るときに、そこを埋められる準備はしないといけないと思います」

実際にPKが取り消されたシーンについては「僕は完全にPKだと思っていました」とコメント。「色々映像を見て思っていることもあると思いますけど、あそこに関しては僕はシュートを打ちに行っていましたし、全くPKを取りに行こうという意識は0%でした。気がついたら転けていたという感じで、100%PKだろうと思っていました」と語った。

ただ、主審の判定は絶対だとコメント。「VAR挟んでPKじゃなかったので、自分の感覚として絶対にPKだと思ったものが違ったので、映像で確認するしかないなと思いました」と語り、自身で映像も確認。「映像を確認してもPKだったなと僕は思いますが、誤審かどうかはどうでも良く、最終的に審判が決めたことが正解。たとえ誤審だったとしても、それも含めてサッカーなので、自分が何ができたかというのは、先にボールを触るとか、やれること、レベルを上げることはまだまだあります」とまだ成長できることがあるとし、「あのシーンに関しては過ぎ去ったことで仕方のないことかなと思います。次ああいうシーンが来た時に必ずゴールを決めるクオリティを上げるしかないなと思いました」と、パフォーマンスを高めていくしかないと語った。

日本では連勝がストップしたことが大きく取り上げられているが、「選手としては何連勝だとか、何試合ぶりに負けたという考え方は誰1人していなくて、そこに捉われている選手は1人もいないです」とコメント。「次の試合に向けて全力で準備して、戦う中で、前の試合負けてしまったので、僕らとしては絶対に勝たないといけない試合を落としてしまったというのは、自分たちがまだまだ足りないということを再確認できたので、イラク戦というのは凄く大きかったと思います」と、課題がより浮き彫りになったと語った。

ただ「緩んでいる選手は誰1人いないですけど、次の試合は状況的にも勝つしかないですし、僕ら選手としてはとにかく次の試合に対してアジアカップがどうのこうのは関係なく、全てを出し切るしかないのかなと。その準備をするための試合になったと思うので、ポジティブに捉えれば、準備をして結果を残せれば、成長に繋がるための苦戦だったと言えると思うので、その準備をしたいと思います」と語り、インドネシア戦に向けて、やれるだけの準備をするだけだと意気込んだ。