1月28日(日)に東京・有明アリーナからABEMA PPV ONLINE LIVEにて国内独占生中継される、アジア最大級の格闘技団体ONE Championship(以下、ONE)の日本大会「ONE 165:スーパーレックvs.武尊」開催に先立ち、本大会でライト級MMA/5分3Rルールにてセージ・ノースカット選手と対戦する青木真也選手のインタビュー動画が、ABEMA格闘チャンネル公式YouTubeで公開され、記者会見で「今回が最後だと思う」と語ったことについて、発言の真意や今回の試合に懸ける想いを直撃した。

【写真】国内独占生中継される「ONE 165:スーパーレックvs.武尊」

■「今の格闘技は“発表会”」

まずはこれまでの戦績をふり返ると、青木選手は「今の格闘技は“発表会”“競技会”であり、プロ格闘技ではない」と昨今の格闘技について語る。この言葉の真意を「客と作り手の質の低下。つまらなくて、意味のない、スクラップのようなコンテンツが量産されるようになった。それを否定しないし、好きにすればいいと思う一方で、俺は自分が求めるクオリティのプロ格闘技をどこまでやれるのだろう?という想いがある」との青木選手の自問に対し、スタッフは「『これが最後の試合になる』と記事になってしまっている」と切りこむと、青木選手は「文脈の読めなさに絶望するよね」と一蹴し、続けて「俺にとっては、『ぜんぜんわかってねぇんだ』『これは言葉が通じていないな』というリトマス紙になった。すごく孤独ですよ。だまされときゃいいんじゃないですか?」と笑みを浮かべていた。

また、スタッフが「この試合、勝てますか?」と尋ねると、青木選手は「勝てたらいいね」と応じ、断言しない理由を、「『勝ってやる!』という欲求が衰えてくるんです。俺を突き動かす原動力は、『自分を認めさせたい』という気持ちだった。だけど、それってどこかのタイミングでなくなりますよね。この気持ちがなくなった俺が、どこに向かっていくのか。すごく興味深い」と自己分析する。

さらに、「相対的な評価から降りた。負けて、相対的な順位が落ちていくことに耐えられない。それに加えて、ほとんどの試合展開が読めるようになり、将棋における“投了”のような『参りました』という状況になることが増えた」と胸の内を吐露し、「ただ、これは将棋ではなく、格闘技。理屈だけではなく、あきらめずにがんばる。これを最後の課題としてやりたい」と意気込んだ。

最後に、スタッフが「青木さんのファンは何に期待すればいい?」と問いかけると、青木選手は「テメェで見つけろと思う」と伝えた上で、「あのさ、今の社会問題って、全部、これなの。すがるものがなくて、“推し”という文化にしてる。『推しは青木真也』というヤツがいたら、『辞めろ、くたばれ』って言うね。ファンには心の底から感謝してるけど、あくまで青木真也青木真也で、お前じゃねぇんだよ。いつまでも戦いを求め続けられても、俺はお前らにつきあわねぇ」とファンの心をゆさぶる言葉を放ち、「俺が1月にこの試合終わってから、どうなるのか。すげぇ楽しみなんだよな」と締めくくった。

激白

「俺の孤独と絶望、わかる?」

最後の闘い青木真也、誇りと意地のすべて

記者会見での「今回が最後だと思う」の真意について語る青木真也選手/(C)AbemaTV,Inc. (C)ONE Championship