ヨシ!」ではなかった…。

ちょっとのミスで約6億円の修理費用が…

アメリカ軍のほか、日本の航空自衛隊でも運用されているF-35ライトニング II」のとある事故に関しての報告書を、アメリカ空軍事故調査委員会が2024年1月18日に公開しました。

この事故はアリゾナ州にあるルーク空軍基地で2023年3月15日に発生しました。整備を終えエンジンを始動し地上滑走に入ったF-35Aから、突如、異音と振動が発生したようです。

確認すると、エンジンの吸気口内に置き忘れられていた懐中電灯が吸い込まれ、エンジンが損傷したことが明らかとなったそうです。なお、負傷者は出なかったものの、機体修理等の損害費は約400万ドル(約6億円)相当になったとのことです。

事故原因についてアメリカ空軍は、整備士が各作業を終えた後、工具の在庫チェックを行わなかったこと、さらにエンジン始動の前に、周りに異物がないか目視での確認を怠ったことが原因で起きたとしています。

整備マニュアルでは、“使用者”に対して各作業後に使用した道具の目視確認をするよう義務付けていますが、その使用者とは必ずしも整備を担当した人員ではなく、ツールキットにサインをした個人を指しているそうで、その点も一因ではないかと指摘されています。

点検中のF-35(画像:アメリカ空軍)。