1月21日プロ野球楽天イーグルス田中将大投手が契約交渉に臨み、2億1500万円減となる年俸2億6000万円のプラス出来高契約を結んだ。単年契約だった。限度額を超える2億円以上の減俸、2年で6億4000万円という大幅ダウンだ。

「栄枯盛衰なんて言うと古臭いですかね。2019年にはヤンキースで年俸33億円ももらっていた男が、ここまで低評価を下される時が来るとは」(楽天担当記者)

 昨季は自己ワースト(7勝11敗、防御率4.91)に終わった田中。ただでさえ35歳の投手に2億円以上出す球団を探すのは日本でも難しく、楽天が契約を更新したことで今季は結果を出さなければならない土俵際となる。

 そんな状況に「世間でどう言われているかはわかっていますが、自分ではまだまだできると思っている」とし、減俸額に納得いっていないなどの報道もあったが、「いろんな憶測が出ていましたが(契約更改が)この日なったのはスケジュールの都合でタイミングが合わなかっただけ」と球団との不仲は否定した。

 しかし、一方の楽天グループは相変わらず厳しい立ち位置だ。昨年11月には楽天証券の株式の一部をみずほフィナンシャルグループに売却。その額は約870億円。このことで「球団売却の話が一気にまた浮上してきました」(楽天担当記者)という状況だ。

 楽天球団の誕生は、2004年に近鉄がプロ野球から撤退したことがきっかけだった。

「三木谷浩史オーナーは実質『0円』で球団を手に入れました。新規で球団に参加するには30億円(保証金25億、野球振興協力金4億、加入手数料1億円)必要なのですが、これが一切かかっていない。本拠地も宮城県県営球場を改修した費用を楽天が全て出し、宮城県に寄付する形にしたんです。楽天はその見返りとして年間5000万円の球場使用料しか払っていません」(前出・楽天担当記者)

 球団売却の話が常に出てくる理由の一つがこの身軽さにある。エースである田中の年俸も2021年に加入した際には9億円だったが、成績不振とはいえ適正年俸を言える2億円台にまで下がり「重荷」も省かれた。今季のチーム成績が振るわなければ、その「Xデー」が刻一刻と迫ってくる。

(小田龍司)

アサ芸プラス