上沢はマイナー契約での挑戦を選んだ。早期のメジャー昇格に期待したい(C)Getty Images

 日本ハムからポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた上沢直之レイズとマイナー契約を結んだ。右腕はNPB通算9年間で70勝62敗、防御率3.19をマーク。昨年は24試合に先発登板して9勝9敗、防御率2.96(リーグ7位)、WHIP1.14(リーグ6位)、被打率.238(リーグ6位)といずれもリーグトップ10に入るスタッツを記録し、エース級の活躍を見せた。

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 そんな上沢との契約を現地識者はどのように見ているのだろうか。MLB公式サイトでレイズ番を務めているアダム・ベリー記者は「レイズ、日本人右腕との魅力的な契約を分析」と題して記事を配信。同記者は上沢について「もうすぐ30歳になるこの投手は、キャリアで9イニング平均7.3奪三振と、エリート級の奪三振力はない」と指摘しながらも、「ローテーションの厚みを追求するレイズにとっては、興味深い動きであることに変わりはない」と右腕との契約を高評価。その理由として以下の3つを挙げた。

 1つ目の理由は、上沢が「イニングイーター」として期待できる点だ。右腕は昨年、リーグトップの170イニングを投げた。同記者は過去5年間でレイズから160イニング以上を記録した投手が5人しかいないことを指摘。「今季のレイズにとって、ウワサワの必要性はさらに顕著になるかもしれない」と期待した。

 2つ目には安価な契約金額を挙げた。同じく今オフに日本からメジャー移籍が決まった山本由伸は12年総額3億2500万ドル、今永昇太は4年総額5300万ドルの契約を結んだ。一方の上沢は、契約金が2万5000ドル、年俸は22万5000ドル。メジャーに昇格すると、年俸が250万ドルまで上昇するが、山本と今永に比べると安価な契約だ。

 同記者は「レイズから見ると、ローリスク・ローコストの契約だ。また、ウワサワと契約したからといって、レイズが40人のロースターに空きを作るために、すぐに他の選手を下げなければならないわけではない」とした。

 3つ目の理由には、レイズプレーしたいという本人の考えがあったと記載。補強費をあまり費やしていないレイズは近年、最先端のデータ分析システムを導入しており、数々の投手の才能を開花させている。上沢本人が入団会見で語った内容を引用し、右腕がレイズの投手育成力に興味をそそられたことを綴った。

 「レイズ上沢直之」はメジャーの舞台で実力を発揮することができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

レイズ移籍の上沢直之 番記者が「魅力的な契約だ」と評価する3つの理由