特に焦点になるのは「軽自動車等」。

車種区分の見直し議論始まる

国土交通省は2024年1月16日、道路政策を話し合う有識者審議会「第62回国土幹線道路部会」を開催。高速道路料金の車種区分について意見が交わされました。

高速道路の料金はクルマの大きさに応じて5つに区分され、普通車を基準として料金比率が決められています。具体的には「軽自動車等=0.8」「普通車=1.0」「中型車=1.2」「大型車=1.65」「特大車=2.75」の順です。

これは1989(平成元)年から変わっておらず、利用状況が変化していることから見直しが議論されてきました。

なかでも大きな変化が「軽自動車等」の増加です。1990年時点で軽自動車等は全体の4.7%に過ぎませんでしたが、2021年には15%まで増加し、中型車、大型車の比率を上回っているといいます。

また、30年で軽自動車と小型自動車が大きく重くなり、総排気量や車両重量が増加し、さらに重量が大きい電気自動車ハイブリッド車も普及。これらの点で、「軽自動車等」に含まれる自動二輪車と、軽自動車との差も拡大しているということです。

一方で、中型・大型・特大車については、30年で車両規格はほとんど変化せず、エコ化によって総排気量が半減した車種もあると指摘されています。

料金比率の算定方法は、道路の空間に対する「占有者負担」、車種の大きさや重量が道路に与えるダメージを考慮した「原因者負担」、高速道路の利用による時間短縮や燃料節約など、車種ごとに得られる便益の違いを考慮した「受益者負担」の3つに基づき決められています。

このため国土幹線道路部会は、利用の変化を踏まえ、「普通車から大型車・特大車までの車種間の不公平感が生じないような区分とすることが重要」と答申しており、これに基づき海外の例も考慮しながら見直しがなされる見込みです。

国土交通省高速道路会社は今後、最新データを用いた算定作業を行い、関係団体などからのヒアリングも行いつつ、2024年秋冬頃から国土幹線道路部会で議論し、車種区分についての対応方針を決定する予定です。

高速道路料金の車種区分の見直しが本格化する。写真はイメージ(画像:photolibrary)。