メジャーリーグへの野望を抱き、海を渡る上沢。彼が結んだ契約の詳報が明らかになった。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 狭き門に果敢に挑むサムライに提示された“条件”が明らかになってきた。現地時間1月21日、今オフにレイズとマイナー契約を締結した上沢直之の契約内容について、MLBに関する移籍情報を発信する米専門サイト『MLB Trade Rumors』が詳報を発信した。

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 今オフにポスティングによるメジャーリーグ移籍を目指した29歳だったが、メジャー契約には至らず。本人の「後悔したくないという思いが強かった」という意思は固く、交渉期限ギリギリでレイズとのマイナー契約を結んでいた。

 マイナー契約から40人のメジャーロースター入りを勝ち取るのは、毎シーズンごとに一人いるかいないかの世界。ゆえに上沢にレイズから示された契約条項も何もかもが好待遇というわけではない。

 レイズとの契約内容を紹介した同メディアによれば、上沢が締結したのは、メジャーとマイナーのスプリット契約。仮にシーズン中にマイナーにとどまった場合は、年俸22万5000ドル(約3260万円)。逆に評価を高めてメジャー昇格に成功すれば、基本年俸250万ドル(約3億6300万円)に跳ね上がる。さらにイニングに応じた出来高も付帯し、160イニング以上を投げた場合には、年俸は350万ドル(約5億800万円)に上昇する。

 一方で、上沢がメジャー契約を勝ち取るか否かは日本ハムにとっても影響がある。なぜなら、懐に得られるポスティングの譲渡金が可変するからだ。

 仮に上沢が開幕メジャー入りを勝ち取った場合にはで51万6250ドル(約7500万円)を手にできるのだが、そうでなかった場合にはわずか6250ドル(約91万円)しか与えられない。今オフにドジャースと総額3億2500万ドル(約465億円)のメガディールを締結した山本由伸ポスティングによって、オリックスが5062万5千ドル(約72億円)を手にしたことを考えれば、まさに雲泥の差とも言える。

 さらにレイズには譲渡金を削減できる選択も残っている。今回の契約には上沢側が3月の春季キャンプ終了時点で契約破棄が可能となる条項も付帯しているのだが、『MLB Trade Rumors』は「あくまで形式的なものに過ぎない」と断言。そのうえで「レイズはオファーの少なかったウワサワとの契約を一度見直して再契約。マイナー組織に残すこともできる」とした。そうなった場合には、日本ハムが得られる譲渡金は6250ドルとなる。

 一連の情報をまとめると、やはり日本ハムがエース放出によって受けるダメージは小さくない。多額の譲渡金を得られないとなるとなおさらだろう。ただ、球団としては金銭的な影響も覚悟の上で後押しをしたのだろう。

 レイズ移籍に際して、球団を通じて、「メジャーリーグに挑戦するチャンスをいただけて感謝しています」と語った上沢はいかなる形で古巣に“恩返し”をするか。すべては春先のアピールによって決まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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