「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、世の中には自身の目で見て初めて理解できる事柄が決して少なくない。

以前X(旧・ツイッター)上では、令和6年能登半島地震の規模の大きさが改めて実感できる「驚きの光景」が話題となっていたのをご存知だろうか。

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■2枚の写真見て驚き

今回注目したいのは、Xユーザー・みょうでんさん が投稿した1件のポスト。

「グレーチングがペシャンコ。これだけ動いたってことね」と綴られた投稿には、日常的に目にする道路・歩道沿いの排水溝に設置された「フタ」の写真が添えられている。1枚目の写真を見ると、震災の影響でフタの形状が歪んでいる様子が確認できた。

グレーチング

これだけでも十分に驚異的な光景なのだが…真に驚くべきは、2枚目の写真に収められた内容である。

 

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■「恐ろしすぎる…」と驚きの声

グレーチング

2枚目の写真には、フタが文字通り「ペシャンコ」となった様子が収められていたではないか。一体どれほどの力を受ければ、このような状態になるのだろうか…。

こちらの光景は多くの人々に衝撃を与え、件のポストは投稿からわずか数日足らずで1.5万件以上ものリポストを記録するほど話題に。

他のXユーザーからは「自然の力、恐ろしすぎる…」「大地を揺るがすエネルギー、凄まじいですね」「この写真だけで、どれほど規模の大きい地震かが分かる」「プレス機でプレスされたとしか思えない」など、驚きの声が多数寄せられている。

また「これグレーチングっていう名前なのか」という声も、少なからず上がっていた。恥ずかしながら、かくいう記者も今回のポスト投稿で「グレーチング」という名前を初めて知った身である。

グレーチング

そこで今回は件の光景の詳細をめぐり、一般社団法人「鋼製グレーチング工業会」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、あまりに恐ろしい事実が明らかになったのだ…。

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■そもそも「グレーチング」とは?

ポスト投稿主・みょうでんさんが件の写真を撮影したのは2日正午ごろのことで、場所は新潟県新潟市西区内。前日の地震で、同エリアは「震度5強」の揺れが観測されている。

まずは鋼製グレーチング工業会の担当者に、グレーチングの用途や性能について尋ねてみることに。

これらの質問に対し、担当者からは「道路上のグレーチングの役割は路面排水となります」「材料は一般構造用圧延鋼材(いわゆる鉄)、防錆処理として亜鉛メッキ加工が使用されます」との回答が。

耐久性に関しては「山間部と比べて沿岸部の方が錆の発生が早い」など、使用環境に左右される部分が大きいため「一概に回答できない」とのこと。

そこで「一般的な道路に使用されるグレーチング」と条件を限定したところ、「適正な荷重条件下で使用されている場合、30年程度は問題なく使用できています」との回答が得られたのだった。

 

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■専門家は「22トンが必要」

グレーチング

では果たして、どれほどの力が加われば、グレーチングは今回の写真のような状態になってしまうのか。

こちらの疑問を受け、担当者は「地震のエネルギーは計り知れないため、頂いた写真のような形状になるかは不明ですが…」と前置き。その上で「一般的なグレーチングを破壊するのに必要な力(あくまでも計算上)は、両サイドから万力のようなもので圧縮したと仮定した場合、22トン程度が破壊荷重と推測します」と回答している。

「22トン」と数値だけ聞いても、大半の人が「巨大なことは分かるが、どれほどの力なのか見当がつかない」といった感想を抱くことだろう。

「身近な存在」且つ「頑丈な物体」であるグレーチングが見るも無惨な姿になった光景と合わせ、その数値の強大さが初めて理解できた思いである。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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