大型艦への給油は大変。

舞鶴から金沢へ大型の“クッション”を輸送

海上自衛隊は2024年1月20日、「令和6年能登半島沖地震」での支援活動で、能登半島に派遣されている輸送艦おおすみ」の給油に必要な「防舷物(ぼうげんぶつ)」を公式X(旧:Twitter)で公開しました。

おおすみ」は搭載するエアクッション艇、通称「LCAC(エルキャック)」というホバークラフト型の揚陸艇で、能登半島北部へ海から物資を輸送を行っていました。しかし、「おおすみ」も船である以上、給油は必要です。

同艦の給油は金沢湾で行いますが、この給油の際には防舷物が必要です。防舷物とは、船が他船に横づけしたり、接岸する際に接触による衝撃をやわらげ、損傷を防止するために使用するためのクッションの役割を果たすものです。

小さな船ならタイヤなどを設置するだけでなんとかなりますが、全長178m、最大幅25.8m、基準排水量8900トンという大型艦である「おおすみ」の場合はそうはいきません。油槽艦に横づけするにはかなり大型な防舷物が必要です。

海上自衛隊の公式Xによると、「おおすみ」が使用する防舷物は、ひとつで、直径4.5m、長さ6m、重さ3.8tもあるとのことです。舞鶴湾の護衛艦が、金沢湾まで運んだとのことです。なお、公式Xによると、自衛隊の保有する防舷物にはさらに大きいものがあり、最大の「特特大」のものとなると、直径4.5m、長さ9m、重さ9.9tという大きさになります。

輸送艦「おおすみ」とホバークラフト揚陸艇のLCAC(画像:海上自衛隊)。