JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる日韓合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project Season 2」。グローバル・ボーイズグループ・”NEXZ”誕生までの軌跡を考察と共に振り返る。「Part 2」となる韓国編もいよいよ佳境に。第8話では、3rd Stageのチームバトル・ミッションのユウヒチームとトモヤチームのパフォーマンス審査後、ファイナルに進出できる参加者の発表が行われ、ついに脱落者が出る結果となった…。

【写真】最高レベルのパフォーマンスで、仲間たちから一目置かれているトモヤ

■J.Y. Parkが一番心配したユウヒチーム

3rd Stage 2組目は、ユウヒがリーダーの「All For One」チーム。J.Y. Parkが彼らに選んだ課題曲は、GOT7の「Hard Carry」。タイトルは「とても困難な状況の中で勝利に導こうとする」という意味で、歌詞の内容もダンスも力強い楽曲だ。

「全編通して激しいダンスが続くから、体力をつけないと最後までもたない」と、ユウヒたちが懸念した通り、レッスンではトレーナーから、曲の終わりに向かうほどテンションが下がってしまう事を指摘された。

中間チェックに来たJ.Y. Parkからも、多くの指摘を受けてしまった。ユウヒとエイジは「ダンスはいいけど歌声が息苦しい」。そして、タイガは「動くスピードが遅すぎる」。以前から「体(の動き)が重い」と指摘されていたが、まだ改善が見られないとの事。ソウダイも、高音を出す時に自信の無さからか弱く歌い出してしまうクセが直っていない事を指摘された。少しでも良くなるように細かく指導を続けるJ.Y. Parkだったが、チェック後のインタビューで「ダンスと歌が全部不安定で、心配なチーム」と不安を口にした。

このチームは、3位のユウヒ以外は、8位エイジ、9位ソウダイ、11位タイガ、と順位が低く、今回1位を獲れなければ脱落者が出る可能性が大きい。だが、指摘されるポイントが多く、問題は山積み…。うまくいかないのはリーダーである自分の責任だと感じたユウヒは、自分を含めメンバー1人1人の問題点を書き出し、チームを積極的にリードし始めた。そして、メンバーたちは、激しいダンスに耐えられるように体力トレーニングも歌とダンスのレッスンと並行して取り組んだ。

■1人1人の努力が認められたユウヒチーム

できる限りの努力をして臨んだ本番、ダンスとボーカルは力強く、4人のシンクロ率も高かった。心配そうに見ていたJ.Y. Parkも笑顔がこぼれた。見終わった後、彼は「中間チェックで指摘したところを直そうと、1人1人がどれだけ努力したのかが感じられます。本当に素晴らしかった」と、彼らの頑張りを讃えた。

J.Y. Parkは「一番印象的だったのはユウヒの発声」と言い、体力をつけて喉が締まらないようにしたユウヒの努力を認めた。また同じ指摘を受けていたエイジも、ユウヒには及ばなかったが改善が見られた、と褒め、「ダンスに特別な素質がある。とっても素晴らしかった」と、彼の強みであるダンスの才能を改めて称賛した。

タイガについては、動きのスピードは速くなったが、まだ他のメンバーより遅く鈍く動く箇所がある、と告げ、ソウダイに対しても、歌い出しが弱い点はしっかり直してきた、と褒めたが、今回も高音になると緊張して喉に力が入ってしまった点を残念がった。ソウダイはリードボーカルになれるほど歌の実力が高いのを知っているだけに、J.Y. Parkは歯痒いのだ。彼は「自分が歌の面でチームをリードしなくては。失敗してみんなに迷惑をかけられない」との気持ちが強すぎて、のびのびと歌えなくなっているようだ。

個人では問題点が残ったが、「チームとしては期待以上だった」と、J.Y. Parkは「All For One」チームの成長を認める感想を述べた。

■どんどん自信を失うトモヤチーム

最後は、トモヤ率いる「Star Kids」チーム。課題曲は、Stray Kidsの「S-Class」で、ボーカルトレーナー曰く「3チームの中で一番難しい楽曲」。歌詞の言葉数が多すぎる上に、韓国人でも発音が難しいそう。休む暇も無いし、高速で高音のラップパートもある。慣れない韓国語を読むだけでも一苦労なのに、覚えて正確に発音するには相当の努力が必要だ。

ダンスの面でも、曲の始まりからインパクトが足りず、それと同時に「可愛い雰囲気ではダメ」と指摘される。なかなか進まない練習に、メンバーたちはどんどん自信を失くしていった。「12位を2回獲ったら脱落」との条件下で、12位を1回獲ってしまい後が無いミラクとショーン、韓国に来てから順位が落ち続けているユウキ。リーダーのトモヤはTOP3の常連だが、うまくチームをリードできていない事に悩んでいた。

■自信は弱点の克服から生まれる

J.Y. Parkは中間チェックでパフォーマンスを見た後、4人に「この曲は、エネルギッシュさと同時に余裕を見せるのが難しい」と語った。それぞれについては、ユウキは「1人だけ少し遅れる」、ミラクは「余裕が無いせいであまりにも固すぎる」、そして、ショーンは「チームの一員としてのダンスではない。自分の事で精いっぱいで周りと通じ合えてない」と厳しい指摘が相次いだ。最後に彼らへ「4人が一緒に表現しているという想いが大事」と、統一性を出すようにアドバイスした。

チェック後、帰る準備をしているJ.Y. Parkに、ミラクは、「ダンスのレッスンで、自信が無い事を指摘されるのだが、どうすれば自信を持てるのか」と相談した。それに対して、J.Y. Parkは「無理に自信を持つ事は誰にもできない。“足りない”と指摘されたところを、自分で修正して、直っているのを見た時、初めて自信が生まれる」と、努力と練習の結果、自信が生まれるのだ、とアドバイスした。

トモヤは、リーダーとしての力不足に悩みながらも、メンバーを不安にさせないように“自信に溢れたリーダー”として振る舞い、「余裕が生まれるくらい何回も練習しよう」と、チームを明るく力強くリードした。

■J.Y. Parkの厳しい指摘が止まらない…

本番のパフォーマンスを見終わったJ.Y. Parkは、しばらくの沈黙の後、「この楽曲は、パフォーマンスの統一性が一番大事だが、それが足りない。動きのタイミングとダンスのラインがイマイチ合っていなかった」と、厳しい感想を告げた。

個人に対しても、厳しい言葉が続く。ショーンに対しては、「動きのフィーリング、角度、タイミングが他のメンバーとは少し違う」と言い、彼以外の3人のダンスパートは、とても揃っていたと告げた。J.Y. Parkは、予選で彼を選んだ時から、彼の自由さが“チームの一員”としてはネックになる事を心配しており、他のメンバーと合わせる事が出来るかどうか注視していたんだそう。だが、今もってそれは改善されず、J.Y. Parkは残念がった。

ユウキは、「ダンスのメリハリをつける努力をした事は認めるが、まだ足りない」と言われ、それが「チームの統一性に悪い影響を与えた」と、かなり厳しい事を告げられた。ミラクは、固さが取れた事を褒められた。トモヤについては、「パフォーマー・トモヤは素晴らしかったけど、リーダー・トモヤは少し残念だった」と、リーダーの力不足を指摘し、チームワークと統一性が足りなかった理由を彼に尋ねた。彼はJ.Y. Parkに対し、「僕たちは“他のチームには負けたくない”って気持ちが大きくて、毎日、練習量は後悔無いほど頑張った」と涙ながらに訴え、そのトモヤの涙にメンバーたちは心を痛めた。

ファイナル進出者、ついに決定!3名が脱落に

3組の審査が終わり、まずはチームの順位の発表へ。1位は、ハル率いる「Heart Hunter」。これで、ハル、ユウ、ケン、セイタはファイナル進出が確定した。そして、2位はユウヒ率いる「All For One」、3位はトモヤ率いる「Star Kids」という結果になった。

続く、運命の個人順位発表。1位は2nd Stageに続き、ハル。2位はトモヤ。彼は、チームは酷評を受けて3位だったのに自分だけ2位という高評価が心苦しく、複雑な表情を浮かべていた。3位はユウヒ。彼は着実に上位組の常連になってきている。

その後、次々と順位が発表され、J.Y. Park は8位のユウキの名前を呼んだ後、残る4名に「キューブを貰えるのは9位までです」と告げた。あと1名…。一気に3名がここで脱落となる事が明かされた。ファイナル進出、最後の1人となる9位は、ミラクだった。

ファイナルに進む事ができないソウダイ、タイガ、ショーンに、J.Y. Parkは「ここまで来られたという事は、特別な才能があるという事。良いチャンスが必ず来る」との言葉を贈った。

タイガは「濃くて速い1年だった」と振り返り、ショーンは「世界へ羽ばたくアーティストの道のりを少し経験させていただいた」と、貴重な経験ができたと語った。そして、ソウダイは「一緒にデビューしたかった人たちとデビューできないのはスゴく哀しいけど、またどこかで出会えると思うし、死ぬまで歌い続けたい」と、前向きな気持ちを語っていた。

Nizi Project Season 2<完全版>」は、Huluにて全話独占配信中。また、デビューグループ“NEXZ”による初の冠番組『MiracleZ』が、1月12日よりHuluにて独占配信スタート。毎週金曜夜10時に新エピソードが追加される。

■3rd Stage 個人順位

1位 ハル

2位 トモヤ

3位 ユウヒ

4位 セイタ

5位 ユウ

6位 ケン

7位 エイジ

8位 ユウキ

9位 ミラク

※順位発表は9位まで。ソウダイ、タイガ、ショーンは脱落。

◆文=鳥居美保

脱落者が決まり、共に頑張ってきた仲間との”突然の別れ”を哀しむ参加者たち/(c)Sony Music Labels Inc./JYP Entertainment