EFLカップ(カラバオカップ)準決勝2ndレグ、フルアムvsリバプールが24日にクレイブン・コテージで行われ、1-1のドローに終わった。この結果、2戦合計2-3としたリバプールの決勝進出が決まった。なお、リバプールのMF遠藤航は日本代表招集のため欠場した。

今月10日にアンフィールドで行われた1stレグを2-1の逆転で先勝したリバプールは、公式戦5連勝と最高の状態で敵地での第2戦に臨んだ。クロップ監督は4-0で快勝した直近のボーンマス戦から先発4人を変更。GKをケレハーに入れ替えたほか、コナテ、カーティス・ジョーンズ、ジョタに代えてクアンサー、グラフェンベルフ、ガクポを起用した。

一方、ホームで逆転でのファイナル進出を目指すフルアムは、0-1で惜敗したチェルシー戦から10日以上の小休止を経て運命の一戦に臨んだ。マルコシウバ監督はバッシーら代表戦で不在の一部主力を除き、ウィリアンやヒメネス、パリーニャなど現状のベストメンバーを起用した。

立ち上がりは2戦合計スコアでビハインドのフルアムがよりアグレッシブプレーサイドを起点に幾度か際どいクロスでゴールを脅かすが、決定機までには至らない。

一方、入りの守勢を凌いだリバプールはファーストチャンスをものの見事にゴールに結びつける。11分、クアンサーからの対角フィードを相手陣内左サイドで受けたルイス・ディアスが胸トラップの際にうまくDFと入れ替わってボックス内に持ち込んで右足を振ると、カバーに入ったパリーニャにディフレクトしたボールがGKレノの反応を乱した結果、ニア下に決まった。

これで2戦合計スコアで2点差を付けられたフルアムは、攻守両面でよりリスクを負う形で早い時間帯のゴールを目指す。だが、リバプールにうまくプレスをいなされて押し込まれる展開に。また、奪ったボールを繋ぎたいところだが、強度の高いプレスを前に自陣で潰されるシーンが目立つ。

以降も良いリズムで進めるアウェイチームは、好調のアタッカー陣がカウンターシチュエーションで質的優位をもたらす。そして、27分にはガクポの浮き球パスに抜け出したヌニェスのポスト直撃のシュートのこぼれをディアスが押し込むが、ここは抜け出しのタイミングでのオフサイドを取られる。

前半終盤にかけてはフルアムもウィリアン、ヒメネスを起点に人数をかけた攻撃を仕掛け始め、そのベテラン2人のミドルシュートでGKケレハーにセーブを強いる。一方のリバプールはシンプルなロングフィードやロングカウンターからヌニェスが抜け出すシーンを作り出したが、DFアダラバイヨの好対応に阻まれ、前半の内に追加点を奪うまでには至らなかった。

後半は立ち上がりからオープンな攻防が続くと、53分には互いに決定機が訪れる。

まずはフルアムのセットプレーの流れからGKケレハーの飛び出しの判断ミスからボックス左でこぼれを回収したアンドレアス・ペレイラが無人のゴールへシュートを放つが、これは惜しくも左ポストを叩く。対してリバプールはロングカウンターから古巣対戦のエリオットがボックス右フリーでシュートを放つが、利き足とは逆の右足シュートはGKレノの好守に阻まれる。

以降はリバプールが主導権を握り、好調のヌニェスがボックス近辺から鋭いシュートを放っていくが、GKレノの好守などに阻まれて2点目を奪うまでには至らず。

後半も時間の経過とともにやや膠着し始めると、65分を過ぎて両ベンチが動く。フルアムはデコルバ=リードを下げて古巣対戦のハリーウィルソンを、リバプールは連戦のマク・アリスター、ヌニェスを下げてカーティス・ジョーンズ、ジョタを同時投入した。

すると、この交代によって試合が動く。77分、セットプレーの二次攻撃から左サイドを突破したウィルソンが絶妙な高速クロスを入れると、攻め残っていたディオプがうまく太ももに当ててゴールネットへ流し込んだ。この同点ゴールで勢いづくホームチームは直後にもウィルソンの強烈なミドルシュートでGKケレハーにファインセーブを強いるなど、逆転を期待させる攻撃を仕掛けていく。

その後、2戦合計スコアで1点差のまま迎えた後半終盤では押せ押せのフルアムの勢いを止めるべく、リバプールが割り切った采配を見せる。83分、ガクポとグラフェンベルフを下げてコナテ、クラークを投入し、5バックでの逃げ切りを図る。

結果的にドイツ指揮官のこの采配が嵌ってホームチームの反撃をうまく凌ぎ切ったリバプールは、公式戦連勝が「5」でストップしたものの、目標のファイナル進出を決めた。

なお、準決勝を突破したリバプール2月25日にウェンブリー・スタジアムで開催される決勝でチェルシーと対戦する。