日本代表MF久保建英が所属しているレアル・ソシエダは24日、アトレティコ・マドリードからスペイン人DFハビ・ガランレンタル移籍加入することを発表した。

 両クラブの発表によると、契約期間は2023-24シーズンの終了時までにあたる2024年6月30日まで。現地報道によると、契約に買い取りオプションなどは付随していない。また、背番号は「25」に決まった。

 ハビ・ガラン1994年11月19日生まれの現在29歳。スペイン西部のエストレマドゥーラ州バダボス出身で、当時地域リーグに所属していた地元クラブでキャリアをスタートさせると、2015年夏にコルドバへ加入。当初の主戦場はBチームだったものの、1年ほどでトップチームの主力に定着。4部、3部、2部と着実にステップアップを果たし、自身のポジションも左サイドウインガーからサイドバックへと変わっていった。

 当時2部だったコルドバで“セグンダ”有数の左サイドスペシャリストとして名を馳せると、2019年1月には当時1部のウエスカへ加入。自身初の“プリメーラ”挑戦を果たした。加入初年度にウエスカは2部降格の憂き目を見たものの、翌シーズンもチームに残留し、主力として1年での1部復帰に貢献。迎えた2020-21シーズンはラ・リーガ全38試合中37試合のピッチに立つなど、絶対的な主力に君臨した。同シーズンには、ラ・リーガで当時バルセロナに所属していたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(現:インテル・マイアミ)に次ぐ、2番目のドリブル成功率を記録。持ち味でもある縦への推進力、積極的な攻撃参加が“プリメーラ”でも通用することを証明していた。

 ウエスカの2部降格も相まって、2021年夏にはセルタへ完全移籍加入。セルタでも不動の地位を築き、2021-22シーズンから2年連続でラ・リーガ全38試合中37試合の出場で3アシストを記録した。ラ・リーガ屈指の左サイドバックとして毎シーズン安定した活躍を見せ、昨年夏にはアトレティコ・マドリードへ完全移籍加入。“3強”の一角を成すクラブへのステップアップを果たしたが、左ウイングバックにはブラジル人MFサムエウ・リーノ、スペイン代表MFロドリゴ・リケルメが起用される試合が多く、出場機会に恵まれない日々が続く。今季はここまで公式戦通算でわずか9試合の出場、先発に限定するとわずか2試合の出場に留まっていた。

 現在、レアル・ソシエダでは左サイドバックが手薄となっている。今季ここまで公式戦29試合に出場していたスペイン人DFアイエン・ムニョスは、20日に行われたラ・リーガ第21節セルタ戦(○1-0)で負傷し、左ひざ前十字じん帯断裂と診断された。加えて、23日に行われたコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)準々決勝のセルタ戦(○2-1)ではスコットランド代表DFキーラン・ティアニーも負傷し、わずか4日間で2名の左サイドバックを失っていた。

 当初からハビ・ガランは今冬の移籍市場でアトレティコ・マドリードを離れることを決断していたものの、ビジャレアルレンタル移籍する可能性が高いと報じられていた。しかし、レアル・ソシエダからの“ラブコール”を受けて、行き先をサン・セバスティアンへ変更。素早く移籍オペレーションもまとまり、正式発表に至った。

 なお、前述の通り現在レアル・ソシエダでは左サイドバックが不足しているため、27日に控えたラ・リーガ第22節ラージョ・バジェカーノ戦で早くもデビューを飾ることとなりそうだ。ラ・リーガに加えて、チャンピオンズリーグやコパ・デル・レイでも勝ち残っているレアル・ソシエダはここから過密日程が続くが、力強さと速さで相手守備陣に風穴を開ける左サイドの“弾丸”がチームに加わることが決まった。

【動画】左サイドの“弾丸”、ハビ・ガランプレー

ハビ・ガランのアトレティコでの半年間は苦しいものだった [写真]=Icon Sport via Getty Images