レコテック株式会社(以下「レコテック」)は、「プラスチック資源循環に向けた革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクト」にも選定され東京都と共同事業として進めてきた「廃プラスチックのリサイクルに係る情報プラットフォーム構築事業(以下、「pool事業」)」が同プロジェクトの「実装化・事業化着手支援」事業として採択されたことをお知らせします。本事業を通して、poolを活用した環境・経済の両面において持続可能なプラスチック資源循環ビジネスモデルとしてスケール化・社会実装します。

[循環型サプライチェーンのスキーム]

  • 背景

昨今、気候危機や海洋プラスチック問題などの喫緊性により、脱炭素やサーキュラエコノミーの実現が世界的に急務となり、欧米を中心にプラスチックの廃棄量削減やリサイクル材料の使用義務化などの具体的な法整備が進められています。日本でも2022年にプラスチック資源循環促進法(以下、「プラ新法」)が施行され、自治体や企業のあらゆるプラスチックにおける資源循環の取り組みを促進する法整備が進んでいます。

東京都は、2050年までに世界のCO2排出実質ゼロに貢献するため、令和1年12月に「ゼロエミッション東京戦略」を策定・公表しています。その中で、使い捨てプラスチックの大幅なリデュース・リユースや、バージン資源と同等の樹脂に戻す水平リサイクルの実装化を推進するため、令和3年度より革新的技術・ビジネスモデルの社会実装を目指す事業者と共同で事業を行っています。レコテックは令和3年度の「調査・分析事業」と「実証事業」に採択され、継続してpool事業を進めてきました。

  • pool事業の概要

poolは普段捨てられてしまう「ごみ」をデータ化することによって回収インフラを構築し、リサイクル材料を活用したい製造業者と排出事業者を繋ぎ合わせてトレーサビリティの取れる循環型サプライチェーンをデザインするための仕組みです。レコテックは、プラスチックに限らず様々な「ごみ」を「都市資源」として捉え、poolを活用して循環資源として供給していくことを目指しています。

まず初めに着手したのは、商業施設やアパレル店舗から大量に発生する軟質プラスチックです。対象にしているプラスチックは均一な素材で異物の混入リスクも低いため、PCR材*の調達ニーズの高いプラスチックメーカーへ供給する体制を構築しました。排出・回収・中間加工・リサイクル・調達の各ステークホルダーがpoolシステムに情報を登録することで、サプライチェーン全体を通して、品質・コスト・供給量・トレーサビリティの情報を常に管理しながらPCR材を流通させています。

本事業はプラ新法の大臣認定を取得したことを受け、年内に関東圏・九州地区での回収を開始し、2024年には関西をはじめとする大都市を中心に全国展開を進めて行きます。 

*ポストコンシューマーレジン (Post-Consumer Resin)の略

家庭から排出される材料、または製品のエンドユーザとしての商業施設、工業施設及び各種施設から本来の目的を終え、もはや使用できなくなった製品として発生する材料。

参加企業にとってのベネフィット

●排出元

 ○持続可能マテリアルリサイクルの実現

 ○スコープ3カテゴリ5の算定 & 排出量削減

 ○廃棄コスト削減

●製造

 ○高品質かつトレーサビリティがとれたPCR材の調達

 ○スコープ3カテゴリ1の排出量削減

本年度注力するポイント

●資源循環データ基盤の構築

 ○静脈資源の需要家企業が持続的にPCR材を調達するために必要な品質・量・コスト・トレーサビリティ・環境価値の情報とその粒度等の要件を需要家企業と共同で定義し、サプライチェーンのエンドユーザー側の機能をpoolに実装する。

 ○サプライチェーンを通して利用する各ステークホルダーの機能を実際のオペレーションやニーズに沿ったものにアップデートする。

PCR材の品質安定化

 ○排出企業はじめ各ステークホルダーがpoolを活用することで排出時・リサイクル時の品質を標準化し管理する。

 ○異物の混入を最小限に抑えるために、排出企業への分別啓発や定期的な分別精度のフィードバック等の体制を構築し運用する。他方、リサイクル工程ではペレタイズ前の人的・機械的な異物除去や品質改善の手法を検証し、経済合理性を考慮した最適解を見出す。

●コスト最適化

 ○プラ新法における大臣認定制度を活用し、動静脈一体物流での回収網を関東全域へ拡大する。

 ○回収・中間加工・輸送/保管・リサイクルの一連のオペレーションのスケール化とルーチン化による最適化を行い、物流コストを最小化する。

  • 今後の展開

今年度、対象となるプラスチック資源の循環型サプライチェーンのスケール化・社会実装を目指し、1都3県東京都神奈川県千葉県埼玉県)での商業施設やアパレル店舗からの回収を大幅拡大を予定しています。同時に、リサイクルしたPCR材のより多くの安定した活用に向けて用途開発を加速し、持続可能な資源循環ビジネスモデルの社会実装を目指します。

  • Circularity Design Tool - poolについて

poolは、資源価値の終わりを始まりに変えるクラウドサービスです。都市資源をpoolでデータ化することによって回収効率を高め、リサイクル材料を活用したい製造業者と排出事業者を繋ぎ合わせて循環型サプライチェーンをデザインします。ごみの発生から、運搬、リサイクルのすべての過程で、スマホやタブレットで簡単に情報連携することで、リサイクル材を活用する上で欠かせない「どこから」「どのようなプロセス」を経てリサイクルしたかのトレーサビリティ情報とスコープ3カテゴリ1・5のCO2排出量情報を提供します。

  • RECOTECHについて

レコテックは、「世代間責任を果たす」をミッションに掲げるClimate Tech Startupです。現在の廃棄物の仕組みは、焼却もしくは埋め立てがほとんどで、次世代に負債を残している状況です。テクノロジーでこの構造に変革を起こし、ネイチャーポジティブな経済発展ができる社会をつくることを目指しています。

URL : https://recotech.co.jp/

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】

レコテック株式会社 広報担当:大村

メールアドレス:info@recotech.co.jp

配信元企業:レコテック株式会社

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