浜松ホトニクス株式会社(静岡県浜松市)は、独自のガラス成形技術と成膜技術により、質量分析イメージングでの前処理をサポートする転写プレート「Poropare(TM) (ポロペア)」A15551シリーズを新たに開発しました。測定対象を本製品に転写するだけの簡便なプロセスにより、これまで前処理が難しかったサンプルも測定できます。本製品は1月25日より出荷を開始し、理科学・計測機器メーカーである日本電子株式会社(東京都昭島市)より販売します。また、質量分析受託事業を展開する株式会社プレッパーズ静岡県浜松市)より、本製品を用いた受託分析サービスを提供します。

転写プレート Poropare(TM) A15551シリーズ

<製品の概要>

質量分析イメージングは、分子の局在を可視化する分析手法の一つで、ラベリング処理が不要(非標識分析)でありながら、質量分析ゆえの高感度検出を実現できることで知られています。ただし、前処理の専用装置と、それをサンプルごとに最適化するスキルが求められるため、測定に至るまでのハードルが高いことも事実です。

本製品は、当社が新たに開発したガラス多孔体と、これまで培ってきたイオン化支援層技術とを組み合わせた質量分析イメージング用の転写プレートです。質量分析イメージングの前処理として「転写」という新たな選択肢をユーザーに提供し、前処理の大幅な簡便化を実現します。転写にあたって専用装置は必要ありません。また、従来では処理が難しかった分析対象の前処理も実現します。

本製品で実現される分析用途として、樹脂添加剤のブリードアウト分析、被膜の欠陥イメージング、動植物の代謝解析など数多くを見込んでいます。今後は、質量分析装置ユーザーや質量分析業界の関連企業とともに、本製品を用いた新たな用途を幅広い分野で開拓し、質量分析市場の活性化を目指します。

<開発の背景>

当社は、光電子増倍管をはじめとする電子管製品を開発・製造・販売する過程で、独自の表面処理技術や成膜技術を培ってきました。こうしたコア技術から、質量分析に応用できるイオン化支援層の形成という技術が芽生え、質量分析分野が抱える課題解決に貢献することを目指してきました。このたび、イオン化支援層と新たに開発したガラス多孔体とを組み合わせることで転写による前処理の簡便化を実現し、従来の前処理に悩むユーザーに本製品を提供できるよう準備を進めてきました。

<製品の主な特長>

1.新開発のガラス多孔体と独自のイオン化支援層を採用

新たに開発したガラス多孔体は剛性・平坦性・吸水性等、転写を安定に実現するための要件を数多く満たします。一般にイオン化支援層はデリケートであり、転写によってその機能を失う恐れがある中で、本製品はこのガラス多孔体の有効面に独自のイオン化支援層を高精度に形成することで、転写に耐えうる前処理アイテムとして実現しました。

2.簡便な前処理で質量分析イメージングを実現

従来の前処理では、試料を凍らせて数十μmの厚さにスライス(薄切)した後に、マトリックスを均一に塗布するという流れが一般的です。本製品を用いた転写の場合は、測定したいサンプルを有効面上に付着させるだけで前処理が完了します。したがって、薄切が難しいサンプルでも測定対象となります。加えて、マトリックス塗布を含めた手間が少ない分、前処理時のゆらぎが原理的に低減されます。

<価格>

1ケース(5枚入り): 38,000 円(税抜、日本電子株式会社からの販売価格)

受託分析:要相談

<製品案内ページ>

https://www.hamamatsu.com/jp/ja/product/optical-components/transfer-plate.html

<販売元>

日本電子株式会社:https://www.jeol.co.jp/

業務統括センター パーツ販売管理部 〒196-8558 東京都昭島市武蔵野3-1-2

TEL: 0570-008-082

FAX: 0570-008-092

Webお問い合わせ:https://solutions.jeol.co.jp/contact

*転写プレートを使用する上で必要となるアダプター(同社製MALDI-TOFMS装置 JMS-S3000 SpiralTOF(TM)シリーズ専用)も販売されます。

<受託分析>

株式会社プレッパーズhttps://www.preppers.co.jp/

担当:高橋

TEL: 090-9149-3594

E-mail: takahashi@preppers.co.jp

配信元企業:浜松ホトニクス株式会社

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