普段はだしの素やだしパックを使っている人が多いかもしれませんが、たまには本格的なカツオだしを取ってみませんか。本格的といっても、実はそれほど手順が多いわけではありません。うま味や香りを楽しめる基本的な取り方のご紹介です。

手間をかける価値があるうま味と風味

カツオをはじめ、食材から取っただしは料理の味わいをぐっと引き立ててくれます。

インスタントだしやだしパックよりも手間がかかるため、頻繁に取るのは難しいかもしれませんが、たまには日本料理ならではの方法でだしを楽しんでみませんか。

だしにこだわりのある企業・ヤマキが、基本的なカツオだしの取り方を教えてくれました。花カツオ、厚削りの両方で取る方法があります。

花カツオで取る方法

薄削りでふわふわの花カツオは、香りが高く上品に澄んでいます。すまし汁や椀盛りに最適なのだそう。

<材料>ヤマキ花かつお…30g 水…1L

1 鍋に水を入れ、火にかけて沸騰させる。

2 沸騰したら火を止め、かつお節を入れる。

3 かつお節が鍋底に沈むまで1~2分おく。

4 ふきん等を敷いたザルで静かにこす。

ヤマキ ーより引用

濾す時に思わずギュッと押さえたくなりそうですが、そこは我慢が大切です。ヤマキによると、カツオ節を絞るとえぐみが出てしまうのだとか。おいしいだしの完成には我慢も必要なようですね。

厚削りで取る方法

厚めに削られた厚削りは、カツオ節の風味がよりしっかり味わえるだしに仕上がります。つけつゆやみそ汁におすすめなのだそう。厚削りで取るだしもシンプルな材料です。花カツオを使った取り方とは少し違うため、注意しておきましょう。

<材料>ヤマキかつお厚削り…30g 水…1L

1 鍋に水を入れ、火にかけて沸騰させる。

2 かつお厚削りを入れる。

3 ていねいにアクを取りながら中火で10分程度煮立てる。

4 火を止めて、ふきん等を敷いたザルでこす。

ヤマキ ーより引用

薄削りと違い、厚削りはしっかり煮立たせることがおいしいだしを取るコツのようです。「だしを煮立たせるなんて…」と思うかもしれませんが、勇気を出してトライしてみましょう。

だしがらを使った一品も!

だしを取ったあとのだしがらを「捨てるのはもったいない」と考える人も多いでしょう。そんな人も心配無用です。ヤマキはだしがらを使った「だしがらのふりかけ」も教えてくれました。

<材料>だしがら…30g めんつゆ…大さじ2 いり白ごま…適宜

1 だしがらを包丁で細かく切り、フライパンでヤマキめんつゆをからめて、水分がなくなるまで煎る。お好みで白ごまを和える。

2 「だしがらふりかけ」のでき上がり!

ヤマキ ーより引用

めんつゆといり白ごまでサッとできる手軽な一品です。ごはんにかけてもよし、おつまみにもよしの優れものですね。

多めに取ったら保存しよう

こうして見ると、だし取りもそう難しいことではありません。とはいえ、毎日のように行うのは少し面倒。

そのため多めにだしを取った時やだしが余った時は、保存してしまいましょう。

容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、4~5日は使えます。ただ、2日ほど経つと風味が落ちてくるため、よりおいしく楽しむためには早めに使い切りましょう。

また、ジッパー付き保存袋や製氷皿で凍らせて冷凍保存も可能です。ジッパー付き保存袋の場合は空気が入らないよう、板状になるように凍らせます。

製氷皿で凍らせた場合は、その後に香りが飛んだり、逆に冷凍庫内のにおいが移ったりするのを避けるため、プラスチック製の食品保存容器や保存袋に移し替えて冷凍しておきます。

こちらは1か月ほど保存可能ですが、2週間ほどで風味が落ちるため、それまでに使い切れるといいでしょう。

普段は忙しくてなかなか手をかけられないだし取りも、たまには手間ひまをかけて味わってみませんか。いつもと違う味わいを食卓で楽しんでください。


[文・構成/grape編集部]

出典
ヤマキ
※写真はイメージ