仲間内で語り合う怪談話は、互いに怖がりながらも楽しいもの。だが、その話をきっかけに友達が思いもよらない告白をしてきたら…。そんな一見ホラーかと思いきや何とも笑えるオチが待ち受ける、留々家(るるいえ)(@ruru_ie)さんによる“怖さゼロ”の心霊4コマ漫画「怖い話」を紹介しよう。併せて、留々家さん本人にも制作の裏側などについてインタビューした。

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■心霊やホラーというジャンルは4コマにしやすい題材?

本作のほか、幼稚園児が描いた絵に家族とともに存在する“黒い影”のまさかの正体が明かされる4コマ「影」や、廃墟に出る少女の霊に対してあんまりな文句をつける「廃墟」など、心霊現象の鉄板ネタから繰り出される笑えるオチが人気を集めている留々家さん。

心霊やホラーというジャンルで4コマ漫画を描く自身のスタイルについて、「4コマ漫画を描くときには、題材とするものにまつわるお約束、いわゆるあるあるネタを元にアイデアを考えています。そうしたときに心霊やホラーというジャンルにはいろいろとお約束があり、4コマにしやすい題材かもしれません」と、定石があることでオチを作りやすいという利点がある様子。

そうした“お約束”の活用事例を尋ねると、「たとえば心霊写真を題材にするなら、点が3つあれば人の顔に見えてしまうとか、写っている人数に対して手足の数が多いとか、またはテレビ番組での『おわかりいただけただろうか』という決まり文句など、こういったことが4コマのアイデアの元になります。また心霊やホラーは非日常の世界です。そこへ日常的な感覚を持ち込むことで、緊張が壊れ、おかしみにつながるのではないかとも思います」と明かしてくれた。

その一方で、留々家さんの4コマには日常を感じさせる展開でぞっとするようなオチが描かれる作品も。「非日常的な結末を効果的に見せるために、そこに至るまでの日常感を強調することはあります。しかし私は、日常によって非日常が際立つことよりもむしろ、1本の4コマの中に日常と非日常が共存していることこそがおもしろいと思っています。

だから意識していることがあるとすれば、それは読み手がある程度納得できる形で、日常と非日常を結びつける理屈を組み立てることです。またそれは、先に説明した、非日常の中に日常的な感覚を持ち込む形の4コマでも、まったく同じことなのです」と、自身の創作における極意を語った。

取材協力:留々家(@ruru_ie)

友人のまさかの告白に一同唖然?/画像提供:留々家(@ruru_ie)