指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ・=LOVE(イコールラブ)のメンバーであり、アニメ好きの野口衣織が「神セリフ」からアニメの魅力をひもといていく連載企画。第27回では、探偵&刑事のバディが事件を解決していく本格ミステリーアニメ「鴨乃橋ロンの禁断推理」について語る!(※この記事には、作品のネタバレが含まれています)

【写真】=LOVEの野口衣織

■「鴨乃橋ロンの禁断推理」ってどんなアニメ?

探偵養成学校BLUEで天才と称されるも、無自覚で犯人を自殺に追い込むという致命的な欠陥によって探偵資格をはく奪されてしまった鴨乃橋ロン(CV.阿座上洋平)。そんなロンの元に、ある事件をきっかけにして捜査一課の刑事・一色都々丸(CV.榎木淳弥)が訪れ、ロンはトト(都々丸)を介して推理をするようになる。訳あり探偵とマヌケな刑事の異色コンビが鮮烈に謎を解き明かす、新時代"探偵"活劇!

■ロンとトトの完璧すぎないところもいい!

この作品は先に原作漫画を読んでいたのですが、漫画のテンポ感がアニメになってもそのままで!天才探偵のロンと刑事のトトがさまざまな事件を解決していく推理ものなんですけど、ギャグ要素もたくさんあるので堅苦しくなく、すごく見やすかったです。トトはピュアでちょっと抜けてるし、ロンも人としてどこか欠如しているので(笑)、そんな2人の完璧すぎないところもいいですね。

話が進むにつれてロンとある組織の因縁が明らかになっていって、その組織と関わるほど無慈悲な事件も増えていくんですけど、ロンのユニークで飄々としている人柄はずっと変わらないので、そんなところで作品にメリハリがついている気がして楽しく見ることができます。同時に、「犯人を許さない」という芯のある部分もずっと安定感があって好き!

アニメの1st Seasonは、この先の展開が気になる!と思わせてくれるような終わり方でした。ここからロンが探偵を辞めることになった5年前の事件について明らかになっていき、組織との関わりもぐっと深まっていくのですが、現在アニメの2nd Seasonが鋭意制作中とのことなので、とっても楽しみです!!

■ロンとトトの関係性はエモすぎない

そして、この連載を読んでくださっている方は既にご存知かと思いますが、私はバディものが大好き!凸凹コンビの凸と凹がハマるのも最高ですし、その2人にしかない友情でも恋愛でもない絆で結ばれて、お互いを信頼していて…っていうのがすごい好きなんですけど、ロンとトトに関してはちょっと違うんですよね。いい意味で、関係性がエモすぎないというか(笑)。

正義感は強いけど警察でお荷物扱いされちゃうくらいピュアでマヌケなトトと、探偵学校では一番優秀だったのに犯人を自殺に追い込むという欠陥を持っているロン。いつもだったらこの凸と凹が綺麗に重なるところですが、この2人の場合、多分ロンの方が常にちょっと上にいる感じがして。

麻雀だと「ロン」は他の人が捨てた牌で上がるっていう意味であるように、ロンにはまさにそういう一面があって、彼が求めてる結末や言葉を誘導して全部引き出してるんですね。でも結果的に刑事として名が上がるトトにとっても得なので、お互いの利益のために組んでいるビジネスバディみたいな雰囲気があります。そうはいっても、トトは最初から「ロンを支えなきゃ!」って思ってそうだし、それでもロンに“傀儡”としていいように使われてる関係性が可愛いんですけどね(笑)。

でも第7話でロンが殺人容疑をかけられた時、5年前に逮捕された時は泣き喚くことしかできなかったけど、あの時ほど焦らないのはトトがいるからだって気付くシーンがあるんですよ。ロンの中でトトがすごく重要な人っていう認識はあるようですが、他のバディものに比べたらさりげなく描かれているところもいいなと思いました。

■熟年夫婦みたいな雰囲気を感じちゃいました(笑)

「笑い返す日が来るさ ゴミ箱がいつか人類を支配する日が…」鴨乃橋ロン(第2話より)

雑用や重要性の低い事件ばかり任されると嘆いているトトに対して、ロンが掛けた言葉です。作中では冗談っぽく流されるセリフではあるのですが、この「笑い返す日が来るさ」という部分は、もしかしたらロンが自分に向けても言ってるんじゃないかな?と思って、心に残りました。トトという存在を見つけて、きっとまた探偵に戻れる日が来るみたいな意味も込められていそうだなって。

このミステリアスなところがロンの魅力だと思いましたし、茶化しつつもこれが本心なんだろうなと感じられて、このシーンのロンとトトから熟年夫婦みたいな雰囲気を感じちゃいました(笑)。この言葉が現実になる未来があったらいいなと思います。

第11・12話はシュピッツくんのお兄ちゃんを探す回なんですけど、その事件が解決した後のロンの言動も、すごく素敵でした。罪を犯してしまったと自責している人に対して、その人が見えていなかった部分を伝えながら否定してあげて、サッと立ち去るんです。ロンの犯人を自殺させる力が働かないということは、ロンにとってそれは罪とみなさないってことじゃないですか。ロンの中の正義と悪の区切りみたいなものがちょっと見えた気がしましたし、余計なことは言わず、でも全てヒントをあげた上で去っていく姿に、ロンはこういう優しさを持った人なんだって心が温かくなりました。

■シュピッツくんは…情けない!(笑)

ちなみに、私の推しキャラはシュピッツくんです!最初はBLUEから派遣された優秀なスパイとして登場したんですけど、変装のために眼鏡をかけていたので、髪型とかも相まってインテリっぽいイメージがありました。でも実際は、やっぱりお兄ちゃんがいるだけあって甘え上手な弟気質で、ちょっと情けないところもいい!弟だったら可愛いだろうなぁ。それこそ、もし彼に姉がいたらコンビニに買い出しとか行かされてるんだろうなって思いました(笑)。

シュピッツくんがロンに自分の兄を探してほしいと頼んだ時、ロンはかなり危険な交換条件を提示するんですね。それを聞いたトトが、仲間なんだから交換条件なんて出さずに助けてあげるべきだと横からフォローして、シュピッツくんはその言葉に感動して交換条件を飲むことになるんですけど、その展開も結局はロンが全て誘導してるんですよ(笑)。そこでトトが、俺たちロンに乗せられてる!って気付くんですけど、シュピッツくんは嬉しそうに「乗せられるのを待ってた気がする」って(笑)。う~ん、情けない!(笑)だけど探偵としての素質はすごくて追跡や盗聴はお手の物なので、そういうところはギャップです!

アニメの1st Season最終話では、この先3人でロンの事件に関する真相に迫っていくんだなと確信を持てる場面があるので、2nd Seasonでは更に3人のシーンも増えていくと思います。3人が事件を解決していくカッコいい姿や絆も見たいですし、シュピッツくんがいいように使われる情けない姿もたくさん見られたらいいなと思います!(笑)

=LOVEの野口衣織が「鴨乃橋ロンの禁断推理」を語る!/ (C)天野明/集英社・鴨乃橋ロンの禁断推理製作委員会