JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる日韓合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project Season 2」。2022年3月に名古屋予選から始まったこのプロジェクトが、ついに終了した。グループ名は「NEXZ(ネクスジ)」。意味は「Next Z(G)eneration」。JYPの未来を新しい時代、世代と共に切り開いていってほしい、という願いが込められている。デビューメンバーは参加者9名から7名が選ばれた。「Part 2」10話目となる最終回でのFinal Stage 2nd対決、共通曲審査ミッションとメンバー発表の様子を考察と共に振り返る。

【動画】NEXZ Pre-Release Song "Miracle" Performance Video

■Final Stage 2nd対決は、共通曲で審査

ハル、ユウ、ケン、エイジ、ミラクの「5Stones」チームと、トモヤ、ユウヒ、セイタ、ユウキの「ヤッターズ」チームに分かれて行われたFinal Stage。1回戦は「5Stones」チームの勝利。2回戦では共通曲での審査となり、パフォーマンスの違いが明らかになる為、より厳しい戦いとなった。

課題曲は、彼らの為に.J.Y. Parkが作った「Miracle」。これまで応援してくれたファンと参加者がついに出会えた瞬間の気持ちを想像して作られた楽曲だ。2チームとも「絶対勝つ!」と気合い充分で練習に臨んだ。

■楽しみながら練習を重ねたトモヤチーム

まずはトモヤ率いる「ヤッターズ」チームの練習から。直接指導にやってきたJ.Y. Parkは、彼らの歌を聴き終えると「本当にスゴいですね」と大きな拍手。その後、高音をラクに出すテクニックなどを実演しながら細かい部分までアドバイスした。J.Y. Parkの指導で自信がついた4人だったが、ハルチームの練習を見て、あちらは5人なのに対しこちらは4人。安定性はこちらが勝るが、表現の多様さではどうしても差が出てしまう事に不安を覚えた。そこで、振付のディテールやタイミングを完璧に合わせる為、トモヤのリードで何度も何度も練習を重ねた。練習中、彼らは何度も「楽しい」と言っていた。自分たちがまず楽しむ―それが一番ではないだろうか。練習を繰り返す事で彼らの絆もさらに深まり、本番を迎えた。

ダンスのタイミングも気持ちいいほど揃っていて、審査する3RACHAもJ.Y. Parkも思わず歓声を上げるほど。審査を忘れたかのように楽しんでいた。そして見終わった後、全員から大きな拍手が沸き起こった。

■期待をはるかに超えるステージにJ.Y. Parkも鳥肌

感想を聞かれたバンチャンは、開口一番「あー、もう何やねん!」と驚きを隠さず称賛。「隙の無いパフォーマンスだったし、本当に上手かった」と言い、「一番目が行ったのはセイタ」と告げた。楽しんでいる姿とナチュラルさが良かったそうだ。また、ハンとチャンビンは、トモヤに対し「それぞれ違う個性を1つにまとめあげようと、リーダーの責任を全うする姿勢が見えた」と彼のリーダーとしての資質を褒めた。

J.Y. Parkは、1回戦で指摘した、セイタがダンスに感情が乗っていない点、ユウキが実力を見せられる場面で逃げてしまう点、ユウヒのダンスの不正確さが、1回戦から30分で全て改善された事に驚きを隠せなかった。そして、3RACHAは普段、他の歌手のパフォーマンスを見てもめったに歓声を上げないのに、デビュー前の彼らのステージに何度も声を上げていた事で、どれだけ今のステージが素晴らしかったかを表しているし、J.Y. Park自身も何度も鳥肌が立った瞬間があったと告げた。彼は「期待できるレベルをはるかに超えたステージでした」と、惜しみない称賛を贈った。

■練習で苦戦したハルチーム

続いて、ハル率いる「5Stones」チーム。直接指導に来たJ.Y. Parkから思った以上に多くの指摘を受け、若干ヘコむ5人。それでも気持ちを切り替えて練習に臨んだが、ダンスレッスンでも、トレーナーから「息が合ってない」と指摘され、充分に練習したのか?とさえ言われてしまった。「間違ってもいいから自信を持って踊らないと」と自信の無さも突かれ、ますます不安が募った。そこでリーダーのハルはメンバーを集め、「自分たちにしかない長所」についてミーティング。1万人以上の参加者の中から今、9人残っている事が既に「奇跡(=Miracle)」なのだから、その気持ちを伝えよう、と、最後の力を出し切ってパフォーマンスする為に、練習を重ねた。

■緊張で揃わなかったパフォーマンス…

そして本番。パフォーマンスの感想を聞かれたハンは、しばらく沈黙した後、「かなり緊張していたように感じました」と告げた。「この曲は自分が楽しんでいるのを表情からも見せないといけないのに、顔がみんな固すぎるし、いろんな事を考えすぎているように見えた」のだと。チャンビンは「それぞれの動きのスピードがバラバラで、4人のトモヤチームより隙間が多くて空いているように見えた」と指摘。バンチャンは、2人の指摘に同意しながらも「トモヤチームに比べて、全体的に男らしさがあって、この曲でこういう感じも出せるんだ、と思った」と、良かった点も挙げた。

そして、J.Y. Parkの講評に。「まず」と前置きした後、「3RACHAから歓声が上がらなかったのが、全てを物語っている」と言い、「一番決定的なのは、5人が合っていなかった」と告げた。トモヤチームが完璧すぎるほど合っていた後だっただけに、さらに際立ってしまったようだ。さらに、ケンとユウは経験不足で難易度の高いダンスがまだこなせていない点、ミラクはダンスのパワー不足と裏声に逃げてしまって歌の実力が見せられなかった点、エイジは繊細なダンスの表現がいまだに出来ていない点を指摘。厳しい評価は続き、ハルに対しても「今回は歌が残念だった」と告げた。だが、ダンスでは9人の中で最高だったと称賛した。

2回戦は、トモヤ率いる「ヤッターズ」が勝利した。そして、ついに個人順位とデビューメンバーの発表に。「Nizi Project Season 1」から生まれたNiziUのパフォーマンスの後、遂に運命の瞬間が訪れた。

■デビューメンバー発表

1位はトモヤ。笑顔を爆発させてJ.Y. Parkからキューブを受け取った後、感想を聞かれ「練習生生活をしていて、自分はいつデビューできるんだろう、って心配していて、今やっとこうして1つの夢が叶って…」と話すうちに想いが溢れ、もう涙で言葉にならない。残る8人を見ながら「みんなのおかげで頑張れたけんさぁ、ありがとう。本当に」と、感謝を伝えた。

2人目はハル。JYP練習生として苦楽を共にしてきたトモヤと抱き合い、涙が止まらない。「僕の夢である世界一のアーティストになれるように、みんなと本当に頑張りたいです」と、夢へのスタートラインに立った幸せを噛みしめていた。

3人目はユウキ。韓国合宿では低い順位が続いていた彼は、名前を呼ばれた瞬間、「えっ!?僕なの?」といった半信半疑の表情で左右を見た後、隣に居たセイタが祝福の笑顔を向けたのを見て、号泣。嗚咽しながらJ.Y. Parkの元へ行き、キューブを受け取った。

4人目はケン。名前を呼ばれてビックリした後、顔を覆って号泣。彼のデビュー決定にトモヤとハルも涙腺崩壊。自分が呼ばれた時以上に泣いていた。「地域予選からみんなより実力が足りない中、メンバーたちがFinal Stageまで僕をずっと引っ張って助けてくれて、本当に感謝を伝えたいし、これからもっと頑張ってやっていきたいと思います」と涙ながらに感謝と決意を語った。

5人目はユウ、そして6人目にユウヒが呼ばれ、7人目。J.Y. Parkは、名前を呼ぶ前に「最後のデビューメンバーになります」と告げた。最後に呼ばれたのはセイタ。残念ながら選ばれなかったエイジとミラクも笑顔で拍手を贈った。セイタは、「みんなが名前を呼ばれて嬉しい反面、自分も一緒にこの先も走りたいという気持ちが強く、そんな中、自分を選んでくださり、本当にありがとうございます」と、涙で言葉を詰まらせながらデビューが決まった喜びを溢れさせていた。

■「必ずどこかで会おう!待ってるから!」

収録後、J.Y. Parkはエイジとミラクに歩み寄り、「間違いなく良い機会が来ます。ガッカリしないで引き続き努力してください」と励ました。NEXZとなった7人も、彼らに「絶対帰って来いよ!どこかで会おう必ずな!待ってるから」と、いつか再会できる事を信じて、別れを惜しみ、ケンは苦楽を共にした仲間と別れるのがあまりにもつらく、泣き崩れてしまった。

最後は9人で円陣を組み、トモヤが「違う場所でも同じ夢があるから、それに向かって頑張ろう」と言って、全員で「ファイティーン!」とこれからの自分たちへ力強くエールを贈った。NEXZの7人とエイジ、ミラク、そしてショーン、ソウダイ、タイガも、いつかきっとまた再会できるはず。NEXZと共に彼らのこれからの歩みも応援し続けていきたい。

Nizi Project Season 2<完全版>」は、Huluにて全話独占配信中。また、デビューグループ“NEXZ”による初の冠番組『MiracleZ』が、1月12日よりHuluにて独占配信スタート。毎週金曜夜10時に新エピソードが追加される。

◆文=鳥居美保

最終順位1位となり、「NEXZ」のメンバーに一番乗りしたトモヤ/(c)Sony Music Labels Inc./JYP Entertainment