Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみ座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。

今回のテーマは、「世相を強く反映するZ世代の『今年の抱負』」。「NY Future Lab」のメンバーが、社会が大きく変化するなかで、2024年の抱負について語り合いました。

※写真はイメージです


◆ラボメンバーたちが「2024年の抱負」を発表

毎年お送りしている、アメリカZ世代のNew Year’s Resolution(今年の抱負)。2023年は「健康」を望む人がもっとも多い結果でしたが、世界的な経済誌「Forbes」のデータによると、2024年も「体と心の健康」がトップになっています。

一方、ラボメンバーにとっては2024年が人生の大きな岐路となる人も多いようです。社会情勢が大きく変化する昨今、抱負はどのような内容になるのでしょうか?

まずは、アクチュアリー(確率論統計学などの数理的手法を活用して、保険や年金などの分野で起こる不確定な事象を取り扱う数理の専門職)のメアリー、起業家のケンジュ、医大生シャンシャンが抱負を語ります。

メアリー:たしか、去年の抱負は「健康になりたい」だったと思うけど、あまり実現できなかったんだよね。だから、今年もやはり「健康になる」かな。でも、今回はもっと具体的な目標があるの。たとえば、もっとダンスを習うみたいな。

ケンジュ:僕の新年の抱負は、毎年ほとんど同じ。だけど、今年初めて決めたのは、家族ともっと旅行したり、親戚と過ごす時間を増やしたりすること。僕は起業して2年目なんだけど、最初の頃のように死ぬほど働かなくてもよくなった。日本の親戚に最後に会ったのはもう5年も前なので、今年は絶対に会いに行きたい。だから、今年は人生を楽しみ、旅行、家族との時間に集中したいと思う。

シャンシャン:去年は目標に向かってひたすら準備していた年だった。だから、今年はその結果を見ることになる。ということで、今年の新年の抱負は、PAスクール、つまり医師アシスタントの学校に合格すること。医師アシスタントは医師とほぼ同じ仕事をするポジションで、合格率3パーセントという難関。でも、もし入ることができれば、私の将来は大きく変わるはず。たぶん、引っ越しをするでしょうし、今やっている仕事も全部辞めるかも。

シェリー:その学校って、すごくお金がかかりそうだけど?

シャンシャン:かかるよ。もし受かればだけど。2年のコースを卒業したら、13万ドル(約1,900万円)の借金が待っている。運良く公立に入れば、6万ドル(約900万円)くらいかな。もしPAスクールに入れなければ、自分のキャリア選択を考え直して、ベストな道を見つけなければいけない。

健康、人生を楽しむなどの抱負が出るなか、具体的な目標が印象的だったシャンシャン。彼女が目指すPA(Physician’s assistant)は、医師の監督下で医師とほとんど同じ仕事をする職業。アメリカでは医師になるまでにインターンを含め10年以上かかるのに比べ、PAは2~3年の通学を経て仕事に就くことができ、給与も高いです。

2023年アメリカの「ベストジョブランキング」ではPAは4位の位置にある人気職です。

1. ソフトウェア開発
2. 診察看護師(NP)
3. 医師・健康サービス・マネージャー
4. 医師アシスタント(PA)
5. 情報セキュリティ・アナリスト

トップ5のうち、医療関係はなんと3つという結果に。医療人材が不足の今、引く手あまたで給与もよく、キャリア満足度も高い医療系の仕事が注目されています。

では、日本の仕事満足度が高い職業は何でしょうか? 求人情報サービス「doda」の「仕事満足度 職種ランキング最新版」では、以下の結果となりました。

1. データサイエンティスト
2. 財務
3. ITコンサルタント
4. プリセールス、IT通信系エンジニア
5. 研究開発(IT通信系)

トップ5のほとんどがIT系で、医療関係はトップ10外でした。アメリカは医師以外の医療関係者、特に看護師や医師アシスタントといったポジションの給与が高く、社会的地位も高いことがランキングの違いとして考えられます。

(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャンメアリー/©NY-Future-Lab


◆若者たちのあいだで流行る「マニフェステーション」とは?

続けて、医大生で医師を目指すミクア、テレビ局勤務のヒカル大学院生のノエに2024年の抱負を聞きました。

ミクア:私は今年大学を卒業予定なので、ちゃんと卒業できることが主な抱負かな。そして、年末には医科大学院のためのローンを組まなければいけない。幸いにも、すでにプログラムに入っているので受験の必要はないけれど、いい成績を維持し、どうやってローンを組むかが重要。

そのためには、日々の生活に一貫性を保つこと、ルーティンを守ることが本当に重要だと感じている。決まった時間に起きて、睡眠スケジュールを守り、食事についても規則正しく、いいものを食べるようにしたい。

ヒカル:仕事が僕の生活の大きな部分を占めているんだ。そのためには、健康を保つこと。アメリカ中を飛び回って撮影をするには体力がいるからね。(漫画の)「ワンパンマン」って覚えてる? 5年くらい前にアメリカで「ワンパンマン・チャレンジ」というワークアウトが流行ったんだ。その真似をしているよ。非常にシンプルで、何も考えずにただやるだけ。

ノエ:新年の抱負ではないかもしれないけれど、去年の9月にフランスリヨンに引っ越した頃、ユースホステルオーストラリア出身の女の子と出会ったんだ。彼女はマニフェステーションに興味を持っていた。その彼女が、お金、男性、バケーションなど、さまざまなものをマニフェステーションで引き寄せる方法を教えてくれた。それを私もやってみて、数ヵ月以内に手に入れたいことを、いくつかノートに書いたんだよね。

マニフェステーションのノートを見返してみたら、75パーセントは実現していたんだ。だから、新しい年の抱負も、マニフェステーションのノートのように書いてみた。まだ親の助けを少し受けているから、金銭的な安定と独立が一番欲しいものだね。フルタイムの仕事をやってみたいと思っているけれど、自分に合った仕事につけるか心配。でも、少なくとも試してみるべきだと言ってくれた人がいたり、自分でもそうかなと納得したので、今年はトライしてみるつもり。

マニフェステーションとは、ポジティブに考え、願い、それを実現することを目的としたプロセスを意味する言葉。日本における「引き寄せの法則」と似ています。

実は、アメリカのZ世代はマニフェステーション世代と言われるほど(マニフェステーションの)人気があり、TikTokでは非常に多くの関連動画が投稿されています。

Z世代評論家のシェリーは「Z世代は他の世代に比べて1.4倍ぐらいマニフェステーションが好きです。ポジティブ・シンキングとして捉えている人も多いですが、ニューエイジ的、非科学的と嫌う人もいます」と解説。

ニュース媒体のビジネスインサイダーの記事では、マニフェステーションが好まれる要因について「パンデミックや戦争のさなか、自信とコントロールの感覚を求めるのは理にかなっている。特に医療、住居、経済的な安定といった必需品が自己責任とみなされるようになると、人々は自分たちで何とかしなければならなくなる」とコメントしています。シェリーは「(マニフェステーションが)サバイバルとして機能しているのかなと思いますね」と語り、話題を締めくくりました。

<番組概要>
番組名:sensor
放送エリア:interfm
放送日時:毎週金曜19:00-22:00放送
出演:Cartoon、シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/sensor/
特設サイト:https://ny-future-lab.com/
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