明日からちょっと見る目が変わるかも! 街で見かける「お仕事ぐるま」の値段を調べてみた

この記事をまとめると

■街なかで見かける働くクルマの値段を紹介

■ゴミ収集車や自衛隊高機動車は価格的には乗用車とそれほど開きはない

■驚くほど高額なクルマもある

はしご車はフェラーリやランボの通常モデルを遙かに上まわる

 コロナ禍やウクライナの紛争、そしてじわじわ続く不況のなかでいろんな商品の価格が上がっており、高額なクルマの価格についての意識も徐々にシビアになっているのを感じる今日この頃です。

 いつものように自分の所有するクルマを運転しながら、間近に迫る車検のタイミングで買い換えをどうしようか? と思い悩んでいると、思考がぼんやりした隙にすれ違ったゴミ収集車に意識を奪われて、「あの車両って、買ったらいくらするんだろう……」なんて考えてしまうこともあったりしませんか?

 まあ、あったりするかどうかはともかく、ここでは街なかや高速道路などで見かける「お仕事ぐるま」の価格がどれくらいなのかについて、すこし掘り下げてみましたのでそれを紹介していきましょう。

■ゴミ収集車の参考価格

 通勤時や通学時に街角でよく見かけるゴミ収集車。正式な呼び名は塵芥車(じんかいしゃ)というらしいです。ゴミ収集の業界では「パッカー車」と呼ばれていることが多いようです。

 トラックのフレームに、ゴミを回収、圧縮する油圧機構を備えたボックスが積まれた構成の車両です。

働くクルマっていくらで買える?

 ベースとして主に使われているトラックは、小型・中型クラスです。 2~3トンの小型クラスでは「トヨタ・ダイナ」や「日野デュトロ」、「いすゞエルフ」といった車種。4トンの中型クラスでは「日野レンジャー」や「いすゞフォワード」などが使われているようです。

 機構的には、地方自治体や清掃会社によって細かい仕様の違いなどはあるものの、主に「回転式」と「プレス式」の2種類に分けられているようです。

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「回転式」は回転するフラップがゴミをボックスに送り込んだ先でプレス板が圧縮する方式で、液体の飛散が少ないことから家庭ゴミの回収に向いています。「プレス式」の方は、入り口に設けられた圧縮&スライド板で圧縮してから奥に送り込む方式で、小さいゴミはもちろん、粗大ゴミも効率よく回収することができます。

 価格は小型車で300万円から500万円ほど。中型車で400万円から700万円というのがだいたいの相場のようです。

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 仕事ぐるまとしては意外とリーズナブルな価格設定だなと感じましたが、どうでしょうか?

■はしご車の参考価格

「はしご車」と聞いてどんなクルマを思い浮かべるでしょうか? その何割かはブームを伸ばして荷物を高い場所に吊り上げる車両をイメージしたのではないでしょうか。はいそうです、それは「クレーン車」ですね。

「はしご車」というのは、主に消防士がビルなど高い場所の救助をおこなうための車両です。「はしご」と呼ばれるトラス構造のラダーアームの先に、レスキュー隊員や救助者を乗せるバスケットが備えられています。

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 また、消火もおこなえるように高圧の放水機構や、救命をしやすくするための照明装置、そして救助者や装備を上げ下げする用のリフターも備えています。

 30m級や40m級の車両は、大型のトラックがベースではなく、専用の重機シャシーを使用しています。エンジンは1万7000〜2万ccの超大排気量のものを搭載。

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 現地で切り返しなどの手間をかけずに設置場所を微調整するための全輪躁舵や、凸凹を乗り越えやすくするためのリフトアップ機構を備えた車両もあるようです。

 価格は30m級で1億数千万円から。40m級で2億円くらいが相場のようです。

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 ちなみに国内で最大クラスは54.7mで、車重は21トン。価格は2億4000万円だそうです。

自衛隊の高機動車は乗用SUVと大差ない

■大型トラックの参考価格

 今も昔も流通の根幹にあるのが、大型トラックによる長距離の運搬です。その多くは、渋滞が少なく高速道路の料金の安い深夜の時間帯に走っているのを見かけます。

 あの大型トラックの価格はいったいどれくらいなのか、気になったことがある人も少なくないでしょう。

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 ちなみに大型トラックというのは、全長12m以下・全幅2.5m以下・全高3.8m以下のサイズで、最大積載量が6.5t以上・車両総重量11t以上(25t以内)のトラックのことです。

 車体と荷台の関係で、トラックとトラクター(トレーラーヘッド)の2種に分かれますが、ここでは箱を積んだトラックタイプで話を進めます。

 トラックタイプに限定しても、各メーカーの装備や仕様で価格はかなりの開きがあります。搭載エンジンは1万ccから1万5000ccくらいまであり、ターボを組み合わせたものもあります。パワーバンドが1000〜2000rpmの間の短い領域しかないため、ミッションはどんどん多段化が進んで、今や16段変速も当たり前になっています。サスペンションはエアサス車が上位として位置付けられているようです。

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 シャシーは主に3軸と言われる6輪構成が基本で、小径タイヤで低床化を図った4軸タイプも割合を伸ばしているようです。

 キャビンもバリエーションがいろいろあって、いちばん広いのは前後に長いフルキャビンの2階建てハイルーフになります。ベッドはもはやカプセルホテルよりも広いのではないかという状態です。

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 荷室は、もっとも簡素な平ボディから、箱形のバンボディ、そしてバンボディの側面がガルウイングのように開くウイング車などの種類があります。

 価格についてですが、バリエーションがかなり多いので値段に開きがありますが、だいたい1600万〜2500万円くらいで販売されているようです。

 ちなみにそこそこ見かけるベンツダイムラー)やボルボのトラック、乗用車の感覚では国産車より高いというイメージがありますが、実際のところは国産とほぼ同じか、少し高いくらいのようです。

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 子どもの頃にサービスエリアで休憩していた長距離トラックの運転手に「このでっかいトラック、すごく高いんでしょう?」と訊ねたことを思い出しました。その返答は「ポルシェフェラーリが買えちゃうくらいだよ(笑)」と返ってきました。あながち冗談ではなかったんですね。

■自衛隊の高機動車の参考価格

 高速道路で移動しているときに、ふと違和感を覚えてそちらを確認してみると、ツヤ消しのオリーブカラーに塗られた「ハマー」のような車両が走っていて、車内の自衛隊員と目が合ってしまうという経験をしたことがある人もけっこう多いのではないでしょうか。

 あの車両がどこのメーカーのもので、いくらくらいのものなのか、その場では気になるのですが、いつの間にか忘れてしまいます。

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 こちらはすこし毛色が違って、お仕事ぐるまとは言えないかもしれませんが、気になっていた車両なので調べてみました。

 高速で見かける自衛隊の車両は、他にもいろいろありますが、ここでは人員搬送用の車両について話していきます。

 正式な名称は高機動車をヨコ文字にした「HMV(ハイモビリティビークル)」とのことで、別に「疾風(はやて)」という呼び名もあるとか。

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 製造しているメーカーは「日野自動車」です。開発は「トヨタ」がおこなったそうです。そこでピンと来た人もいるでしょう。一瞬だけ販売されて話題になった「メガクルーザー」は、この車両の一般市販バージョンです。

 乗員数は10名で、搭載されるエンジンは4.1リッターのディーゼルターボで、トヨタ版と日野版があるようです。センターデフロック機構付きのフルタイム4WDで、ミッションは4速AT。小まわりが利く4輪躁舵機構を備えています。

 価格は770万円也(※一般販売はしていません)。おそらくエンジン、シャシー、足まわりなどの主要機構にコストの大半が割かれているとは思いますが、さすがに特殊な用途の車両だけあって、装備のわりに高価だという印象です。

 ちなみに市販版の「メガクルーザー」は960万〜980万円となり、200万円ほど上乗せされています。

働くクルマっていくらで買える?

 いろんな種類があるお仕事ぐるまの中から、いま気になっている4つを紹介してみましたが、いかがでしょうか? 意外と高いと感じたり、逆に安いと感じたり、それぞれあったことと思います。もしかしたら「これ、買えるな……」と、食指が動いてしまった人もいるかも知れませんね。

 機会があれば、今回紹介できなかった別のクルマも調べて紹介してみたいと思います。

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明日からちょっと見る目が変わるかも! 街で見かける「お仕事ぐるま」の値段を調べてみた