【元記事で読む】

リトル・リチャードが叫んだ!「俺こそロックンロールの創造者であり解放者だ!」


1997年1月27日、米ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで開かれた第24回アメリカン・ミュージック・アウォードにて、ひとりのレジェンド・ミュージシャンに功労賞が贈られた。音楽業界の仲間たちからの万雷の拍手に迎えられ、ステージに上がり涙ぐむ当時64歳の彼にとって、まさにそれは長年の努力と苦労が報われた瞬間なのであった!その名はリトル・リチャード。本名リチャード・ウェイン・ペニマン。1950年代半ばに彗星のように音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えたこの革新的な黒人ミュージシャンは、いったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか。

ビートルズもストーンズも。ボウイもフレディプリンスも。
JBもジミヘンも、そしてプレスリーまでもが彼に憧れ、敬愛し、真似た!
現代ロックの誕生を導き、あらゆる困難と闘った偉人、その知られざる史実と素顔とは?
1955年、デビュー・シングル「トゥッティ・フルッティ」の大ヒットで世に出ると、リトル・リチャードはヒット曲を連発して反権力志向の若者の心をつかみ、まさにイナズマのような活躍をみせるも突如引退を宣言。そこから5年の「教会への回帰」を経て、復帰後はイギリス・ツアーを通じて無名時代のビートルズローリング・ストーンズに決定的な刺激と影響を与えていく。立ったままでピアノを弾き、左手でブギウギを、右手では打楽器的打鍵を披露。激しいリズムを背景に、叫ぶように歌ったかと思えば、ピアノの上に立ち、衣服を脱ぎ捨ててステージを縦横無尽に駆けめぐる。今ではすっかり当たり前になっているパフォーマンスの数々が約70年前にひとりの黒人シンガー・ソングライターによって創造されたのだ。さらに近年ではLGBTQ+(クイア)の先駆者としても再評価されている。

「俺こそロックンロールの創造者であり解放者だ!」
ついにその功績が認められ、高らかに叫ぶリトル・リチャードの感動のスピーチに鳥肌必至!
当時のアメリカでは南部を中心に人種差別がまだまだ激しかった。リトル・リチャードはゲイを公言する性的マイノリティーでもあり、陽気な言動とは裏腹に、あまりに壊れやすい繊細な魂を持った人物だった。そう、早すぎた才能は正式な評価を得る機会をなかなか見つけられなかったのだ。信仰面では主に認められることを欲したリチャードは、音楽活動においての承認欲求が長い間、満たされずにいた。その不満と孤独をついに埋めたのが1997年1月27日に開催された「アメリカン・ミュージック・アウォード」での功労賞受賞である。そのアーカイブ映像は、不遇のロックンロール革命者に対する同情と共感の念を誘ってやまないだろう。現代ロックの先鞭をつける活躍をしながら、正当な評価を受けられない日々。その悔しさが半世紀近くを経て、氷解した瞬間であった。本作では「アメリカン・ミュージック・アウォード」での功労賞受賞時の映像をたっぷりと見ることができ、受賞スピーチリトル・リチャードは「ずいぶん遅かったな。ずっと待ってたんだぞ」と語り、そして高らかに叫んだ。「俺こそロックンロールの創造者であり解放者だ!」と。

2020年5月6日リトル・リチャードは骨肉腫のため死去した。87歳であった。その死に対し、ボブ・ディランミック・ジャガーキース・リチャーズ、ポール・マッカートニーリンゴ・スターブライアンウィルソンロッド・スチュワート、エルトン・ジョンビリー・ジョエルパティ・スミス、ブルーノ・マーズといったビッグアーティストたちから心のこもった多くの追悼コメントが寄せられたのだった。迷い、悩みながらも前へ進み、最後に報われた人生、その不屈で繊細な魂に酔いしれよう!

新たに解禁する新ビジュアルも、シャウトするリトル・リチャードを煌びやかなゴールドが包むデザインとなっており、“ロックンロールの創造者であり解放者”の神々しい姿がそこにある!ぜひ劇場でご確認いただきたい!
Information


リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』
2024年3月1日(金)より、シネマート新宿ほか全国公開

上映劇場:
シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町、札幌シネマフロンティアMOVIX仙台、小山シネマロブレ、宇都宮ヒカリ座、長野相生座・ロキシーシネマテークたかさき、ムービル、T・ジョイ蘇我、キネマ旬報シアター、あつぎのえいがかんkiki、静岡シネ・ギャラリー、シネマイーラ、シネ・ウインド、高田世界館、ミッドランドスクエア シネマ、アップリンク京都、シネマート心斎橋T・ジョイ梅田、シネ・リーブル神戸、八丁座、シネマルナティック、とさぴくシネマ、KBCシネマシネプレックス小倉、シアター・シエマ、T・ジョイパークプレイス大分、Denkikan、宮崎キネマ館、鹿児島ミッテ10、桜坂劇場

製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズナイルロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーター
2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1chDCP
原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
字幕:堀上香
字幕監修:ピーター・バラカン
提供・配給:キングレコード little-richard.com
© 2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved
オフィシャルサイト:https://little-richard.com/
27年前の今日、デビューから半世紀近くたってようやくその苦労が報われリトル・リチャードが叫んだ!『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』神々しい新ビジュアル解禁