ラ・リーガ第22節、ラス・パルマスvsレアル・マドリーが27日にエスタディオ・グラン・カナリアで行われ、アウェイのマドリーが1-2で逆転勝利した。

アトレティコ・マドリーとのコパ・デル・レイのダービーに敗れて今シーズン初のタイトル逸となったマドリーだが、直近のアルメリア戦では2点のビハインドを引っくり返すレモンターダを決めてバウンスバックに成功した。

週明けにヘタフェとのマドリード自治州ダービーを控えるなか、直近2試合でビジャレアル、ラージョ相手に快勝している8位のラス・パルマスとの難しいアウェイゲームに臨んだ。首位のジローナを暫定1ポイント差で追う2位チームは前節から先発5人を変更。サスペンションベリンガムの代役にブラヒム・ディアスを起用したほか、バルベルデ、メンディらをベンチに置きセバージョス、フランガルシアを起用した。

リーグ最少失点のマドリー、2位のラス・パルマスが対峙した一戦だったが、立ち上がりに決定機を作り合うオープンな展開に。

まずは3分、右サイドを崩したホームチームがボックス内でのDFカルバハルのクリアミスを回収したアルベルト・モレイロが右足に持ち替えてシュートを放つが、これはDFリュディガーのブロックに遭う。直後の5分にはマドリーがゴール前に抜け出したロドリゴがGKと一対一を迎えるが、ここはGKバジェスのビッグセーブに阻まれる。

開始早々に決定機を作り合ったが、時間の経過とともに試合は落ち着いた展開に。ボールの主導権を握るマドリークロースを起点にボールを動かしながら、サイドに流れる2トップの個人技を軸に突破口を見いだそうとする。ただ、セットプレーを含めてラス・パルマスのソリッドな守備にことごとく撥ね返される。

一方のラス・パルマスは序盤以降なかなか攻撃に出られなかったが、30分を過ぎた辺りからキリアンロドリゲス、モレイロらのプレス回避や正確なパスでカウンターに持ち込む。34分にはボックス左でモレイロのラストパスを受けたセルジ・カルドナに決定機も、左足のシュートはわずかに枠の上を越えた。

ラ・リーガ最高の守備を誇る両チームの特徴が遺憾なく発揮された前半はほぼ互角のままゴールレスで終了を迎えた。

互いに選手交代なしで臨んだ後半はラス・パルマスにいきなりの決定機。左サイドで背後を取ったモレイロからの精度の高いグラウンダーの折り返しが供給されると、サンドロ・ラミレスはもたついてシュートに持ち込めずもライン際で残してマイナスに落とす。これを受けたムニルがカットインから左足のシュートをニア下に蹴り込むが、GKルニンの見事なセーブに阻まれた。

後半ファーストチャンスでのゴールには至らなかったものの、良い入りを見せたホームチームが2度目のチャンスをモノにする。53分、自陣右サイドでうまく味方に落としたサンドロ・ラミレスキリアンとのパス交換で一気にスペースに抜け出す。馬力のある仕掛けでDFリュディガーを振り切ってボックス内に侵入してグラウンダーの折り返しを入れると、猛スプリントでボックス中央に走り込んだハビ・ムニョスが右足ワンタッチでゴール右隅へ流し込んだ。

後半の出ばなを挫かれてビハインドを背負ったマドリーはここから攻勢に転じていく。57分にはセットプレー流れからカルバハルがゴールネットを揺らすが、ここはオフサイドで認められず。この直後にはブラヒム・ディアス、セバージョスを下げてホセル、バルベルデを同時投入した。

すると、この交代で攻撃のギアを上げたマドリーが同点に追いつく。65分、ボックス手前右でのクロースの粘りからボールを引き取ったカマヴィンガが絶妙な浮き球パスをボックス左のスペースに落とすと、これに反応したヴィニシウスがスムーズなボールコントロールから左足のシュートを対角のゴール右隅に流し込んだ。

1-1の振り出しに戻った試合はここからマドリー優勢で進む。それでも、ラス・パルマスも選手交代でプレー強度を維持して食らいつく。

そういったなか、押し切りたいエル・ブランコは81分にロドリゴ、カマヴィンガを下げてラ・リーガデビューとなるギュレルとチュアメニを同時投入。すると、この選手交代がすぐさま逆転ゴールにつながる。

84分、右CKの場面でキッカーのクロースが右足アウトスウィングの絶妙なボールをゴール前に入れると、マークを外して勢いを持って走り込んできたチュアメニが完璧なヘディングシュートをゴール左隅に叩き込んだ。

この日が誕生日だったチュアメニの24歳のバースデーゴールによって試合を引っくり返したマドリーは、ヴィニシウスを下げてメンディを投入。ここから逃げ切り態勢に入ると、ホームチームの守備を冷静に撥ね返し続けた。

好調ラス・パルマスとのタフなアウェイゲームを逆転で制したマドリーは、リーグ5連勝を達成して暫定首位に浮上している。