20年前の2004年1月にNHK大河ドラマ第43作として『新選組!』がスタートした。人気脚本家の三谷幸喜が初めて大河ドラマを担当し、主人公の近藤勇を当時SMAPの香取慎吾が演じた。今回はそんな香取演じる近藤を支えた隊士キャストの現在をまとめた。

【写真】『新選組!』放送開始から20周年 人気の隊士キャストたち

山本耕史

 「鬼の副長」土方歳三を演じたのは当時30歳の山本だった。ドラマは主人公・近藤の斬首のシーンで終わるが、その後も土方が隊を率いた姿はのちに続編として『新選組!! 土方歳三 最期の一日』で描かれた。近藤役の香取とは、以降もたびたびテレビ番組で共演し、仲がいいことで知られる。最近では2022年の映画『シン・ウルトラマン』でニヒルな宇宙人・メフィラスを演じ、「私の好きな言葉です」の口ぐせとともに多くのファンに評価された。私生活では、女優だった堀北真希さん(2017年2月に芸能界引退)と2015年8月に結婚し、2人の子どもが誕生している。

藤原竜也

 歴史上の新選組の中でも屈指の知名度・人気を誇る副長助勤・一番組長・沖田総司を演じたのは藤原だった。当時21歳。10代から活躍していた藤原も、本作が大河ドラマ初出演だった。以後もドラマ、映画にと活躍をし、著名な演出家・蜷川幸雄さんに見出され、蜷川さん演出の舞台にも多数出演した。私生活では、2013年5月に一般女性との年内結婚を報告。2016年6月、第1子の誕生をウェブサイトで発表している。

堺雅人

 副長、のち総長となる山南敬助を演じたのは当時30歳の堺だった。現在も大活躍中のキャストが多い中、本作出演時から最も飛躍を遂げたいっていいのは堺ではないか。本作での山南で一気に知名度を上げた堺はその後、主演ドラマ『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)シリーズで注目されると、2013年放送の『半沢直樹』(TBS系)が記録的な大ヒット。2016年には『新選組!』と同じ三谷脚本の大河ドラマ『真田丸』(NHK総合ほか)で主演を務めた。昨年は主演した日曜劇場『VIVANT』(TBS系)がまたも大ヒットし、今や名実ともに日本を代表する俳優となった。2013年に女優の菅野美穂と結婚。2015年5月に誕生した長男、2018年12月に誕生した長女の父親でもある。2022年末をもって所属していた田辺エージェンシーを退社し、独立している。

タレントを事実上引退 政界に進出した元俳優も

オダギリジョー

 副長助勤・三番組長、斎藤一を演じたのは当時27歳のオダギリだった。その後も多くのドラマ、映画に出演しているが、俳優としてのみならず、クリエイターとしての顔も持ち、NHKドラマ『オリバーな犬(Gosh!!)このヤロウ』では脚本・演出・出演・編集を担当。同作で、2022年の東京ドラマアウォードの単発ドラマ部門作品賞のグランプリを受賞した。私生活では2007年12月、女優の香椎由宇との結婚を発表している。

山本太郎

 副長助勤・十番組長、原田左之助を演じたのは当時29歳の山本だった。その後もトーク番組『トップランナー』(NHK総合)の司会を務めるなど演技の仕事以外にもバラエティ番組に出演していたが、東日本大震災後の2011年4月より反原発運動を開始し、所属していた事務所を退社し、タレントを事実上引退状態に。その後、政界に進出し、2013年7月の第23回参院選挙に無所属で立候補し、初当選。その後、複数の選挙に出馬し、現在は参院議員の議席を持つ。自身が立ち上げた政党・れいわ新選組の代表を務めている。

中村勘九郎(当時は勘太郎)

 副長助勤・八番組長、藤堂平助を演じたのは当時22歳の中村だった。人気歌舞伎俳優だった十八代目中村勘三郎さんの長男で、弟の二代目中村七之助も歌舞伎俳優として知られる。歌舞伎の舞台に立つ傍ら、テレビドラマなど他ジャンルにもおう盛に出演している。2012年2月、勘三郎さんの前名「中村勘九郎」を六代目として襲名した。2019年には大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で金栗四三役として主演を飾り、勘三郎が主演した1999年の『元禄繚乱』に続き、親子2代での主演となった。私生活ではドラマで共演した前田愛と2009年10月に結婚。2011年2月に第1子長男、2013年5月第2子次男が誕生し、2人とも歌舞伎の舞台に立っている。

昭和の大俳優の息子にして自身もベテラン大物俳優

佐藤浩市

 筆頭局長・芹沢鴨を演じたのは43歳の佐藤だった。昭和の大俳優・三國連太郎さんの息子として知られ、自身も数々のドラマ、映画に主演してすでにベテラン大物俳優の域にあった佐藤が、香取演じる近藤らにとって大きな壁として立ちはだかり、沖田(藤原)に暗殺されるまでドラマの前半を大いに盛り上げた。その後も主演作は続くが、一方でバイプレーヤーとして脇で渋い存在感を放つことも。昨年は映画『春に散る』で横浜流星とダブル主演を飾ったほか、10月期の月9ドラマ『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(フジテレビ系)にも出演していた。

山口智充

 副長助勤・二番組長、永倉新八を演じたのは、”ぐっさん”の愛称でおなじみの山口だった。お笑いコンビ・DonDokoDonとしても活動し、ものまねで多くのレパートリーを誇る。本作でもその才能を発揮したことがあり、しゃべらせるはずのオウムの調教が間に合わず、オウムのものまねが得意な山口が“吹き替え”を担当したのだ。昨年は月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)でヒロインの父親役を好演。2003年から放送中のローカル番組『ぐっさん家〜THE GOODSUN HOUSE〜』(東海テレビ)が昨年20周年を迎えた。

(左上から時計回りで)山本耕史、堺雅人、藤原竜也、オダギリジョー  クランクイン!